惜しむらくは、GA版はカメラアイが左右に長く細いため、アニメ劇中の作画への似せ方は、初代よりも退化してしまったことか。
続いては、1990年3月に発売された、初代1/144 HGガンダム。これを今回は「初代HG」と呼ぶ。
このキットも既に連載で紹介済みだが、一つ言い足せることは、「全身フレームに装甲」という組み合わせと「スカートがプレートアーマーとして分割」という要素は、ガンダムでは『機動戦士Zガンダム』(1985年)、サンライズロボットアニメでは、その前年の『重戦機エルガイム』(1984年)で、メカデザイナーの永野護氏が、ロボットアニメに持ち込んだ設計概念であるということ。
このキット以降、『機動戦士ガンダム』のモビル・スーツのガンプラも、デザインリファインされる時は、それらの要素が主流になっていく。
このキット以降、『機動戦士ガンダム』のモビル・スーツのガンプラも、デザインリファインされる時は、それらの要素が主流になっていく。
「半完成済みのフレームに、装甲を被せていく組み立てスタイル」は、20年後のリアル・グレードのガンダムにも受け継がれているが、フレームの可動強度に弱点があるという難点も、そのまま受け継がれている。
マスクの出来は、今でも通用するクオリティの高さだが、キット自体が絶版になってしまったこと自体が惜しい。
上腕ロール可動軸は当然装備しているので、過去のガンダムよりはアニメに近いポーズになったが、肩のスウィング可動がないので、ライフルの角度が調整できない画像になった。
ガンプラガンダム4代目は、1999年7月に発売された、1/144 FGガンダム。これを今回は「FG」と呼ぶ。
FGは、ガンプラが本格的にカトキハジメ氏のデザインアレンジを、別機体扱いではなく、リファインとして採用し始めた時代の代表的な商品例となった。
カトキハジメ氏アレンジのガンダムは、肩アーマーのアレンジや、胸の黄色いダクトが、形状変化と共に独立して別パーツ化しているところなどが特徴で、しかし、RX-78 ガンダムのVer.kaのガンプラは、未だ決定版がないということもあって、このFGにも根強いファンは多い。
しかし、初代と比較した時に、上腕ロール軸が追加されたことによる、ポージングの幅の広がりは意義が大きく、賛否両論別れるが、このキットを徹底的に作り込むことで、オンリーワンの「1/144 RX-78 ガンダム Ver.ka」が作れるという意味では、ユーザーを試すキットとしても、趣は深いだろう。