2017年10月30日 更新
クロカン4WDの革命児、三菱パジェロ
1980年代後半に起こったRVブーム。その牽引役となったクルマが三菱パジェロです。子どもの頃、洗練されたクロカンボディに魅了された人も多いのではないでしょうか。今回は、初代パジェロを振り返ってみます。
新たな4WDを模索していた三菱
長いこと、4WDといえば軍用車をベースにした三菱ジープやトヨタ・ランドクルーザー(40系)、日産パトロールといったクルマでした。さらに、軽自動車のスズキ・ジムニーがありましたが、いずれにしろ屋根がなかったり、悪路での荷物輸送を最優先したようなクルマがほとんどでした。
しかし、三菱では新たな4WDの模索をしていました。1973年の東京モーターショーで、コンセプトカーの「ジープパジェロ」を出品。実用車であるジープをベースに、乗用車的な遊びのエッセンスを加えたものでした。
1979年の東京モーターショーでは、「パジェロⅡ」という名で再びコンセプトカーを参考出品。そして1981年の東京モーターショーで、いよいよ「パジェロ」を市販予定車として出品しました。
最初のパジェロは2ドアだった!
1982年5月7日、三菱はパジェロを発売しました。パジェロが画期的だったのは、ベースをジープほど頑強なものにせず、小型トラックのフォルテの4WDをベースにしたことです。これにより、従来のジープよりもマイルドな4WDに仕立てることができました。
パジェロというと4ドアのロングボディを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実は当初ラインナップされたのは2ドアのショートボディのみで、しかもメタルトップとキャンバストップのライトバン(4ナンバー車)でした。エンジンは2300ccディーゼルターボ(グロス95PS)、同ディーゼル(グロス75PS)、2000ccガソリン(グロス110PS)の3種類でした。
翌83年2月に、5ナンバーにした乗用車モデルを追加。エンジンはディーゼルターボに加え、2000ccガソリンターボ(グロス145PS)が設定されました。
同年6月には、ボディを延長した4ドア・ロングボディが登場。屋根もハイルーフ化されました。5ナンバー・7人乗りのエステートワゴンと、4ナンバーのエステートバンが用意され、パジェロの快進撃が始まります。
パジェロはまず、メタルトップバン(左)とキャンバストップ(右)がラインナップされた。
高級車セダンのようなエクシード誕生
4ドアボディの追加で実用性が大幅に向上したパジェロは、RVの先駆者となりました。1984年6月にはマイナーチェンジが行われ、フロントグリルのデザイン変更やディーゼルターボエンジンの性能向上を実施。さらにワゴンのディーゼルに最上級グレードのXLが設定されました。翌85年4月には、クラス初となる4速AT搭載車が設定されました。
1986年5月には、4ドアの屋根を低くしたミッドルーフが登場。スタイリッシュさが増すとともに、ディーゼルエンジンが2500ccに拡大されたこともあり、人気はいっそう高まりました。
パジェロのイメージと直結する3トーン塗装のエクシードは、1987年9月のマイナーチェンジで登場しました。レンジローバーなど、海外の高級4WDを想起させる内外装は、折しもバブル経済、スキーブームなどと重なって高価格車にもかかわらず大ヒット。「パジェロ」は、その辺のオバチャンでも知っている車名になりました。
私の親戚でも初代パジェロに乗っている人がいて、助手席に乗せてもらって興奮したのを、今でも覚えております。この頃のパジェロ、時代の先端を行っていて格好良かった!
-
すべてのコメントを見る (1)
コメントを書く
※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。