【魔女の宅急便】魔女キキと黒猫ジジの織り成す成長物語(スタジオ・ジブリ)
2018年1月5日 更新

【魔女の宅急便】魔女キキと黒猫ジジの織り成す成長物語(スタジオ・ジブリ)

 角野栄子の原作(「魔女の宅急便」第1巻)を元に、監督は宮崎駿、スタジオジブリにより制作された映画「魔女の宅急便」は、1989年に公開されたアニメ映画です。多くの子供から大人までが、時に笑い、時に感動し、この映画に堪能しました。また、荒井由実(松任谷由実)による主題歌「やさしさに包まれて」「ルージュの伝言」も話題になりましたね! この記事では、バブル景気の真っただ中にヒットしたこの映画を、あの頃を思い出しながら振り返ってみたいと思います。

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声の出演

キキとウルスラ 高山みなみ
ジジ  佐久間レイ
おソノ 戸田恵子
トンボ(コポリ) 山口勝平
コキリ 信沢三恵子
老婦人 加藤治子
バーサ 関弘子
オキノ 三浦浩一
フクオ 山寺宏一
マキ 井上喜久子
ケット 渕崎ゆり子
ケットの母 土井美加
ケットの父 土師孝也
ケットの祖母 浅井淑子
ドーラ 斉藤昌
お父さん、お母さんへの手紙

お父さん、お母さんへの手紙

糸井重里さんのキャッチコピー「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです」は書いてあるかな?

バブル景気の中で‥‥

アニメ版では、原作に見られた童話ならではのファンタジー性は抑えられ、作中における魔法はあくまで「個人の特技の一種」という位置づけで描かれている。
「田舎から都会へ上京してきた少女が特技を活かして独り立ちしていく」という点を強調して前面に押し出しており、その中で思春期を迎えた少女の感情の機微を描写していく現実味漂う作風となっている。
 うろ覚えで申し訳ないのですが、以前、(おそらく)宮崎監督がおしゃっていたのです。
「この映画をつくった時はバブル景気の真っただ中だった。そんな中、田舎から都会へ出てきた女の子たち、進学だったり就職だったりするだろうけど、新しい世界でいろんな人々に会い、喜んだり、落ち込んだりしながら成長していく姿が、キキと重なったのではないかな?」
 というような内容だったと覚えています。
 そうだったのか‥‥と私もちょうど、その89年に20歳という若さだったので、「確かに‥‥!」と深く頷いたことも同時に思い出されます。

肩肘を張っていた年代だった‥‥

肩パット入りスーツが流行った時代

肩パット入りスーツが流行った時代

 この時代、1989年頃といえば、上記のようなファッションが主流でしたね!
 ジャケットには必ずといっていいほど肩パットが入っているような‥‥。
 なんとなく、その「肩パット」がちょうどこの時代を象徴しているような気がして‥‥。

 この少し前くらいに林真理子さんの「ルンルンを買っておうちに帰ろう」という本も売れていたと思うのです。
 その林さんの本の中で、
「DCブランドを着たハウスマヌカンたちが、弁当屋に列をなしていたので、興味本位でのぞいてみると、彼女たちが買う弁当は、一番安い『シャケ弁当』だった」
 という(これもうろ覚えです)ような文節も出てきたかと覚えています。
 服装に高いお金を使うので、一見、見た目はきらびやか、しかもハウスマヌカン(ブティックの店員さん)、イタリア料理でランチ? それとも、もっと高いところで食べるの? と思ってみたら「ほか弁」の中でも一番安い「シャケ弁当」だった‥‥。
 バブルだからといって、初任給でそんなに高価なものを買えるわけではなかったでしょう。
 肩肘張ってまで、DCブランドの服やらバッグや靴を買っていた時代だったな‥と、なんとなくしんみり思い出してしまいました。
 
落ち込むキキ

落ち込むキキ

 キキも都会である「コリコ」の街に着いて、自己紹介している場面がありましたね。街の人々は、無関心そうにキキに目をやると、何も言わず去っていったり‥‥。
 街の女の子が着ている洋服と、自分自身が身に着けている黒いワンピースをショーウィンドウに映して、キキがどことなく屈辱的な顏をしていたシーンもあったり‥‥。
 
 重なってしまう部分はたくさんあったな‥‥とバブル期が少女~青年期だった私は思い出します。

黒猫ジジが人間の言葉を話せなくなったのは‥‥

ジジ

ジジ

 なんとなく生意気口でも、どこかかわいかった黒猫ジジ。
 キキとは人間の言葉で会話をしていたのに、突然、人間の言葉を喋らず、「にゃ~」と猫の声を出しはじめた‥‥!
 ありましたね!
 その理由には、いろいろ説があるようですが‥‥
「ジジの声はもともとキキ自身の声で、キキが成長したためジジの声が必要なくなった。変わったのはジジではなくキキ。」
 これは宮崎監督ご自身の言葉のようですよ!
 なんと!
 キキの魔力が弱まったせいでもなく、キキの精神的ダメージが大きかったわけでもなく、キキが成長したから、ジジの言葉がいらなくなった‥‥とは。
 それに私が一番、驚いたのは、ジジの声は元々キキ自身の声‥‥だったと!

 それも成長の一つなのですね!
 こちら「ミネルヴァのトリビア」様サイトに詳しく載っています。
 ぜひ見てみてください。

絵描きのウルスラ

ウルスラ

ウルスラ

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