「下品です。漫画描いてます。男子高校生が好きです。 単行本『男子高校生とふれあう方法』発売中。漫画アクションにて連載してます。」(ツイッター自己紹介より引用)と語る、女性漫画家。
女子大生時代に末田雄一郎先生・吉本浩二先生の『昭和の中坊』に出逢って熱狂。自身もネットでシュールな漫画を発表し始め、注目される。双葉社で連載を執筆するようになり、書き溜めた作品は双葉社で『男子高校生とふれあう方法』(2016年)として単行本化。いま、もっとも2冊目の刊行が待たれる漫画家の一人である。
地球のお魚ぽんちゃん先生『昭和の中坊』にハマる
――大学の先輩から古い「漫画アクション」を借りて、吉本先生の『昭和の中坊』を知ったのですね。
ぽん
ガツンときて、一気に読みました。でも、知ったときは連載がもう終わっていたんですよ。
――当時、他にはどんな漫画を読んでらっしゃったんですか?
ぽん
『NARUTO-ナルト-』とか『銀魂』とか『浦安鉄筋家族』ですかね。王道のギャグ漫画しか読んでなくて。小中学生の頃は、少女漫画しか読んでなかったです。
――主に男の子が活躍する系。中でも『浦安鉄筋家族』は『昭和の中坊』に通じる内容ですね。ギャグ漫画が特にお好きなのですか?
ぽん
はい、最初に読んだのが『浦安鉄筋家族』でした。その後が『銀魂』で、一回、腐女子になって、大学に入ったらそういう熱が薄れ(笑)、そのときに『昭和の中坊』をお薦めされたんですよ。それが、自分が漫画家になったきっかけでした。
吉本
そうだったんですね(ひとごとのように)。
一同
(爆笑)
ぽん
当時は『昭和の中坊』の単行本が書店にはもう置いてなくて、古本屋をまわって探しました。私、何かひとつ好きになると、それだけ追うところがあって……。それまで青年漫画は読んでなかったんですが、これがきっかけで「漫画アクション」を買い始めたんです。
『昭和の中坊』の中の思い入れのあるキャラクター
――『昭和の中坊』のお気に入りのキャラクターを教えていただけませんか?
吉本
自分をキャラに投影していないつもりだったんですが、丸木は自分の要素が入っていると思います。
ぽん
私も今日は好きなキャラクターを選んできたんですが、私も丸木、好きです! すぐに顔が真っ赤になっちゃう所がいいんですよね。アイコラを作る回(第30話「できるのかな?」)の丸木が特に好きです。アイドル雑誌とエロ本を切り張りして、アイコラを作る作業をひたすら地味に続けているのですが、なかなかうまく出来なくて、丸木がニゴシに「真剣にやれ!」と切れられちゃうんです。するとアイドル雑誌は丸木がお姉ちゃんの雑誌を勝手に持ってきちゃってたもので、丸木が泣いちゃうという……。とても可哀相なんだけど、笑っちゃいました。
吉本
それから矢島先輩が好きでしたね。
ぽん
矢島先輩、良いですよね! 痛々しい場面がけっこう多くって(笑)。それも愛おしいんですが(笑)。それより何より、めちゃくちゃちっちゃいんですよ。大好きなシーンがあるんです。矢島先輩が多摩川の橋を渡るシーンです。矢島先輩がニゴシたちにエロ情報を気持ちよさそうに自慢げに話していたんですが、転校生の肥後くんの方がエロ情報に詳しくて、矢島先輩が拗ねて多摩川を渡っていくんです。東京側から神奈川側にちっちゃい矢島先輩が歩いていくのを、ニゴシたちが呆然としながら見ているんですよね。そんな矢島先輩が可哀相で。私、地元が多摩川沿いなので、多摩川の橋の長さと距離感が分かるんです。大分長い時間、とぼとぼと歩く所をニゴシたちに見られてたんだなあ、と思うと、矢島先輩が可哀相で。