吉本
意外と、ニゴシのお父さんが好きかも。
ぽん
私もニゴシのお父さんを選びました! 夜中にエロい番組を観ようとしてお母さんにバレそうになったニゴシをかばったり(第4話「動く裸の夜」)して、とにかく優しいんですよね。
ぽん
そして最後に、B組の竹光ははずせません(笑)。
――エロのために、誰よりも先に妄想の実現にチャレンジしている、伝説の男子ですね(笑)。
吉本
そうか、竹光がいましたね(笑)。
ぽん
竹光は、主人公のニゴシたちと違うクラスなんですよね。実際にニゴシたちと出会う場面は、最後まで無いですよね。常に回想シーンにしか登場しないんですよね。
――ぽんちゃん先生、『昭和の中坊』の好きな回を教えていただけますか?
ぽん
河原に落ちてたコンドームを毎日のように見に行く話(第10話「英雄コンドーム」)が好きです。セリフ回しが面白くて。セックスって“する”ものじゃないですか。ところが「セックスが行われている」や「セックスされてる」って表現が出てきて(笑)。彼らにとっては“未知なもの”なんですよね。だから、そういう言葉遣いになるんだなって。無知だからこその神がかった台詞ですね。
編集長
これは末田さんの原作通りのセリフです。末田さんの言葉のチョイスも素晴らしさも、『昭和の中坊』の面白さの秘訣です。
吉本
僕も、この回がいちばん好きかも。
編集長
この回の原稿が上がったときの達成感が、半端なかったですよ。ラストで川に流れたコンドームをニゴシたちがひたすら追いかけるんです。そのシーンの吉本さんの演出がとにかく感動的で秀逸なんです。元ネタは映画『泥の河』です。
吉本
……そうでしたか、いや、ええと……。
編集長
「『泥の河』で行きましょう」って提案したのは吉本さんですよ(笑)。掲載誌を読んだ末田さんも、「これ『泥の河』ですね」って一発で見抜いて、さすがだな! と思いました。