アメリカでは、70年代半ばから80年代前半にかけて、しっとりと聞かせる大人のロックが静かなブームに…
2015年9月15日 更新

アメリカでは、70年代半ばから80年代前半にかけて、しっとりと聞かせる大人のロックが静かなブームに…

AORは、Adult-oriented Rockの省略形で、日本でも、70年代半ばから80年代前半にかけて、よく用いられる音楽用語でした。その代表的なバンドに ボズ・スキャッグスやTOTOといったスタジオミュージシャンが連ねており、曲のアレンジや演奏のうまさはぴか一です。

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1970年代半ばから、徐々にディスコサウンドに傾倒していくポップミュージック。そのため、ロックもストレートなロックでは物足りなくなってきました。そこで、R&Bをベースとしながら、JAZZやラテン音楽の要素も取り入れた、メロディアスで洗練されたロックが生まれました。

AORとは…

日本ではAORという言葉が、70年代半ばから80年代前半にかけて、音楽用語としてよく使用された。さらに後の1988年にボビー・コールドウェルの大ヒット曲「Heart of Mine」が紹介される際に、「Adult-oriented Rock」の略語として「大人向けのロック」と独自解釈され、1990年のボビーのジャパン・ツアーに際しては、日本の広告代理店が「AORの代表」と称した。以前から「Adult-oriented Rock」のジャンルにおいては、TOTOとボズ・スキャッグスがその代表であるとされていたが、さらにその印象が強められた。米国では、このジャンルは「Adult Contemporary(AC)」と呼ばれ、ノラ・ジョーンズなどが解りやすい例と言える。ACは近年では更にHot、Soft、Light、Urbanなどと分類されている。
AORの代表的なバンド、ボズ・スキャッグスとTOTO。そのバラードは秀逸、曲の世界に入り込んでしまいます。しっとりとした大人のバラード、是非、堪能ください。

we're all alone(1976)

わたしが、AORという言葉を知ったのは、ボズ・スキャッグスのヒット曲「We're All Alone」を聴いてからです。この曲は、日産の車“ローレル”のCMソングとして話題になっていましたね。メロディアスな曲調と、ボズ・スキャッグスが伸びのある声で歌い上げる名曲ですね。

Boz Scaggs - We're All Alone (HQ) - YouTube

ボズ・スキャッグス

ボズ・スキャッグス(Boz Scaggs, 本名:William Royce Scaggs, 1944年6月8日 - )は、アメリカのミュージシャン。1970年代後半から1980年代にかけて流行した、アダルト・コンテンポラリーを代表するシンガー。
  ー 中略 ー
1976年、ファンキーでクロスオーバー的な洗練されたサウンドの『シルク・ディグリーズ』を発表。これが全米2位を記録し、500万枚以上を売り上げた。アルバムからも「ロウ・ダウン」(全米第3位)、AORのスタンダード曲「ウィ・アー・オール・アローン」の大ヒットを放つ(このアルバムに参加したセッション・ミュージシャンたちは、後にTOTOを結成)。次作の『ダウン・トゥ・ゼン・レフト』、『ミドル・マン』も続いてヒットした。

1980年に、トヨタ・クレスタの初代モデルのCMソングに、『You Can Have Me Anytime』(邦題:『トワイライト ハイウェイ』)が採用された。

その後、ヒットチャートからはしばらく遠ざかっていたが、1988年発表のアルバム『アザー・ロード』の収録曲「Heart of Mine」が、そのミュージック・ビデオの効果もあり、翌1989年に大ヒット、カムバックを果たした。日本では未だに根強い人気を誇っている。

ピーター・セテラがエイミー・グラントとデュエットした曲『Next Time (I Fall)』など、メローで大人向けのバラード音楽が流行し、ボズの『Heart of Mine』のヒットをきっかけに日本で、AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)という語がその年の暮れに発生した。1990年のジャパン・ツアーに際して日本の広告代理店はAORという語とボビー=AORの代表という宣伝をテレビで流した。これにより、日本においてAORというひとつのジャンルを形成するに至る。なお、AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)は日本独自の呼び方で、アメリカではAC(アダルト・コンテンポラリー)、MOR(ミドル・オブ・ザ・ロード)などと呼ばれる。
歌にもルックスにも大人の色気を醸しだし、包容力に溢れた大人の魅力をもつボズ・スキャッグスです。
1991年ジャパンツアーの大阪公演は、1988年のアルバム『アザー・ロード』を引っさげての公演でした。アンコールを含め2時間半近く、最前列で聞いていた私。バックの演奏も完璧で、ずっと最初の1曲目から、スタンディングオベーションしていました。そして、「Heart of Mine」の演奏が始まると、一緒になって歌っていました。あの時の興奮が、まるで昨日のことのようです。それでは、アルバム『アザー・ロード』から、「Heart of Mine」です。

Heart of Mine(1988)

ボズ・スキャッグス ハート・オブ・マイン Boz Scaggs Heart Of Mine - YouTube

ボズ・スキャッグスのライヴ映像からの「Heart of Mine」です。甘く切ない恋の歌をしっとりと歌い上げるボズ様に脱帽です。全身を黒で統一した何気ない着こなしからも、大人の色気を感じさせます。
AORの代表的なミュージシャンとして、忘れてならないのが、ボビー・コールドウェル。彼もR&Bの影響を色濃く受けていますが、R&Bの持つ泥臭さはまったくなく、むしろ、サウンドはJAZZっぽくて、とても洗練されています。1978年に大ヒットしたこの曲をご紹介します。「What You Won't Do for Love」

What You Won't Do for Love -風のシルエット(1978)

What You Won't Do For Love - Bobby Caldwell (1978) - YouTube

この動画はプロモーションビデオではなく、ショップで、レコードのコマーシャルとして使われるような、商業用の動画になっています。

ボビー・コールドウェル

ボビー・コールドウェル(Bobby Caldwell、1951年8月15日 - )は、アメリカのミュージシャン。1970年代から1980年代にかけて流行したAORサウンドを代表するシンガーの一人。

ニューヨーク・マンハッタン生まれ。1978年のデビュー曲「風のシルエット(What You Won't Do for Love)」がヒットし、当時流行していたAORの新星として脚光を浴びる。洗練された音の世界を持ちつつも、多くの初期AORシンガーのようにボーカルスタイルはR&B色が濃く、ブルー・アイド・ソウルの歌手として分類されることもある。また作曲家としてボズ・スキャッグスに「ハート・オブ・マイン(Heart of Mine)」、ピーター・セテラに「ネクスト・タイム(Next Time I Fall)」、「ステイ・ウィズ・ミー(STAY WITH ME - 邦題:ステイ・ウィズ・ミー song for KA・GU・YA・姫)」(映画『竹取物語』主題歌)などのヒット曲を提供(いずれも後にセルフカバー)している。

1980年に彼が所属していたTK Recordsが倒産し、本国ではプロモーション活動がままならなかった影響か、1980年代以降はアメリカでは振るわずも、日本では非常に人気が高く、AOR界ではクリストファー・クロスやボズ・スキャッグスと並び立つ存在。1990年代にオンエアされたニューヨークの夜景をバックに「Stay with Me」「Heart of Mine」「Come to Me」が流れるパーラメント(たばこ)のCMは、彼のイメージを象徴する一作でもある。
当時、オシャレなショットバーとして流行したカフェバーで、よく彼の曲が流れていました。間接照明だけのオシャレなバーにピッタリくるんですよね。
1980年代、ロックのクロスオーバー的サウンドには、16ビートが主流でした。16ビートを刻むドラムスとベースのボトムラインがカッコ良かったのです。そんな中でメロディを重視して作られたTOTOの曲は、常に時代を先取りしたサウンドを打ち出していました。スタジオミュージシャンバンドとして完成度も高く、大ヒットは、至極当然といえるでしょう。まずは、大ヒットシングルから「99」。

99(1979)

TOTO ☆ 99 (official music video) - YouTube

♪タタタタ・タタタタ♪とアクセントをつけ、デヴィッド・ペイチが弾くオルガンのフレーズが印象的なバラード曲。恋の歌のようですが、99って恋人の名前?

TOTO

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