語源は「附子」?「民俗コネタとして「ブス」を取り上げてみます。
2017年10月15日 更新

語源は「附子」?「民俗コネタとして「ブス」を取り上げてみます。

インターネットテレビ局AbemaTV (アベマTV)のバラエティ番組「おぎやはぎの『ブス』テレビ」をご存知でしょうか?番組案内によると「ブス」が「ブス」のことを考え、明日の「ブス」のために語り合う番組とのこと。ここでは民俗コネタとして「ブス」を取り上げてみましょう。

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先日、知人から「『ブステレビ』面白いよ!」と勧められたのですが、インターネットテレビ局AbemaTV (アベマTV)のバラエティ番組「おぎやはぎの『ブス』テレビ」をご存知でしょうか?

番組案内によると「ブス」が「ブス」のことを考え、明日の「ブス」のために語り合う番組とのこと。内容は個々人それぞれの意見があると思うので、ここでは触れないでおきます。

民俗コネタとして「ブス」を取り上げてみます

この言葉の語源の一説をご紹介します。これ、人間をさしていません。植物です。
「附子」と書きます。ブスあるいはブシと読みます。

「附子」とはトリカブトの塊根のこと

詳しく書くと、キンポウゲ科シナトリカブトの子根を乾燥したもので、現代でも漢方薬として用いられております。その効能は、武田コンシューマーヘルスケアさんのサイトによると「利尿、強心、鎮痛、鎮静などに効果があります」とのこと。体を温めて新陳代謝の機能を高める作用もあるそうです。自然と健康を科学する会社・ツムラさんのサイトではツムラ麻黄附子細辛湯(ツムラマオウブシサイシントウ。製品番号127)として紹介されております。

こんな役立つ漢方薬がなぜ、「ブス」という人間の表現に?「トリカブト」って毒薬じゃなかったっけ?

そう。トリカブトは猛毒です。飲む量を間違えなければ漢方薬ですが、間違えたら猛毒です。先ほどの武田さんのサイトによれば「主成分には、猛毒性アルカロイドのアコニチン、メサコニチン、ヒパコニチンの他、低毒性ジテルペン系アルカロイドのアチシン、コブシン、イグナビンなどを含みます。最近ではハイゲナミンという新しい成分も報告されました」とありますから、毒オンパレードです。

猛毒のトリカブト、体内に入れてしまえば…

毒の成分は根っこだけではなく葉っぱや花部分にもありまして、体内に入れたら呼吸中枢の麻痺・心臓麻痺などに!そこまでいかないにしろ、神経系の麻痺などで顔面麻痺にも。

顔面麻痺→無表情が転じて「附子=ブス」

その顔面麻痺・・・簡単にいえば「無表情」になるのです。その無表情の様を「附子=ブス」と例えたと言われております。無表情の様子が見栄えが宜しくないと思ったのか、転じて見た目についてもブスと言うようになったのだ、と言われております。

でも。そこまで「附子」が一般的だったのか?という素朴な疑問も芽生えます。

伝統芸能「狂言」にも登場する演目「附子」

実は、鎌倉時代以降には、「附子ブス」が登場する物語が登場しております。平安時代には登場し江戸時代には幕府や武家などに庇護されていた伝統芸能「狂言」にも「附子」という演目があります。

これは、当時大変貴重だった砂糖を家来に見せたくなかった主人が「この桶の中身はブスという猛毒だから食べるなよ」と言い置いて外出したのですが、家来たちがコッソリ中身を見たら砂糖だったから、美味しくて完食。主人にバレる!と慌てた家来たちは知恵を絞り・・・主人が大事にしていたモノをわざと壊し、主人が帰ってきたら「大事なモノを壊しちゃったから死んでお詫びをしようと思ってブスを食べたけど、全部食べても死ねないですう(泣)」とウソ泣きをする、というストーリーです。

砂糖はさておき、ブスが猛毒だと認知されていたことは伺えます。
というわけで、今回はAbemaTV 「おぎやはぎの『ブス』テレビ」から日本文化史を覗いてみました★
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