開業からもうすぐ半世紀の山陽新幹線 JR姫路駅にある謎のホームをご存知ですか?
2021年5月27日 更新

開業からもうすぐ半世紀の山陽新幹線 JR姫路駅にある謎のホームをご存知ですか?

新大阪~博多間を走る日本の大動脈の一つの山陽新幹線。1972年に新大阪~岡山間が先行開業し、その3年後には博多まで延伸され現在に至っています。今回は開業前にあったとある計画とその痕跡を紹介したいと思います。

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山陽新幹線とは

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新大阪駅と福岡市の博多駅を結ぶ全長644.0kmの路線。途中神戸、岡山、広島、北九州といった西日本の主要都市を結び、東海道新幹線及び九州新幹線と相互に乗り入れをして日本の大動脈の一翼を担っている。1972年3月に開業してから今年で47年目。日本で2番目に古い新幹線で開業当時は国鉄が経営していたが、現在はJR西日本が全線にわたり経営している。

当時「ひかりは西へ」のキャッチフレーズで開業しましたね。ちなみに愛称のひかりは元々九州を走っていた準急列車につけられていたものです。よく考えると大出世した名前ですね。

JR姫路駅の新幹線13番のりば

山陽新幹線の通常の駅は中央に通過線があり、その側線に上下1本づつホームを設けている。ところが姫路駅は下りホームに2本のホームがある。うち一番外側の13番のりばは早朝と深夜が中心で1日を通してほとんど使われていない。

・現在は余剰ともいえるホームだが現在は上り11番のりばの外側にスペースがあり上下2本づつのホームが建設可能なため将来的には今より有効活用されるかもしれませんね。

余剰なホームだけでなく余剰な駅も!?

兵庫県内には姫路駅の他に、新神戸、西明石、相生の合計4つの駅がある。そのうち姫路駅の両端の西明石と相生は開業時から基本的に各駅停車しか止まらない駅で、なおかつ姫路駅との間隔が短い。多くの利用者は姫路や新神戸、もしくは新大阪駅を利用した方が便利なような気がする。
しかも開業時の山陽新幹線は16駅あり、その駅間距離は平均約43km。しかし兵庫県内の新神戸~相生間は平均約25kmと約18kmも差があり明らかに短い。

・全体と比べるとやはり不自然に感じますね。何か理由がありそうですね。

今では考えられないような幻の計画の痕跡

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姫路駅のホームと両端の駅間距離、実はこれは山陽新幹線全線開業後の東京~博多間に「夜行新幹線」を走らせる計画があり、これらはその計画の名残りである。当時は新幹線の最高速度210キロと今より90キロ遅く終便も午後8時と現在より1時間半ほど早い時間だったため、深夜に新幹線を運行し遅い時間からでも移動できるよう計画していた。

・やはり理由があったんですね。しかし深夜に新幹線が走るのはさすがに想像できないですね。

余剰な設備と夜行新幹線の関係

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夜行新幹線を走らせるのに駅やホームがなぜ余分に必要なのだろうか。正直結びつく理由が見当たらないが実はとても重要な役割を果たすのである。
線路は運行時間外に保線作業を行わなくてはならない。夜行新幹線を走らせると24時間フル稼働となり作業する時間が確保できない。そのため上りか下りの片方だけを夜行新幹線を走らせもう片方を保線作業に回すという手段を取ることで走らせようとしていた。従って単線での運行となるため途中で行き違いを行う必要がある。そこで東京~博多間のちょうど中間にあたる姫路駅にホームを1本余分に造り行き違いさせて走らせようとしていた。また運転本数も上下24本ほどの予定であったため姫路駅だけで裁くのは不可能なため、中間に近い場所に駅を設けて行き違いさせる予定だった。

・そういう事だったんですね。理由はよく分かりましたが計画自体が斬新でかつ駅だけでも事前に建設できたことが今では考えられないですね。今だったらマスコミやインターネットで色々言われそう。

名古屋での住民訴訟により計画は頓挫

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しかし現在まで夜行新幹線は運行されていない。実は全線開業1年前の1974年名古屋で騒音による住民訴訟が起こった。その結果夜12時から朝6時まで新幹線の運行が出来なくなってしまった。そのため夜行新幹線の計画は白紙となってしまった。しかし岡山までは開業しているので兵庫県内の駅と事前に作った姫路駅のホームは今もそのまま残っている。

・やっぱりそれなりの理由があったんですね。夜行でなくてももう少し終電と始発が早ければと思っていたのですが…。今だったらJRが叩かれそうな事ですが、当時の高度経済成長期という時代背景を考えると、とりあえず作っとこうみたいな精神があったんでしょうね。日本は元気だったんだなあと思います。

他にもある 新幹線の余剰な設備

新幹線貨物輸送計画遺構(2009-12)Shinkansen Bullet Trains

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