ELP黄金期の始まりと独自のサウンドの由来
キーボード・スーパー・バンド誕生
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現代の音造りでは常識の感もあるシンセサイザー。これをバンドの中心に据えたトリオが今(2016年)から半世紀近く前の1970年に誕生した。YMOではない、ELPだ。英国のバンド、エマーソン・レイク・アンド・パーマー、略してELP。「ギターレス」のスーパーグループだ。正式なバンド名は、よくアングロサクソン系の会社名のごとく、メンバーの名前の頭文字をつなぎ合せた。ELPというとまるでアナログ・レコードのサイズみたいだが、メンバーの名前をつないだのだから仕方がない。エマーソン・レイク&パーマー。
トリオ各人の前歴
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エマーソンは、キース・エマーソン。以前は、「ナイス」というバンドのリーダー。幼少期からクラシックを学び後にジャズに転じた。バッハからチャイコフスキー、果てはバルトークまで、クラシックをジャズ・ロック風にアレンジして活躍。バッハが原曲の「ロンド」がヒット曲。レイクはグレック・レイク、伝説のバンド=「キング・クリムゾン」という超ド級のプログレッシブ・ロック・グループの、初代ベーシストにしてボーカル。ギターも弾けるグレッグ。そして3人目はカール・パーマーで、売出し中の「アトミック・ルースター」の元ドラマー。
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クラッシクとロックの融合;フージョン
1970年というと、彼のビートルズがポールの脱退によって解散された年。ビートルズ後の覇権を狙って、様々なグループが結成される。ELPもそんな中結成されたスーパーグループ。しかし、音造りは、他のグループとは全く違い、クラシックとロックのフュージョンに挑戦した。実際デビューアルバムは、バルトークなどのクラシックの現代音楽を主題に用い、それをロックでアレンジした衝撃的な音造りであった。
プログレッシブロック四天王の一角
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ロックといえども、ジャンル的には、 キング・クリムゾン、ピンク・フロイド、イエスとともに「プログレッシブ・ロック四天王」とされるが、キング・クリムゾンにも、ピンク・フロイドにも、またイエスにもない独自の新しいサウンドであった。
活動開始
デビューライブとデビューアルバム;エマーソン・レイク・アンド・パーマー
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ステージの事実上のデビューは、1970年11月リリースのファーストアルバムに先んじて、同年8月末の「第3回ワイト島ポップフェスティバル」であった。因みのこのフェスティバルでは、その後他界するジミ・ヘンドリックスは健在で、ほぼ最後の活躍ステージとなる。実は、ベースのグレック・レイクは、ELP結成の前には、キース・エマーソンでなかったら、ジミ・ヘンドリックスと共演することを想定していた。元気なジミ・ヘンドリックス最後の舞台と、ELPのデビューが同じ「第3回ワイト島ポップフェスティバル」であったのは何か因縁めいたものを感じる。