『はじめの一歩』ブライアン・ホークのモデル!ナジーム・ハメド
2017年7月14日 更新

『はじめの一歩』ブライアン・ホークのモデル!ナジーム・ハメド

ボクシング漫画『はじめの一歩』に登場した名悪役「ブライアン・ホーク」。変幻自在のファイトスタイルで異彩を放つこのキャラクターは、ナジーム・ハメドという実在のボクサーがモデルとなっています。漫画の元ネタになるだけあって、その戦い方はトリッキーの一言。しかしながらIBF・WBO・WBC世界フェザー級王者にも輝く実力者でもありました。そんな不世出の天才ボクサー、ナジーム・ハメドについて紹介していきます。

10,472 view

30年近く愛されるボクシング漫画の金字塔『はじめの一歩』

1989年より『週刊少年マガジン』(講談社)で連載している、森川ジョージ原作のボクシング漫画『はじめの一歩』。母子家庭のいじめられっ子の主人公・幕之内一歩が、ひょんなきっかけからプロボクサーを志し、競技者としても人としても成長していくという、ビルドゥングスロマン的物語は、多くの人を惹きつけてやみません。
はじめの一歩(1) (講談社コミックス)

はじめの一歩(1) (講談社コミックス)

ボクシングファンの愛読書でもある「はじめの一歩」

憎たらしくて、強い…“理想的な悪役”として人気のブライアン・ホーク

とりわけ本作における大きな魅力となっているのは、主人公たちの前に立ちはだかる個性豊かな対戦相手たち。中でも抜群の存在感で、鮮烈な印象を残している悪役ボクサーが、ブライアン・ホークです。

ニューヨークのスラム街出身で、人を殴るかセックスをしていないと落ち着かない制御不能の野生児。傲慢不遜で、礼儀知らず、試合前日の記者会見で「「日本の女たちを差し出せ!」と挑発するという、絵にかいたようなヒールキャラです。

主人公格の一人・鷹村守と繰り広げたジュニアミドル級のタイトルマッチは、長きに渡る『はじめの一歩』の歴史の中でも、屈指の名勝負として知られています。
ブライアン・ホーク

ブライアン・ホーク

悪役としてこれ以上ないほどキャラが立っていた

トリッキーなファイトスタイルには、モデルが存在した

そんなブライアン・ホークは、極度の練習嫌い。ほとんど、まともなトレーニングもしないまま、天性の喧嘩の才能だけで世界王者にまで上り詰めたという、『グラップラー刃牙』の花山薫ライクなキャラクターとして描かれています。野生児であるため、ファイティングスタイルはかなりトリッキー。

特に、相手のパンチを、ノーガードで上体を大きくスウェー・ディフェンスした体勢から、カウンターで反撃するという描写は、いかにも漫画的。「こんなのあり得ないだろ!」と言いたくなります。しかし、このボクシングスタイルにはモデルが存在するというのです。

モデルの名前は、ナジーム・ハメド。90年代に活躍したイギリス出身のプロボクサーです。
ブライアン・ホーク VS 鷹村守

ブライアン・ホーク VS 鷹村守

変幻自在のファイトスタイルで、タイトル獲得に挑戦する鷹村を苦しめた

37戦36勝31KO…圧倒的強さを誇っていたナジーム・ハメド

「クソがっ…!どっから手が出てくるか分からねぇ…!無茶苦茶な打ち方しやがって…!」

『はじめの一歩』の作中、ホークと戦った鷹村がこんな所感を吐露しています。おそらく、ナジーム・ハメドと対戦したボクサーたちも、同じようなことを思ったに違いありません。
ナジーム・ハメド

ナジーム・ハメド

腕をだらりと下げてガードをしない、ジャブを打たない、ジャンプしてパンチを打つ…。

いずれも、近代ボクシングにおいてタブーとされる戦い方です。こんなやり方、通常であれば、トレーナが許すはずありません。というか、試合に勝てません。ところが、ハメドはこのスタイルで勝ってしまうのです。それも、事もなげに、ひょうひょうと…。

積み上げた勝利の数は、37戦36勝(1敗)。しかも、164センチと小柄ながらパンチの威力は強烈で、キャリアにおけるKO率は、80%以上を誇っています。
ノーガードで相手のパンチを誘い込むハメド

ノーガードで相手のパンチを誘い込むハメド

出典 tofight.ru
しかし、抜群の反射神経と動体視力で躱されてしまう

しかし、抜群の反射神経と動体視力で躱されてしまう

軟体動物のような動きで相手を翻弄する

比類なき強さを誇ったハメドですが、先述のような変則的なファイトスタイルにより良識あるボクシングフリークから邪道扱いされ、多くの批判にさらされたものです。

しかし、そんな非難をあざ笑うかのように、試合中ダンスのような軽快なステップを踏み、ノーガードのまま薄ら笑いを浮かべながら対戦相手へ近づくハメド。対戦相手の強打も、軟体動物のようなスウェーバックでかわし、通常ならば体重が乗せられない体勢にも関わらず、強烈なカウンターパンチを的確に急所へ打ち込み、強敵たちをマットに沈めていきました。

そんな彼は「悪魔王子」「狂気のプリンス」などと呼ばれ、常にブーイングと歓声、両方が巻き起こったものです。
トリッキーなパフォーマンスが、対戦相手をイラつかせた。

トリッキーなパフォーマンスが、対戦相手をイラつかせた。

なお、その奇抜なファイトスタイルとは裏腹に、常日頃から努力を怠らない勤勉実直なタイプのファイターで、ブライアン・ホークとは真逆の人物像だったといいます。

須藤元気や山本"KID"徳郁も、ファイトスタイルを真似ていた

26 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

「日本ボクシング検定2017」の合格認定カードに「はじめの一歩」のキャラクター描き下ろしが登場!

「日本ボクシング検定2017」の合格認定カードに「はじめの一歩」のキャラクター描き下ろしが登場!

JBC(一般財団法人日本ボクシングコミッション)監修によるボクシングファンが、自分の知識を試すことのできる検定『日本ボクシング検定2017』の合格認定カードに「はじめの一歩」とコラボした限定デザインが登場することが発表されました!
「あしたのジョー」がゴルフに進出!?連載開始50周年記念「キャディバッグ」が登場!!

「あしたのジョー」がゴルフに進出!?連載開始50周年記念「キャディバッグ」が登場!!

株式会社ブルズ・アイは、2018年に連載開始から50周年を迎えた漫画「あしたのジョー」のゴルフ(キャディ)バッグの完全受注商品の販売を、ブルズ・アイのホームページ内のONLINE SHOPにて開始しました。
隣人速報 | 152 view
何故か!?最近はテレビであまり映さなくなった『ラウンドガール』悔しいです!!

何故か!?最近はテレビであまり映さなくなった『ラウンドガール』悔しいです!!

昔からボクシングや格闘技などで試合と試合の間に次のラウンドを知らせるラウンドガール、当初はラウンドガールもしっかり映していたのに、ここ最近ではラウンドのボードだけを映したりCMに入ってしまったり、淋しい気がします。
ギャング | 3,762 view
海に還ったコメディアン「たこ八郎」の規格外な伝説の数々!!現在も某所で活躍中!?

海に還ったコメディアン「たこ八郎」の規格外な伝説の数々!!現在も某所で活躍中!?

昭和のお笑いを語る上で外せないコメディアンであり、プロボクサーとして王座にもついたことのある「たこ八郎」。1985年に海水浴場で亡くなるまで、生前は規格外なエピソードの数々を生み出してきました。ここではそんな彼の伝説をまとめてみたいと思います。
となりきんじょ | 16,072 view
ボクサーと俳優の肩書を持った!!『畑山隆則』という男!!

ボクサーと俳優の肩書を持った!!『畑山隆則』という男!!

元WBA世界スーパーフェザー級王者と元WBA世界ライト級王者の2階級を制覇した畑山隆則さんボクサーと俳優業もこなしていましたが最近メディアでもあまり見なくなりました、気になり、勝手に追ってみました。
ギャング | 3,615 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト