クイズ「消えた1ドル」
噂はかつて現在のようにSNSなどで噂が広まるものではなく、あくまでも人から人へと口コミで広がっていったものである。
流行した都市伝説の類もその一例ではないだろうか。
その頃に、あるホテルを舞台にした「クイズ」が流行ったのを覚えている方はどの位いるだろうか。
テレビ番組で特集される訳でもなく、ただただひっそりと口コミで伝わったものだ。
単純なクイズなのだが、一度不思議の迷宮に迷い込むと正解には辿り着けなくなってしまうクイズだった。
実際のクイズは下記の通り。
流行した都市伝説の類もその一例ではないだろうか。
その頃に、あるホテルを舞台にした「クイズ」が流行ったのを覚えている方はどの位いるだろうか。
テレビ番組で特集される訳でもなく、ただただひっそりと口コミで伝わったものだ。
単純なクイズなのだが、一度不思議の迷宮に迷い込むと正解には辿り着けなくなってしまうクイズだった。
実際のクイズは下記の通り。
【Q.消えた1ドル】
とあるホテルで会議を開いた3人の男がいた。料金30ドルを支払ってブースを借りた彼等が立ち去ってから、料金が実は25ドルで、取りすぎだったことが判明した。
ホテルのマネージャーはベルボーイに5ドル渡して3人の男に返してくるようにいった。5ドルをどうやって3等分しようかと悩んだベルボーイは、3人に1ドルずつ渡して残りの2ドルをくすねてしまうことにした。
その晩遅くベルボーイが思い返してみると、男達はそれぞれ9ドルずつ(10ドルからそれぞれが返してもらった1ドルを引いたもの)を支払ったことになる。
したがって男達が払ったのは27ドル($9×3=$27)、それに自分がくすねた2ドルがあるから、合計では29ドルになり、ベルボーイはあとの1ドルはどこへ消えてしまったんだろうと不思議に思った。
何が起きたのだろうか??
【A.消えてなかった1ドル】
初めから1ドルは消えてはいない。つまり、この問題自体がおかしいということです。どこがおかしいかというと… 3人が払ったのは確かに27ドルになりますが、ホテル側の収支で考えると、30-5+ホテルのドアマンのとった2ドルで27ドルという事であいます。
27ドルに2ドルを足して29ドルなどとしてしまうこと自体がおかしいわけです。
<補足回答>
9ドル×3に2ドルを足した所に問題があるのです。
何故足して良いのでしょうか?
おそらく30ドルの内訳という名目でしょう。
しかし、30ドルの内訳と言うのであれば30ドルから2ドルを引いた28ドルを3人で分ける事になります。
間違いの根本は2ドルを左辺に足している事でしょう。
(10-1)×3=25+2
これが正しい状況の表し方でしょう。
どうしても30ドルという数字が欲しいのであれば
30ドル=9×3ドル(3人が払った分)+(30-25)ドル(間違えた差額)-2ドル(ドアボーイがくすねた分)
という式になります。
元ネタ?は内田百間の『阿房列車』に掲載
ちなみにこの問題は、ぼくが中学生の頃に愛読していた、『頭の体操』という本の中でも出題されていたようですが、大元は夏目漱石の弟子、内田百間の『阿房列車』第一話に掲載されていたようです。
内田百間は旅を愛した方だったようで、旅の同行者「平山三郎」が内田百間に出したなぞなぞで、かの文豪内田百間も答えがわからなかったんだとか。
第一阿房列車 (新潮文庫)
内田 百間(うちだ ひゃっけん)
1889年5月29日生まれ。1971年4月20日没。
小説家、随筆家。
迫り来る得体の知れない恐怖感を表現した小説や、独特なユーモアに富んだ随筆などを得意とした。後輩の芥川龍之介に慕われたほか、師である夏目漱石の縁故から夏目伸六と親交が深かったことでも有名。
1889年5月29日生まれ。1971年4月20日没。
小説家、随筆家。
迫り来る得体の知れない恐怖感を表現した小説や、独特なユーモアに富んだ随筆などを得意とした。後輩の芥川龍之介に慕われたほか、師である夏目漱石の縁故から夏目伸六と親交が深かったことでも有名。
『阿房列車』でのクイズでは、ホテルが宿屋、ボーイが女中、ドルが円となっているようだ。
時代を感じる設定だが、いつの時代も人は答えを求め彷徨うようになっているのだろう。
時代を感じる設定だが、いつの時代も人は答えを求め彷徨うようになっているのだろう。
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