誰も反対してないのに駆け落ち!?役者の勢いがありすぎる「青春かけおち篇」
2017年1月25日 更新

誰も反対してないのに駆け落ち!?役者の勢いがありすぎる「青春かけおち篇」

1987年公開の「青春かけおち篇」はつかこうへいの原作・脚本。つかこうへいの映像化ファンの期待を裏切らない秀作です。30歳で仕事もしないでフラフラしているボンヤリ男を風間杜夫が好演しています。大竹しのぶの両親役の杉浦直樹・岸田今日子の夫婦も魅力的でした。勢いがある芝居に引き込まれた「青春かけおち篇」を振り返ります。

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大竹しのぶと風間杜夫のテンポの良い掛け合いや、「誰かの勢い」に全力でみんな巻き込まれてしまうというストーリーに笑いっぱなしでした。「かけおち」と言えば、「親や周囲に反対され一緒になれない2人が、別の土地に逃げるように移り隠れるように生活する」と、暗いイメージがあり、最初はそのタイトルから恋愛モノかと思っていたのでビックリしました。
ビックリといえば、脇を固める役者が素晴らしいです。この突拍子もないストーリー展開をあまり疑問に思わずに最後まで笑えるのは個性的な俳優陣の演技あってこそではないかと思うのです。

私的、見どころシーン!

☆【和夫(杉浦直樹)】

当時、サスペンスドラマやNHKのドラマ、オカタイ役のイメージが強かった杉浦直樹。
この「青春かけおち篇」では、突拍子もないメチャクチャな台詞の多いセツ子の父親役を演じています。
数多くのドラマ・映画・舞台に出演し、2011年に80歳で亡くなりました。
「君さえいなきゃねぇ~…いっそ死んでくれない?」

「君さえいなきゃねぇ~…いっそ死んでくれない?」

婿養子に入れない早乙女がプロポーズを断られ帰っていった。和夫はまだ早乙女に未練たらたら。入れ違いに帰宅した康夫にこの一言!文字だけ読むと辛らつな台詞ですが映画館は大爆笑でした。
via けん
「轢けばいいじゃないの、男なら!」

「轢けばいいじゃないの、男なら!」

見合いが終わり車に乗り込んだ和夫たち。早乙女が現れ急に康夫が疎ましくなる。信号が赤になり止まると、「止まるなよ、赤くらいで、男なら!度胸がないんだから!」「人がいますよ?」と憮然とする康夫に言った一言。メチャクチャですよね、言うことが(笑)。
via けん

☆【タケ子(渡辺えり子)】

当時から強烈な個性で目をひいた渡辺えり子(現在は渡辺えり、に改名)。
「青春かけおち篇」では康夫たちが駆け落ちした京都の旅館の従業員役。「駆け落ちして心中をしたけれど死にきれなかった」風を装っていました。大竹しのぶとの悪口の言い合いも笑わせてもらいました。
不敵にニヤッと笑うタケ子が印象的。凄みのあるのに可笑し...

不敵にニヤッと笑うタケ子が印象的。凄みのあるのに可笑しいんです!

via けん
現在の渡辺えり子(渡辺えり)。変わってないですよね~!

現在の渡辺えり子(渡辺えり)。変わってないですよね~!

実は包帯はハッタリだった!

実は包帯はハッタリだった!

なかなか迎えが現れず、ほんとに駆け落ちか怪しむタケ子たち従業員。「迎えも来ないことだし、もう心中でもしたらどないどす~♪」からかうタケ子。セツ子が怒鳴り散らすと、自分は心中までした!と言わんばかりにひだり手首の包帯を見せ付けていましたが、ガス心中をしようと勢いに乗る康夫に「見せてみろ!オラ!」と包帯をほどかれると「すんまへん、嘘だったんです~!」と泣き出した。
via けん

☆【松田(柄本明)】

「社長の早乙女のためならなんだってやる!」「栃木の人間は絶対人を裏切らないからね!俺を裏切ったら何するかわからない」と、ほかのキャラクター同様にメチャクチャな言動を繰り返す運転手の松田役を、柄本明が怪演していました。
散々威勢が良かった松田もガスの充満する部屋ではおとなしくなる

散々威勢が良かった松田もガスの充満する部屋ではおとなしくなる

なるべくガスを吸い込まないように口元を布で抑えていた松田。その布は、だらしないセツ子が何日も洗濯していないパンツだった!(セツ子は布団の中で着替えるクセ?があり、何枚もパンツが布団の中から出てきて康夫に怒られるシーンがある)それに気づいて「わぁ~!!」と慌てるシーンは涙出るほど笑いました。
via けん

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