【男子テニス】才能のカタマリ・ボリス ベッカーはなぜ時代を作れなかったのか?
2016年11月25日 更新

【男子テニス】才能のカタマリ・ボリス ベッカーはなぜ時代を作れなかったのか?

爆発力のあるプレーで見るものを魅了したボリス・ベッカー。才能は素晴らしいものがありましたが、もっとブレイクしてもおかしくない選手でした。

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80年代後半から90年代前半、ベッカーの全盛期とも言える時期のライバルと言えばステファン・エドバーグです。
対戦成績は25勝10敗と大きく勝ち越していますが、ウィンブルドンの決勝では1勝2敗と負け越しています。

二人ともサーブ&ボレーのプレースタイルですが、サーブの優位はベッカー、ボレーのテクニックはエドバーグとプレーから受ける印象は全く違いました。
柔らかいプレーのエドバーグと豪快なプレーのベッカーという対比で緊張感のある試合を生み出していたと思います。

才能だけならNO,1・それでも時代を作ることができなかった理由

Sampras vs Becker Masters 1996 Final - YouTube

選手生活晩年の96年でもサンプラスに勝利するほどのレベルは維持していたベッカーですが、動きは明らかに重そうです。
若い頃よりも体重が増えたことが影響しているのか、20代半ば辺りからは反応やプレーに鈍さが目立つようになりました。
ボリス・ベッカーはこれほどの戦績を残しながらもランキング1位の在位期間は12週と非常に短い期間でした。
80年代後半から90年代前半は4大大会5勝とハイレベルな成績を残していながらも、ライバルのエドバーグの72週とは大きく差をあけられています。

才能なら一番と評価の高かったベッカーが何故、一時代を築くほどのナンバーワンになれなかったのか? これは謎です。
http://blog-imgs-74.fc2.com/j/u/l/juliansays/tennis80_boris_becker1j.jpg (1436300)

ベッカーは性格なのか、プレーにムラがありました。安定感と言うよりも爆発力というスタイルだったので、その日の調子によっては早いラウンドでの敗退も多くありました。

ウィンブルドンやツアー最終戦でも決勝進出の回数は多いものの優勝はその半分以下にとどまっています。
ベッカーほどの実力があればもっと優勝してもおかしくはないですし、88~91年のウィンブルドンは4連覇になっていた可能性は十分にありました。

勝ちきれなさ、安定感のなさがベッカーを一時代を築くプレーヤーにすることを阻んだと言えます。
それでも、ベッカーのプレーは10代だった私をわくわくさせてくれましたし、力強いサーブは憧れでした。

歴史に残るナンバーワンではありませんが、いつまでも記憶に残るプレーヤーであることは間違いありません。

現在は……

2008年よりプロのポーカー・プレーヤーとしてのキャリアをスタートさせた。またオンライン・ポーカーを運営する会社と既にスポンサー契約を結んでいる。

2014年よりノバク・ジョコビッチのコーチを務めている。
http://www.tenniszine.net/wp-content/uploads/2014/12/effc4ab848fcc6c770a9c1e5582b561e.jpg (1436304)

ジョコビッチのライバル、フェデラーのコーチはエドバーグ、今でもライバル関係ですね。
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