【2階建て新幹線】2020年度末までに引退へ
2017年5月29日 更新

【2階建て新幹線】2020年度末までに引退へ

1985年の東海道・山陽新幹線100系から続いてきた2階建て新幹線の歴史ですが、現在運行されている唯一の2階建て新幹線「E4系」が、2020年度末までに引退するというプレスリリースが発表されました。今回は、2階建て新幹線のこれまでの歴史と活躍をご紹介したいと思います。

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E1系、そしてE4系の計画された当時は、東北・上越新幹線においても、沿線に人口が増えており、新幹線通勤・通学の人もそれに合わせて増加していました。

2階建ての大収容力のE4系は、大活躍をしていました。

2つの問題点。

しかし、時代の移り変わりとともに、次第にこの画期的なオール2階建て新幹線は使いづらくなってきました。

1つ目の理由は、東北新幹線が、盛岡よりさらに八戸、新青森そして新函館北斗まで延伸したこと。
これにより、特に東北新幹線では、遠距離である青森や北海道に向けてはさらに高速の出せる電車が必要になってきたことによります。
E4系は、2階建てのため、まず車体の重量が大きくなります。
さらに、2階建てのため、背が高く、風圧が大きくなり、流線型の進化したE5系などの車両に比べて、速度が遅くなってしまう点です。

2つ目の理由は、いわゆる、「住民の都心回帰」あるいは「少子高齢化」により、新幹線通勤・通学する人の数が減ったため、極端な大量輸送をする必要が薄れてきたことです。

背が高く重量が重いE4系の最高速度は240km/h。それに対して、新青森開業に合わせて登場したE5系の最高速度は320km/hになります。
そのため、まず、青森、北海道へ高速で走る必要がある東北新幹線から、E4系は撤退し、距離の短い上越新幹線のみの運用となりました。
現在の東北新幹線の主力車両 E5系

現在の東北新幹線の主力車両 E5系

2階建ての宿命

これはE4系だけではなく、在来線でオール2階建て車両である215系などにもいえることですが、座席に座るためには、オール2階建てなので、ドアを入ったら必ず車内の階段を上ったり下りたりする必要があることです。バリアフリーの進んだ現在、ハンディを持つ人にとって「優しくない」点があだとなってしまいました。
また、新幹線では、「車内販売」のワゴンが通路を通りますが、8両なり16両なりの車両1両通るたびに、重いワゴンを持って階段を上り下りしなければいけない点も、問題となりました。

このような理由で、現在の新幹線には、E4系の計画された当時の前提条件が変わってきてしまったため、今回、2階建て新幹線は引退することになった模様です。

後継の車両は、「E7系」

E7系車両

E7系車両

上のプレスリリースにもあるように、上越新幹線のE4系の後継には、現在北陸新幹線で運行されている「E7系」が務めることになりました。
新幹線の「原点回帰」とも言えるのか、「適度な人数を、快適に、速く運ぶ」という方針なのでしょう。

今回のプレスリリースでは、2020年「までに」E4系をE7系に置き換えます、ということなので、当然、それより早い時期にすべて置き換わってしまうことも考えられます。

東北・上越新幹線の一時代を支えた「オール2階建て新幹線・E4系」に乗るなら、今のうちですね。
新幹線車両の歴史については、こちらの方がまとめてくださっています。
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