七つの海のティコ
『世界名作劇場』シリーズの初にして現在まで唯一の完全オリジナル作品である。また、主人公は東洋系(日系アメリカ人)という設定で、日系人が主人公というのも、作中に日本が登場したのもシリーズ初にして唯一である。更には、世界名作劇場シリーズやそれ以前のシリーズも含め、放送当時の「現代(1994年当時)」を時代背景とした唯一の作品である。
あらすじ
早くに母を亡くした主人公の少女・ナナミは、海洋生物学者の父・スコットと相棒のアル(アルフォンゾ)とともにティコというシャチを連れて海洋調査船「ペペロンチーノ号」で暮らしながら世界中を旅している。目的は伝説の生き物「ヒカリクジラ」を探すことだが、なかなか手掛かりすら見つからない。
via image.jimcdn.com
via i.ytimg.com
「ペペロンチーノ号」で旅をするメインキャラクター
ナナミ・シンプソン(声: 林原めぐみ)
アメリカカリフォルニア州バークリー出身の11歳の少女で、父親に同行し世界を旅している。1982年4月14日生まれ。アメリカ人の父親と日本人の母親との間に生まれたハーフで、名前は日本語の「七つの海」に由来する。母親は彼女が3歳の時に死去。彼女の誕生日にスコットが助けたシャチのティコとは一心同体で、5分以上、水深100m以上素潜りができる。髪はオレンジ色。食欲は旺盛だがテーブルマナーを知らないため、食事の場で悪戦苦闘したということもあった。
スコット・シンプソン(声: 池田秀一 )
ナナミの父。カリフォルニア大学を卒業後、海洋生物の研究室に入るが、仲間達と研究の考えが食い違うようになり、研究室を飛び出す。海洋調査のため、そして幻のヒカリクジラを探すため、ナナミとともにペペロンチーノ号で世界中の海を旅している。髪は濃い茶色で、顎ひげを生やしている。
アルフォンゾ・アンドレッティ(声: 緒方賢一 )
ヨーロッパの港でスコットと知り合いペペロンチーノ号に乗り込んだ、シチリア沖の島出身の男性。通称・アル。船はもちろん、機械全般や電気工学にも明るいようで、潜水球「スクイドボール」を開発した。宝探しをしたり停泊地でカニを売ったりして一儲けしようとするが、いつも失敗するためナナミやスコットから苦笑いされている。祖母のロザリンドには頭が上がらない。
シェリル・クリスティーナ・メルビル(声:水谷優子 )
メルビル財閥の一人娘で、イギリスの大学の経済学部に通う大学生。冒険を求めてペペロンチーノ号に乗り込む。わがままで気が強い典型的なお嬢様だが、好奇心旺盛で行動力も抜群。強がった言動が多いが、ナナミが辛い時には姉のように接するなど、実は優しい性格である。ヘリコプターと飛行機を各1機墜落させたことがある。
via imgc.nxtv.jp
トーマス・ルコント(声:松井摩味)
アメリカ出身の10歳の少年で、バハマでナナミたちと出会う。嘘つきで内気な性格だったが、父親であるルコント博士から離れ、ナナミたちと冒険をすることに。コンピュータ操作が得意で、ゲームを作ることもできる。なお、彼の愛機は外観からアップルコンピュータ製のPower Bookであると言われている。
via www.b-ch.com
ジェームス・マッキンタイア(声:増岡弘)
メルビル家に仕える執事。1日6回のティータイムを大切にするイギリス人紳士で、フランス製の製品が嫌い。寝る時に大きないびきをかく。忠実な執事として仕えているが、暇を出されるのを覚悟して主に意見したり、シェリルの暴走を諫めるなど、芯の通った一面がある。日本の鉄道の時間の正確さに感動する。
メインの動物
ティコ
全長8メートル、体重7トンの大きなシャチ。推定年齢18歳のメス。スコットが幼いティコを助けた日にナナミが生まれた。ナナミとは一心同体の存在である。いたずら好きな性格をしている。物語の中盤でジュニア(下記)を出産するが、北極でアルを助けるため命を落とす。
ヒカリクジラ
スコットが7年間探し求めてきた伝説のクジラ。このヒカリクジラからトロンチウム反応が出るため、GMCが捕獲を試みている。物語最終盤ではナナミによって、彼らが神のような存在であることが描写された。
via video.oznoz.com
放映期間は、1994年1月16日から同年12月18日で全39話(本放送時に未放送分が1話あり)。