「家なき子」の原作について
原作はエクトール・アンリ・マロ、フランスの小説家です。
フランス、ノルマンディー地方ラ・ブイユ生まれ。話上手な母親の子に生まれ、昔話や海外の珍しい話をよく聞かされながら育つ。中学生のときには読書に熱中し、友人と雑誌を作るほどだった。治安判事である父の仕事を手伝ううち、庶民の生活や心に触れ、文学を志すようになり、1858年に出した処女作「恋人たち」が好評をもって迎えられる。元来子ども好きだったマロは子どものための本を書くようになり、「家なき子」の執筆も始めるが、普仏戦争やパリ・コミューンに巻き込まれ、原稿は散逸してしまう。しかし再度書き上げ、出版された本はベストセラーになった。他の代表作は「家なき娘(少女)」など。(大久保ゆう)
日本では子供向けの作品が翻訳され出版されていますが、大人向けの作品も多数発表していました。
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日本で翻訳され出版された「家なき娘」もフジテレビ系で、「ペリーヌ物語」としてアニメ化されています。飼い犬のバロンがとぼけた感じで、いい味を出していました。
「家なき子」と「家なき娘」の共通点
「家なき子」、「家なき娘」は、姉妹編のような言い方をされますが、つらい一人旅のなかで、様々な人と出会い、助けられて成長していくところと、「家なき子」は貴族の母、「家なき娘」は実業家の祖父という恵まれた家庭に受け入れられる、というところが共通している部分です。最後はハッピーエンドですが、どちらの作品も、人との出会いと繋がり、つらい出来事にも前向きに向かっていく、素直で強い意志というものを強く感じます。
「家なき子」印象に残るシーンベスト3
「家なき子」には印象に残るシーンがたくさんありますが、その中でも心に残るシーンを3つご紹介します。
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印象に残るシーンその1
ビタリスが投獄されている間、レミは動物たちと一緒に白鳥号に招待されますが、白鳥号の持ち主ミリガン夫人はレミの実の母というのは、原作を読んで知っていました。お互いがその事実を知り、探し出そうとしたときに、実はすぐそばにいたというシーンがありました。
川岸と川の上の白鳥号、晴れていればすぐにわかる距離ですが、霧が邪魔をしてお互いに通り過ぎてしまうシーンを見て、とても歯がゆい思いをしました。
川岸と川の上の白鳥号、晴れていればすぐにわかる距離ですが、霧が邪魔をしてお互いに通り過ぎてしまうシーンを見て、とても歯がゆい思いをしました。
印象に残るシーンその2
吹雪の山で、ゼルビーノとドルチェの2匹をオオカミに襲われ、寒さでサルのジョリクールを失った一座は、興業ができなくなります。ビタリスは仕事を求めて、かつての弟子に貴族の子供のバイオリンの家庭教師として仕事を紹介されます。貴族の奥様達は、旅芸人のビタリスを笑いものにして追い出してしまいますが、それでもビタリスはかつての世界的なオペラ歌手としての素性を、明らかにすることはありませんでした。プライドとは、過去の栄光をいつまでも引きずる事ではないと感じました。
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印象に残るシーンその3
動物たちを失い、興業収入もままならないビタリス一座は、教会に一夜の宿を求めようとしますが、吹雪になり、進めなくなります。道端のわらの山の中にレミとカピを入れ、ビタリスは守るように覆いかぶさり、そのままなくなってしまいます。レミとカピ、一座というよりも、家族を守ろうとする姿を思い出すと、今でも涙が出てしまいます。