山下達郎と大貫妙子が所属したバンド『シュガー・ベイブ』
2017年10月14日 更新

山下達郎と大貫妙子が所属したバンド『シュガー・ベイブ』

1973年から1976年にかけて活動した山下達郎と大貫妙子が所属していたインディーズバンド『シュガー・ベイブ』。活動期間は3年余りで、発表したアルバムはわずか1枚ながら、後のJ-POPシーンに多大な影響を及ぼした彼らの楽曲について振り返りたいと思います。

3,398 view

J‐POPの巨星・山下達郎の原点『シュガー・ベイブ』

J‐POP史上、最高の男性シンガーソングライターは誰か?

このような議論が交わされると、必ずといっていいほど、槇原敬之、桑田佳祐、玉置浩二、さだまさしらと共に名前が挙がるミュージシャンといえば、山下達郎です。

現在御年64歳。アメリカンポップス・ロックに対する深い造詣と、ボーカルはもちろん、バックコーラス・コンピューターの打ち込み・パーカッションなど、全て一人でこなす音への追及により、これまでに『クリスマス・イブ』『RIDE ON TIME』『高気圧ガール』『さよなら夏の日』『アトムの子』といった数多くの名曲を生み出してきた、ご存じ日本音楽界の巨星です。
山下達郎

山下達郎

そんな山下達郎の原点となったのが、今から約40年前に活躍した伝説のインディーズバンド『シュガー・ベイブ』です。 女性シンガーソングライターの草分け的存在・大貫妙子も所属していた同グループの活動期間は、1973年~1976年のわずか3年余り。アルバムは1枚しか出していませんし、決してセールス的に成功したわけでもありません。
しかし、山下と大貫が後年ソロ・アーティストとして売れたこと、そして何より、年月を経ても色あせない楽曲の魅力もあって、唯一のアルバム『Songs』は1975年の発売以来、一度も廃盤にならず幾度となく再発売され、2015年には『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-』というデジタルリマスター版もリリースされています。
SONGS(シュガー・ベイブ)

SONGS(シュガー・ベイブ)

シュガー・ベイブが登場した時は、フォークソングの全盛期だった

繰り返しますが、シュガー・ベイブは、活動期間中に売れたグループではありません。彼らがデビューした当時、若者音楽の主流といえば、フォークソングであり、 ガロの『学生街の喫茶店』やかぐや姫の『神田川』などがヒットしていた時期でした。

また、フォークソングから派生して、吉田拓郎・荒井由実などが新しい手触りの音楽「ニューミュージック」と呼ばれる楽曲を発表していましたが、そこにも区別されない異端な存在であり、『はっぴいえんど』同様、アングラなバンドとして一部学生に認知されていました。
学生街の喫茶店(GARO)

学生街の喫茶店(GARO)

分厚いコーラスワークと複雑なコード進行が画期的だった

■村松邦男 ボーカル・ギター・コーラス
■大貫妙子 ボーカル・キーボード・コーラス
■鰐川己久男 ベース・コーラス
■山下達郎 ボーカル・ギター・キーボード・コーラス
■野口明彦 ドラムス

同バンドにおいて、もっとも多くの楽曲を作曲し、ほぼすべてのアレンジに関わったのは、やはり、山下達郎でした。

山下といえば、熱心なドゥーワップ&アカペラのフォロワーとしても有名。2000年代前半に『ハモネプ』が流行ったときなどは、自身のライブにおけるトークパートで「あんなもん昔からあるし、俺でもできる!」といって、見事なボイスパーカッションを披露していたものです。

そんなアカペラ好きな山下の嗜好もあってか、シュガー・ベイブでは、分厚いコーラスワークが多用されており、そのハーモニーと複雑なコード進行のメロディが絶妙に絡み合う彼の手掛けた楽曲は、いまだに多くの人を魅了してやみません。
20/20 (ザ・ビーチ・ボーイズ)

20/20 (ザ・ビーチ・ボーイズ)

コーラスワークや自分のボーカルを多重録音するスタイルは、ビーチボーイズからインスパイアされているとも

長きに渡って愛され続ける名曲たち

SHOW

シュガー・ベイブ初のワンマンコンサートにおける、オープニングナンバー用にと山下が書き上げた楽曲。アルバム『SONGS』においても、第1曲名に指定されている同曲は、日テレで驚異的な人気を誇った深夜番組『DAISUKI!』のオープニングテーマ&CM前のアイキャッチ用BGMとして知られています。

DAISUKI! CM前の「ダイスキ!」集 篠原涼子・仲間由紀恵etc

SHOW

word & music by 山下達郎

DOWN TOWN

シングルカットもされた代表曲。この曲が一躍有名になったのは、フジテレビ系のバラエティ『オレたちひょうきん族』のエンディングテーマとしてEPOのカバー・バージョンが使用されてから。

『オレたちひょうきん族』のエンディング

[DOWN TOWNへくり出そう♪.flv

words by 伊藤銀次, music by 山下達郎
32 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

【ひょうきん族】意外と名曲ぞろい!? 懐かしい『オレたちひょうきん族』の主題歌・挿入歌

【ひょうきん族】意外と名曲ぞろい!? 懐かしい『オレたちひょうきん族』の主題歌・挿入歌

1980年代、土曜日の夜を盛り上げた人気お笑い番組といえば『オレたちひょうきん族』。今では考えられないほどの豪華な顔ぶれで、TBS系列の某番組と競い、高視聴率を誇りました。芸人と同じく豪華だったのが、主題歌・挿入歌を制作したミュージシャンたち。今回は、そんな彼らの楽曲をご紹介します。
izaiza347 | 4,034 view
山下達郎が他のアーティストに提供した名曲特集

山下達郎が他のアーティストに提供した名曲特集

『RIDE ON TIME』『CHRISTMAS EVE』『さよなら夏の日』などのヒットで知られる山下達郎。彼はソロワークスと同時に、他のミュージシャンへの楽曲提供にも熱心なアーティストとしても有名。今回は、そんな山下達郎が他人に提供してきた楽曲を振り返っていきたいと思います。
こじへい | 7,504 view
【週刊 20世紀Walker】Vol22号 新企画!「編集長と助手の昭和ヒットパレード!」第1弾は「香坂みゆき」

【週刊 20世紀Walker】Vol22号 新企画!「編集長と助手の昭和ヒットパレード!」第1弾は「香坂みゆき」

さあ~しばらくお休みしていた【週刊 20世紀Walker】!いよいよ再スタートです!その名も「編集長・山本圭亮と助手・富田葵の昭和ヒットパレード!」どんな内容なのでしょうか?
透明感のある声で独特な世界観を歌う大貫妙子。シュガーベイブ時代からソロとしての現在までを振り返ります。

透明感のある声で独特な世界観を歌う大貫妙子。シュガーベイブ時代からソロとしての現在までを振り返ります。

NHKの「みんなのうた」やCMなどで耳にする、透明感のある声の大貫妙子。山下達郎や村松邦男らとのバンド「シュガー・ベイブ」でデビューし、解散後もソロで活動を続ける大貫妙子の、現在までを振り返ってみました。
ybanzawa | 4,022 view
大貫妙子40周年を記念したボックスセット発売  貴重な80年代の映像が収録!初のLPも封入!!

大貫妙子40周年を記念したボックスセット発売 貴重な80年代の映像が収録!初のLPも封入!!

大貫妙子がプロジェクト第1弾として、ボックスセット「パラレルワールド」を発売した。80年代のスタジオライブや最新インタビューが収録されているほか、LP盤1枚、各時代を彩ったオールタイムベスト、ギターデュオ・山弦とのコラボレーションアコースティックアルバムなど豪華なボックスセットになっている。
red | 1,375 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト