【新幹線開業前の国鉄ってどんな感じだったの?】特急はつかり編
2021年5月27日 更新

【新幹線開業前の国鉄ってどんな感じだったの?】特急はつかり編

新青森から鹿児島中央まで新幹線が走るようになった現在。今回、新幹線が走る前の国鉄の資料が入手できましたので、それを紐解いて、特急列車をはじめとする鉄道がどう変わっていったかご紹介しようと思います。今回は、東京と青森を結んだ「特急はつかり」にスポットをあてご紹介します。

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特急電車が全国を走るようになったのは、1958年

今では信じられないことですが、全国に特急電車が運行されたのは、1958年からのようです。新幹線ではなく、特急電車です。
東京から西に向かう特急はたくさんありましたが、東北・北海道への特急はありませんでした。急行や「準急」として運行されていました。

上野ー青森を結んだ「特急はつかり」最初は蒸気機関車けん引だった

1958年10月に運行を開始した「特急はつかり」は、当初、蒸気機関車によるけん引でした。特急とはいえ、青森から上野まで12時間かかりました。C62形蒸気機関車で運行されていました。
C62形蒸気機関車

C62形蒸気機関車

出典:裏辺研究所 さまより
当時は、蒸気機関車が東京のど真ん中の上野からシュッポッポと走っていたんですね。

東北本線にも単線区間が長く存在した。

単線

単線

東京から東北地方に向かうには、「東北本線」と、「常磐線」があります。
「本線」と名のつく通り、メインルートは直行的な東北本線です。常磐線は「バイパス」のような役割を果たしています。
しかし、その頃の東北本線は、常磐線より距離が14.2Km短いのは有利なのですが、海側を走る平坦な常磐線に比べて、山側を通るので勾配がきつく、途中でもう1機機関車の応援を呼ぶ必要がありました。
また、今では東北本線は全線複線化されていますが、当時は上野ー宇都宮間106.1Kmしか複線化されていませんでした。
それに対して、常磐線は、上野ー平(今のいわき駅)までの211.6Kmが複線化されていました。
そのため、距離が長い割に速く走ることができるので、特急「はつかり」は常磐線経由で運転されました。

当時の時刻表を見てみましょう。

上野駅12:20発ー水戸13:58着ー平15:22着ー仙台17:43着ー一関19:15着ー盛岡20:47着ー尻内(現在の八戸)22:39着ー青森0:20着

スピードと快適さを求めてー気動車特急キハ80系の開発へ

1958年10月に特急「はつかり」は運転を開始しましたが、当時すでに東京から西に向かう電車は、電車特急「こだま」や、寝台特急「あさかぜ」といったデラックスな車両が使われており、東北本線は彼らのおさがりの車両を使っているという状況でした。
キハ80系気動車特急

キハ80系気動車特急

特急「こだま」用車両

特急「こだま」用車両

寝台特急「あさかぜ」

寝台特急「あさかぜ」

そこへ、1960年10月に、「アジア鉄道首脳者会議」が東京で開催されることになり、東南アジア各国の鉄道関係者に、日本の鉄道車両技術の優秀性をPRするぞ!ということになり、急きょ1959年秋から気動車特急の設計に着手、日本の名だたる車両メーカー9社が結集し、翌年9月までのわずか1年間の間に、キハ80系26両が造られました。

この頃の日本人のビジネスマン、技術者の団結力、結集力はすごいものがありますね。

気動車特急「はつかり」運転開始

この年(1960年)の12月10日、ついにディーゼル特急「はつかり」がデビューします。
青森から上野まで、10時間50分だったようです。

その後、「サン・ロク・トオ」と呼ばれた昭和36年10月(1961年)ダイヤ改正で、所要時間は青森行き10時間25分、上野行き10時間30分まで短縮されました。

電車特急「はつかり」について

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