サウンドノベル 「かまいたちの夜」
1992年に『弟切草』でサウンドノベルというジャンルを生み出したチュンソフトが、満を持して発売したサウンドノベル第2弾『かまいたちの夜』。
小説家の我孫子武丸さんが手がけたシナリオや、ディレクターの麻野一哉さん、加藤恒太さんと中嶋康二郎さんが生み出したサウンド。
実写を元にした背景と、人物のシルエットが違和感なく融合したグラフィックなどすべての面で非常に完成度が高く、今なお多くのファンに支持され続けている名作です。
一体どんなゲームなのか?
舞台はスキー場と雪山のペンションでありそこで起きる不可解な殺人事件を解決することが目的である。物語は序盤は主人公(透)達が殺人事件を解決すべく行動するが未解決のまま進むと殺人事件が繰り返されホラーサスペンスになっていく。
サウンドノベルとは?
「かまいたちの夜」のように、物語を小説感覚で読み進めていくゲームのことを言います。
サウンドノベル形式とは、文章が画面全体に表示されて、音楽や背景などを組み合わせることで小説に臨場感を与えるゲームのことです。
via www.4gamer.net
選択肢から選んで、物語を進めていくシステム
ゲームシステムは単純であり、主人公の独白で構成されるストーリを読みながら、途中で現れる選択肢を選択することでストーリが分岐し、到達できるエンディングが変わるというものである(例外的に推理の過程で名前を入力する部分がある)。
例 : 「犯人は・・・・・・ぼくだ」
正しい判断をしていればたどり着ける「犯人の名前を入力する画面」。ですが、その前に必ず現れる選択肢があります。
A.犯人はぼくだ
B.犯人は真理だ
C.犯人はぼくでも真理でもなく…
Aを選んだらどうなるのでしょう。結果はどのタイミングで犯人が分かった(ことになった)かによって異なります。まだ犠牲者がバラバラ死体1人しか出ていない時ならば、透がかました冗談ということになり、再び同じ選択肢にループします。犠牲者が多数出ている時もやはりループして同じ選択肢にすぐ戻ります。問題は犠牲者が2人の時(バラバラ死体+従業員1人)。この時に「犯人はぼくだ」と言うと最悪です。俊夫さんに包丁で刺されてしまうのです。この時聞こえる悲鳴がまたリアル。たまにはふざけた選択肢を選んでみるのもこのゲームの楽しみ方の1つでしょう。
あらすじ
via i0.wp.com
大学生である主人公の透は、ガールフレンドの真理にスキー旅行に誘われ、彼女の叔父である小林夫妻が経営しているペンション「シュプール」に滞在する。吹雪が止まぬ中、シュプールにはアルバイトの他、OL3人組や、関西人の社長夫妻など様々な人物が宿泊しており、中にはその場に似つかわしくないサングラスをかけたヤクザ風の男・田中一郎もいた。
夕食の後、OL3人組の部屋で「こんや、12じ、だれかがしぬ」という一文の書かれた手紙が発見されるが、その場では誰かのイタズラだと一蹴される。しかし夜9時を過ぎた頃、2階からガラスの割れる音がしたため、一同は2階の部屋を調べると、田中の部屋でバラバラになった田中の惨殺死体を発見する。部屋の窓は割れたまま開け放たれており、犯人の姿はなかった。
時間が経過するにつれ、次々と何者かにより殺害されていく宿泊者たち。はたして真犯人「かまいたち」とは何者なのか。吹雪に見舞われたかまいたちの夜、透たちは生存することが出来るのか?
エンディング後のアナザーストーリー
複数のエンディングが用意されており、ミステリー編で「完」1回または「終」3回エンディングを見ると、アナザーストーリーとしてオカルトタッチな「悪霊編」、サスペンスタッチの「スパイ編」が楽しめ、それらのエンディングをトゥルーエンディング、バッドエンディング含め全て読み終わるとセーブデータ(栞という形になっている)がピンク色に変わり、さらにセルフパロディである「Oの喜劇編」、「暗号編」が追加される。