評価点
多彩な女の子たちによる華やかな演出
それまでの脱衣麻雀によく見られた「あからさまなアニメ絵」や「コテコテの実写」のどちらでもないライトな雰囲気を前面に押し出し、脱衣麻雀を遊ばないプレイヤーにもとっつきやすいビジュアルをアピールすることで、新たな客層の獲得に成功しています(多くの18歳未満の健全な男子をその道に踏み外させてしまった余罪もありますが…)。
特に初代と4作目『フォーエバー』でメインイラスト・キャラクターデザインを手掛けた司淳氏の評価が高いですね。アニメと写実の中間的な画風に加え、陰影の強い独特の塗りで当時非常に人気が高かった司氏の起用は本シリーズのイメージ・方向性を決定付けたと言っても良いでしょう。
氏はこれ以前にも同社の『戦国ブレード』で彩京の作品に携わっており、ゲーセンでは既におなじみのイラストレーターになっていたこともプレイヤーのとっつきやすさに繋がったと言えます。
2作目『快楽天』では成人向けジャンルで発行部数1位を誇る人気コミック誌『COMIC快楽天』とのコラボレーションを敢行。同誌で連載中だった漫画のキャラクターが多数登場する豪華な内容となり、「これを見て涙しない漢はいない!」との売り文句通り画期的な作品として話題をさらいました。
3作目『デジタルサーフィン』では当時急速に普及し始めていたインターネットを題材に取り入れ、ホームページを開設して活躍していたイラストレーター陣を起用。吉崎観音氏や安森然氏、ありかわかときち氏、モグダン氏といったその界隈では有名な絵師らが名を連ねました。
イラストに負けず劣らずキャラクターボイスも豪華で、マスコットのお助けキャラ「雀犬」(及び女の子の一人)を『クレヨンしんちゃん』の野原しんのすけでお馴染みの矢島晶子氏が演じているのをはじめ、こおろぎさとみ氏、松井菜桜子氏、くじら氏といった人気声優陣が惜しげもなく起用されていました。
ゲームの性質上セリフの量はさほど多くなく、ただでさえゲームセンターは雑多に置かれたゲームのサウンドや周囲の喧騒でキャラボイスがかき消えがちな環境なのですが、細部に手を抜いていない姿勢が見て取れますね。
特に初代と4作目『フォーエバー』でメインイラスト・キャラクターデザインを手掛けた司淳氏の評価が高いですね。アニメと写実の中間的な画風に加え、陰影の強い独特の塗りで当時非常に人気が高かった司氏の起用は本シリーズのイメージ・方向性を決定付けたと言っても良いでしょう。
氏はこれ以前にも同社の『戦国ブレード』で彩京の作品に携わっており、ゲーセンでは既におなじみのイラストレーターになっていたこともプレイヤーのとっつきやすさに繋がったと言えます。
2作目『快楽天』では成人向けジャンルで発行部数1位を誇る人気コミック誌『COMIC快楽天』とのコラボレーションを敢行。同誌で連載中だった漫画のキャラクターが多数登場する豪華な内容となり、「これを見て涙しない漢はいない!」との売り文句通り画期的な作品として話題をさらいました。
3作目『デジタルサーフィン』では当時急速に普及し始めていたインターネットを題材に取り入れ、ホームページを開設して活躍していたイラストレーター陣を起用。吉崎観音氏や安森然氏、ありかわかときち氏、モグダン氏といったその界隈では有名な絵師らが名を連ねました。
イラストに負けず劣らずキャラクターボイスも豪華で、マスコットのお助けキャラ「雀犬」(及び女の子の一人)を『クレヨンしんちゃん』の野原しんのすけでお馴染みの矢島晶子氏が演じているのをはじめ、こおろぎさとみ氏、松井菜桜子氏、くじら氏といった人気声優陣が惜しげもなく起用されていました。
ゲームの性質上セリフの量はさほど多くなく、ただでさえゲームセンターは雑多に置かれたゲームのサウンドや周囲の喧騒でキャラボイスがかき消えがちな環境なのですが、細部に手を抜いていない姿勢が見て取れますね。
マニアックなシチュエーションの豊富さ
モロに性的なシーンはほとんどありませんが、服に水をかけて胸だけを透けさせたり、体に巻きついているリボンを引っ張って脱がせるなど、フェティシズムをくすぐるマニアックなシチュエーションが多いです。18禁タイトルとはいえ業務用という制限されたプラットフォームの中でできるだけのエロを、という開発陣の工夫でありましょう。
おしおきシーンはボタン連打に連動してアニメーションする要素が加えられています。連打するだけの単純な作業ですが、ただ眺めるだけではなく少しでもプレイヤーをゲームに参加させようというアイデアは評価に値します。
また、胸がこぼれる際の「揺れ」が秀逸で、並ではないこだわりが込められています。おしおきが完了する寸前で止めてキャラの様子を楽しむことなどもでき、好みのシチュエーションをチョイス可能なことと相俟って大変よろしいです。実にけしからんです。
デモ画面に顔が出ているのでバレバレですが、隠しキャラクターによるファンサービスも恒例となっています。ムサ苦しい野郎が紛れ込んでいる(ちゃんとおしおきもできる)のはご愛嬌ですよっ!
おしおきシーンはボタン連打に連動してアニメーションする要素が加えられています。連打するだけの単純な作業ですが、ただ眺めるだけではなく少しでもプレイヤーをゲームに参加させようというアイデアは評価に値します。
また、胸がこぼれる際の「揺れ」が秀逸で、並ではないこだわりが込められています。おしおきが完了する寸前で止めてキャラの様子を楽しむことなどもでき、好みのシチュエーションをチョイス可能なことと相俟って大変よろしいです。実にけしからんです。
デモ画面に顔が出ているのでバレバレですが、隠しキャラクターによるファンサービスも恒例となっています。ムサ苦しい野郎が紛れ込んでいる(ちゃんとおしおきもできる)のはご愛嬌ですよっ!
評価点というかなんというか
笑撃の実写対戦モード
ここまで読んでくださった方ならすでにお分かりいただけたとは存じますが、本シリーズの真の恐ろしさが詰まっているのは2P対戦モード(及び、対戦と同じテイストで進行する「ジャンファイターズモード」)です。通常、脱衣麻雀の対戦と言えば「勝った側が女の子の脱衣シーンを見られる」というのが普通ですが、このゲームの対戦にはそんな軟派さは微塵もありません。漢と漢の闘いであります。
具体的にはジャンファイターと呼ばれる全身タイツを着た漢二人(実写)が、上がった役に応じた様々なプロレス技(?)をかけ合います。役が低いときは普通の技が中心ですが、高くなるにつれて「ヒザかっくん」や「ちゃぶ台返し」といった妙なものが増え始め、満貫以上にもなると「バズーカ」や「チクビーム」など、もうやりたい放題です。
初代では1P側と2P側の必殺技は基本的に同じものだったのですが、『快楽天』以降はキャラ付けが進んで技の違いが際立つようになり、内容もどんどん狂ったものにエスカレートしていきました。「北〇百烈拳」や「アシュ〇バスター」などのパロディ技も満載されており、『フォーエバー』の頃になると「永井〇氏に申し訳が立たないような技を平気で繰り出す」と公式でコメントされています。
そんなジャンファイターたちの必殺技の花形が、跳萬以上の役で高確率で発動する「辱め固め」シリーズ。背後から相手の両足を掴んでおっぴろげさせつつ、局部を露出させて辱めるという恐ろしい技です(勿論モザイク有)。続編が出るたびに新たな辱め固めのバリエーションが追加されていき、最終的には膨大な数の辱め固めシリーズを生み出すに至ってしまいました。異様にチープな画面構成との相乗効果でシュールなことこの上ありません。
表向きは女の子にあれやこれをするゲームなのに、この変わりようはいったいどういうことなのでしょうか。本当に同じゲームなのかと目を疑います。シューティング界から脱衣麻雀に殴り込みをかけた彩京が一瞬にしてゲーセン野郎の目を引き付けた狂気の産物でした。
なお、ジャンファイターは京都大学プロレス研究会の学生らが演じています(ちなみに彩京の旧社名は「彩アート京都」)。辱め固めは京大プロレス研の伝統技だそうですよ。
1枚の基板で2台の筐体を稼動可能なオペレーターに優しい仕様など、地味な部分でも頑張っていました。
具体的にはジャンファイターと呼ばれる全身タイツを着た漢二人(実写)が、上がった役に応じた様々なプロレス技(?)をかけ合います。役が低いときは普通の技が中心ですが、高くなるにつれて「ヒザかっくん」や「ちゃぶ台返し」といった妙なものが増え始め、満貫以上にもなると「バズーカ」や「チクビーム」など、もうやりたい放題です。
初代では1P側と2P側の必殺技は基本的に同じものだったのですが、『快楽天』以降はキャラ付けが進んで技の違いが際立つようになり、内容もどんどん狂ったものにエスカレートしていきました。「北〇百烈拳」や「アシュ〇バスター」などのパロディ技も満載されており、『フォーエバー』の頃になると「永井〇氏に申し訳が立たないような技を平気で繰り出す」と公式でコメントされています。
そんなジャンファイターたちの必殺技の花形が、跳萬以上の役で高確率で発動する「辱め固め」シリーズ。背後から相手の両足を掴んでおっぴろげさせつつ、局部を露出させて辱めるという恐ろしい技です(勿論モザイク有)。続編が出るたびに新たな辱め固めのバリエーションが追加されていき、最終的には膨大な数の辱め固めシリーズを生み出すに至ってしまいました。異様にチープな画面構成との相乗効果でシュールなことこの上ありません。
表向きは女の子にあれやこれをするゲームなのに、この変わりようはいったいどういうことなのでしょうか。本当に同じゲームなのかと目を疑います。シューティング界から脱衣麻雀に殴り込みをかけた彩京が一瞬にしてゲーセン野郎の目を引き付けた狂気の産物でした。
なお、ジャンファイターは京都大学プロレス研究会の学生らが演じています(ちなみに彩京の旧社名は「彩アート京都」)。辱め固めは京大プロレス研の伝統技だそうですよ。
1枚の基板で2台の筐体を稼動可能なオペレーターに優しい仕様など、地味な部分でも頑張っていました。
問題点
脱衣麻雀という既に完成され尽くしたジャンルかつ基本部分はごくオーソドックスな作りなので、特に問題点らしい問題点は見当たりません。
強いて言えばツモ上がりが弱いルールになっているため、イカサマアイテム選択や戦法に若干のセオリーと予備知識が必要な程度でしょうか。
強いて言えばツモ上がりが弱いルールになっているため、イカサマアイテム選択や戦法に若干のセオリーと予備知識が必要な程度でしょうか。
その他
『デジタルサーフィン』を除き、隠しキャラはいずれも同社が主力としていたシューティングゲームからのカメオ出演によるファンサービスとなっています。
初代と快楽天では『戦国ブレード』の「富樫こより」、『ガンバード』シリーズの「マリオン」、いろんな作品に顔を出す"風雲はだか侍"「アイン」の3人。フォーエバーでは『戦国ブレード』の「ユーニス」、『ガンバード』の「ヤンニャン」、『ソルディバイド』の「カシュオン」の3人…の「そっくりさん」と言い張っています(本シリーズのキャラは全員名前が微妙に違います。そもそもマリオンとユーニスが本人だったら(未成年的な意味)でヤバイ)。
3作目『デジタルサーフィン』には「ゲーメストとのコラボレーション」という裏コンセプトがあり、愛読者なら必笑もののネタが散々詰め込まれていたのですが、その中でもジャンファイターモード時の「ジャンメスト」には勝利時の大技として「新声社爆破」(当時新声社は新しい自社ビルを建てたばかりでした)という必殺技が仕込まれていました。
……しかし本作の発売からわずか1ヶ月後、新声社はリアルに爆死(経営破綻)し、彩京渾身のネタとともに伝説と化してしまいます。
後にゲーメスト編集部員がエンターブレインに移籍してアルカディアを創刊した際には、彩京は「もう爆破しないよ!」との祝辞を寄せています。ちなみに、当の彩京自身も発売から3年後に消滅(クロスノーツに吸収合併された挙句、翌年ゲーム開発部門が消滅)してしまいました。開発者はのちに彩京(クロスノーツ)が液晶開発を請け負っていた発注元である某遊技機メーカーへと転籍しましたが、その会社も解散の憂き目にあい、現在消息不明。関係した会社を爆破しまくりです。
余談ですが、『快楽天』のジャンファイター(ジャンジャパン&ジャンアメリカ)が着用していた全身タイツはゲーメスト誌上で読者プレゼントに提供されました。
初代と快楽天では『戦国ブレード』の「富樫こより」、『ガンバード』シリーズの「マリオン」、いろんな作品に顔を出す"風雲はだか侍"「アイン」の3人。フォーエバーでは『戦国ブレード』の「ユーニス」、『ガンバード』の「ヤンニャン」、『ソルディバイド』の「カシュオン」の3人…の「そっくりさん」と言い張っています(本シリーズのキャラは全員名前が微妙に違います。そもそもマリオンとユーニスが本人だったら(未成年的な意味)でヤバイ)。
3作目『デジタルサーフィン』には「ゲーメストとのコラボレーション」という裏コンセプトがあり、愛読者なら必笑もののネタが散々詰め込まれていたのですが、その中でもジャンファイターモード時の「ジャンメスト」には勝利時の大技として「新声社爆破」(当時新声社は新しい自社ビルを建てたばかりでした)という必殺技が仕込まれていました。
……しかし本作の発売からわずか1ヶ月後、新声社はリアルに爆死(経営破綻)し、彩京渾身のネタとともに伝説と化してしまいます。
後にゲーメスト編集部員がエンターブレインに移籍してアルカディアを創刊した際には、彩京は「もう爆破しないよ!」との祝辞を寄せています。ちなみに、当の彩京自身も発売から3年後に消滅(クロスノーツに吸収合併された挙句、翌年ゲーム開発部門が消滅)してしまいました。開発者はのちに彩京(クロスノーツ)が液晶開発を請け負っていた発注元である某遊技機メーカーへと転籍しましたが、その会社も解散の憂き目にあい、現在消息不明。関係した会社を爆破しまくりです。
余談ですが、『快楽天』のジャンファイター(ジャンジャパン&ジャンアメリカ)が着用していた全身タイツはゲーメスト誌上で読者プレゼントに提供されました。
総評
バカゲー要素をこれでもかと満載しながら、気軽に遊べてしっかりエロい内容で不動の人気を勝ち取った非常に稀有な作品です。
彩京の創業当初から垣間見えていた「マトモなゲームに変なものをぶち込む」という特有の奇妙なノリ(『ストライカーズ1945』などにも見られますね)の極致にあたるのが本シリーズです。
1Pプレイではこっそりとエロスを堪能し、対戦ではバカバカしい必殺技で盛り上がる二度おいしい作りで好評を博し、90年代後半のゲームセンターの18禁コーナーには必ずと言っていいほど設置されていた人気タイトルとなりました。
イラストは今となっては多少古臭さを感じるかもしれませんが、司淳氏の画風などは時代の流行に左右されにくい味があり、当時プレイしていた人もそうでない人も楽しめる脱衣麻雀の傑作です。
でも脱衣麻雀は18歳になってから! ジャンファイターとの約束だ!
もっとも、本作がゲーム史に名を刻んだ最大の理由はジャンファイターの存在のおかげであり、脱衣の方がおまけと言われればそれまでですが…(笑)。
彩京の創業当初から垣間見えていた「マトモなゲームに変なものをぶち込む」という特有の奇妙なノリ(『ストライカーズ1945』などにも見られますね)の極致にあたるのが本シリーズです。
1Pプレイではこっそりとエロスを堪能し、対戦ではバカバカしい必殺技で盛り上がる二度おいしい作りで好評を博し、90年代後半のゲームセンターの18禁コーナーには必ずと言っていいほど設置されていた人気タイトルとなりました。
イラストは今となっては多少古臭さを感じるかもしれませんが、司淳氏の画風などは時代の流行に左右されにくい味があり、当時プレイしていた人もそうでない人も楽しめる脱衣麻雀の傑作です。
でも脱衣麻雀は18歳になってから! ジャンファイターとの約束だ!
もっとも、本作がゲーム史に名を刻んだ最大の理由はジャンファイターの存在のおかげであり、脱衣の方がおまけと言われればそれまでですが…(笑)。
本稿で記載しております情報は、ゲームカタログ@wikiから引用させていただきました。
出典元はコチラです。
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