透明感のある声で独特な世界観を歌う大貫妙子。シュガーベイブ時代からソロとしての現在までを振り返ります。
2017年6月15日 更新

透明感のある声で独特な世界観を歌う大貫妙子。シュガーベイブ時代からソロとしての現在までを振り返ります。

NHKの「みんなのうた」やCMなどで耳にする、透明感のある声の大貫妙子。山下達郎や村松邦男らとのバンド「シュガー・ベイブ」でデビューし、解散後もソロで活動を続ける大貫妙子の、現在までを振り返ってみました。

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大貫妙子とは

大貫妙子

大貫妙子

ライブハウスで出会った山下達郎らと結成した「シュガー・ベイブ」解散後、ソロとしてデビューした大貫妙子も、40周年を迎えました。

フォークグループ「三輪車」への加入

1973年山下達郎や村松邦男らと共に「シュガー・ベイブ」でデビューした大貫妙子。バンドを組んだりライブハウスに通うなど、音楽は好きでしたが、プロのミュージシャンになるつもりはありませんでした。
デビューが決まっていた「三輪車」に、女の子が欲しいという誘いで加入を決めましたが、グループの楽曲と自分の嗜好が合わず、プロの作家が作った曲も気に入らなかったため、悩んだ末に辞めてしまいます。

ロック喫茶「ディスク・チャート」での出会い

ジャズ喫茶のオーナーが新たに開店したロック喫茶「ディスク・チャート」という店では、毎週水曜日の閉店後に地下室でセッションが行われ、メンバーとして参加していた大貫妙子、すでにプロデビューしていた山本コータローなどが集まっていました。
「ディスク・チャート」で大貫妙子のソロデビューに向けたデモテープのレコーディングも始まり、何曲かが録音されていたところに、山下達郎がその存在を知り、通ってくるようになりました。

「シュガー・ベイブ」結成

「シュガー・ベイブ」第1期メンバー

「シュガー・ベイブ」第1期メンバー

山下達郎の「女性はキーボード」という主張により、大貫妙子はキーボードとして参加しました。
大貫妙子のレコーディングセッションを見学した山下達郎は、次第にコーラスのアレンジを提案したり、セッションに参加するようになり、自分のオリジナル曲を演奏したいと考えるようになり、コーラスの幅を広げるために、大貫妙子にもバンドに参加を呼び掛けます。「三輪車」でグループ活動に失敗していた大貫妙子は悩みましたが、現在の状況に不安もあったため、参加することにしました。

大瀧詠一との出会い

1973年に「シュガー・ベイブ」は活動を開始し、長崎でのデビューコンサートは、大貫妙子が1度だけMCを担当しました。同じころ、山下達郎は学生時代の自主制作アルバムがきっかけで、大瀧詠一と知り合い、大瀧の家に通い詰めるうちに、「はっぴいえんど」ラストライブのコーラスに参加します。その後も大瀧詠一のCMソングのコーラスにも「シュガー・ベイブ」が参加し、1974年にはデモテープの録音と、プロモーション用のアーティスト写真の撮影も始まります。
「シュガー・ベイブ」の最初で最後のアルバム「SONGS」

「シュガー・ベイブ」の最初で最後のアルバム「SONGS」

「シュガー・ベイブ」のアルバムとしては、この1枚しか制作されませんでした。

デビューまでの活動

山下達郎は、亀淵友香のコンサートにコーラスで参加しますが、共にコーラスで参加予定の「シンガーズ・スリー」が直前で不参加となったため、急きょ大貫と村松をステージにあげ、リハーサルなしで事なきを得ます。たまたま客席で見ていた荒井由美に、レコーディングに呼ばれることになります。学園祭やライブ、ラジオの公開録音などのほか、CMソングなどの録音にも参加しています。荒井由美のレコーディングにコーラスで参加したことから、ルネ・シマールの日本公演でのコーラスなども務めました。そして1975年3月、「シュガー・ベイブ」のアルバム「SONGS」が完成し、翌月発売されますが、1976年1月にドラムの上原裕の脱退が決まり、代わりのドラマーが見つからないということで、4月に解散することになりました。

⑫ SUGAR BABE - 今日はなんだか

まだ珍しかったコード進行と、コーラスワークに重点を置いた音作りは、1970年代には商業的には成功したとは言えないかもしれませんが、他のミュージシャンや一部の音楽ファンからは支持されていました。

「シュガー・ベイブ」の解散とソロ活動の開始

大瀧詠一の主宰するナイアガラレーベルから、アルバム「SONGS」とシングル「DOWN TOWN/いつも通り」を発売した「シュガー・ベイブ」は、1976年3月31日と、当日会場に入れなかったファンの要望で翌4月1日の解散コンサートを経て解散します。
ソロ活動を開始した大貫妙子は、8月にデビューライブを行い、翌9月にアルバム「Grey Skies」を発売します。
大貫妙子のソロとしてのデビューアルバム「Grey Sk...

大貫妙子のソロとしてのデビューアルバム「Grey Skies」

細野晴臣、山下達郎、坂本龍一などのそうそうたるメンバーが参加して、「Grey Skies」は完成しました。
アルバム制作で出会った坂本龍一は、当時はまだ無名でしたが、クラシック的な要素の強い大貫の曲を理解し、その後も付き合いは続いていくことになります。
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