府中適正は父親ゆずり!1990年代最後の樫の女王ウメノファイバー
2016年11月25日 更新

府中適正は父親ゆずり!1990年代最後の樫の女王ウメノファイバー

地味な血統だった。1番人気におされた事もない。オークス後、勝ち星を挙げることができずターフを去った。だがウメノファイバーには今なお根強いファンが多い。サウスポーで鳴らした彼女の戦績を振り返ってみよう。

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地味血統と言われるけれど

ウメノファイバーは1996年5月5日、北海道の新冠町で産まれた。
父サクラユタカオーはG1天皇賞・秋の勝ち馬。
母ウメノローザは南関東の大井で活躍し、G1グランドチャンピオン2000を制覇。
母系を5代さかのぼると、昭和59年顕彰馬に選出されたトキツカゼがいる。
父・サクラユタカオー

父・サクラユタカオー

1986年10月26日(日) 4回東京8日 第94回 天皇賞(秋)(GI) サラ系4歳以上 2000m 芝・左 牡・牝 オープン 定量 天候:晴 芝:良 1番人気 11番ミホシンザン(柴田政人) 2番人気 16番サクラユタカオー(小島太) 3番人気 2番ライフタテヤマ(猿橋重利) レース結果 着差 人気 1着⑯サ...
トキツカゼ

トキツカゼ

「府中の女王」の片鱗チラリ

ウメノファイバーは非常に小柄な馬体だったため、牧場関係者や調教師の相沢郁は
彼女にあまり期待をかけていなかった。

しかし1998年11月14日京王杯3歳ステークス。
紅一点、のちに重賞を4勝するロサードを破り6番人気ながら優勝。
インを走る牡馬相手に外からねじ伏せる強い勝ち方だったが、この時まだ陣営は
彼女の能力に対して、絶対的な自信を持てずにいた。
ウメノファイバーを手掛けた相沢郁調教師

ウメノファイバーを手掛けた相沢郁調教師

あれはマグレだったのか?

翌月、ウメノファイバーはG1・阪神3歳牝馬ステークスに出走する。
4コーナーで前を射程圏内に入れ直線を迎えたが、やや重の馬場に
脚をとられたのか思ったように伸びなかった。
1着スティンガーからは1.9秒差の6着。 
京王杯3歳ステークスからは、フロックの香りが漂いはじめていた。

1998.12.06 阪神11R

府中で2度目の重賞制覇!

年が明けて1999年2月21日。
陣営は桜花賞の前哨戦にクイーンカップを選んだ。
レースでは今までの末脚勝負から一転、3番手につける競馬でファンを驚かせたが、
ゴール100m手前あたりで先頭に立つと、圧倒的1番人気レッドチリペッパーの
追撃をしのいで勝利を手にした。
鞍上・蛯名正義騎手

鞍上・蛯名正義騎手

重賞3勝すべての背中に蛯名がいた

末脚不発の桜花賞

桜花賞当日、馬場は良発表だったが、前日の雨の影響が残っていた。
キレ味を削がれたウメノファイバーは、直線蛯名のムチに必死になって応えるも
6着までが精いっぱいだった。
 (1648420)

1999.04.11 阪神11R

ハナ差でつかんだ女王の座

そして迎えた1999年5月30日、第60回オークス。

桜花賞馬・プリモディーネや全盛期を迎えていたサンデーサイレンス産駒・トゥザヴィクトリーやスティンガーの前に、ウメノファイバーは府中で重賞を2勝していながら7番人気という低評価だった。

スタート後は得意の末脚をいかす戦法で、向正面では後方4番手を追走。直線を待った。
4角を回ってもまだ後方。先頭に立ったトゥザヴィクトリーがそのまま押し切るかに見えたが、やはり府中でのウメノファイバーの末脚はひと味違った。
大外から豪快に追い込みトゥザヴィクトリーをハナ差でねじ伏せ、第60代オークス馬に
輝いた。
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