【シューティングゲーム(STG)の歴史】アーケードからファミコンまで、あの頃アツかったシューティングゲームについて振り返る。
2016年5月13日 更新

【シューティングゲーム(STG)の歴史】アーケードからファミコンまで、あの頃アツかったシューティングゲームについて振り返る。

少年時代「シューティングゲーム(STG)」に燃えた人はいますか?インベーダーに始まるシューティング隆盛の歴史は、80年代がピークだとされています。ファミコンなどの家庭用ゲーム機にあってはロールプレイングゲーム(RPG)の台頭、アーケードにおいては格闘技ゲームの登場など、90年代以降は次第に存在感が薄くなってしまったシューティングゲーム、でも私たちを熱狂的にアツくさせてくれたのもまた「シューティングゲーム」でしたよね。

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「超兄貴」(1992年)

「超兄貴」(1992年)

縦横両スクロールシューティング

ごく少数の例外として、『ヴァンガード』、『沙羅曼蛇』、『テラフォース』、『アクスレイ』、『フィロソマ』、『ヘクター'87』のように、横スクロールシューティングと縦スクロールシューティングが交互に行われる構成のゲームも存在する。

ゲーム進行上の演出として、ステージの途中などでゲームの通常方向のスクロールとは異なる方向への強制的、あるいは選択的なスクロール処理が行われる場合もあり、局所的に縦横両スクロールに見える場合もある。(『グラディウス』『スペースマンボウ』など)
「沙羅曼蛇」(1986年)

「沙羅曼蛇」(1986年)

「テラフォース」(1987年)

「テラフォース」(1987年)

「アクスレイ」(1992年)

「アクスレイ」(1992年)

その他のスクロール形式

【クォータービューシューティング】

画面が主に斜め方向にスクロールするシューティングゲーム。背景が3D的になっている。
『ザクソン』、『ブレイザー』、『メルヘンメイズ』、『ビューポイント』、『マッドクラッシャー』など極めて少数。

斜め視点なのでスプライトでも敵などが立体的に見えるというメリットはあったが、位置関係が把握しづらく、高度の概念を入れると敵と同高度なのかどうかが解らなかったり、敵弾の機動予測がしづらいなどのデメリットがあり、ゲーム性に幅を持たせにくい。結局、縦スクロールシューティングに統合されるような形で作成されなくなった。

【多方向スクロールシューティング】

画面がプレイヤーの「任意の方向にスクロール」し、「任意の方向への攻撃」を行うシューティング。別称、任意スクロールシューティング。
代表的なタイトルは『ボスコニアン』、『タイムパイロット』、『バンゲリングベイ』、『エイリアンシンドローム』、『奇々怪界』、『アサルト』、『ワルキューレの伝説』、初期の『サンダーフォース』シリーズ、『グラナダ』、『Geometry Wars』など多岐にわたる。前述のアリーナシューティングや、初期のFPSなども多方向スクロールシューティングの要素を備え、同様の内部処理を行っている場合がある。

スクロール表現に関して分類すると「方向入力を行い続けるとスクロールするタイプ」(グラナダやアサルトなど)と、「方向入力を行わなくても常にスクロールするタイプ」(ボスコニアンなど)に分かれる。前者は、多方向スクロールシューティングの要素が濃厚であってもアクションゲームに分類されることも多い。

【トンネル・シューティング】

戦闘空間が円筒状の曲面であるシューティングゲーム。画面は3次元的表現で描画されるが、戦闘は円筒状の形状の表面に沿うような空間上で行われる。この戦闘空間は、変則的ではあるものの一種の2次元である。『Tempest』、『ジャイラス』、『Space Giraffe』など極めて少数。また、『アーガス』などは通常の縦スクロールシューティングであるが、マップの左右が接続・ループしており、事実上、トンネル・シューティング同様の空間構成であると見なす事もできる。

シューティングゲームの歴史「衰退期」

1980年代終盤になると、シューティングゲームの隆盛にもかげりが見え始めてくる。ゲームアイデアの出尽くし感やマンネリ化、回転率の悪さからくるオペレータの不満などにより、シューティングは次第にゲーム市場から歓迎されなくなっていった。

それ以外にも、ロールプレイングゲームや対戦型格闘ゲーム、パズルゲームなど、他の比較的新興のゲームジャンルに次々にヒット作が生まれ、そちらの方へユーザーが流れていったこと、難化の一途をたどる難易度や一部メーカー(アイレム)の情報統制による攻略情報の不足などから「シューティングは難しい・とっつきにくい」というイメージが一般に定着してしまったことなど、複数の衰退要因があげられる。

特にストリートファイターII・バーチャファイターを開祖とする対戦格闘ゲームは、回転率、時間あたりの満足度、初心者の入り易さ、キャラクター性でシューティングゲームより圧倒的に上であり、アーケードゲームの主流を一気に奪い去った。

シューティングゲームは上級者が1コインで長時間プレイするため回転率が悪く、メーカー側が回転率を上げるために難易度を上げたゲームを発表すると今度は初心者が寄り付かなくなり、結果としてプレイヤー全体数の減少を招いた。

そのため、対戦格闘の驚異的な回転率の高さもあって次第にオペレータに敬遠され、設置台数が減少した。そしてマニア化したプレイヤーは前例に倣わない革新作を歓迎しなくなり、大差のないマニア向けゲームしか作られず初心者離れが更に加速するという悪循環を生み出した。

それを象徴するのが、1994年の東亜プランの倒産であった。R-TYPEシリーズを売り出したアイレムも同年にアーケードゲーム事業から撤退し、グラディウスシリーズなどを展開していたコナミも1990年代後半にはBEMANIシリーズなどの音楽ゲームに主軸を移した。

シューティングゲームから撤退するメーカーが相次ぐ中で、タイトーなど一部老舗メーカーは製作を継続し、ケイブ、彩京、ライジングのようにシューティングゲームに新たに参入するメーカーも現れた。これらは初心者離れに危機感をもち、キャラクター性の強化、自動難易度調整、ボムの標準装備、1面の低難易度化などの施策を講じた。

これらの対策により、アーケードゲーム界には一時的にシューティングゲームの復権の兆しこそあった。しかし、根本的な解決に至ることはなく、結局は初心者を取り込みつつも上級者が納得できるようなバランス調整に各メーカーは頭を悩ませることとなる。

1990年代、2000年代にかけて少数の意欲作や特にガンシューティングゲームにおけるヒット作は散見されるものの広範なユーザー層の獲得には至っておらず、マイナー化・ニッチ化が進むこととなった。

90年代後半以降のムーブメントとなった「弾幕系シューティング」

「怒首領蜂」(1997年)

「怒首領蜂」(1997年)

「東方Project」

「東方Project」

シューティングゲームの現在

2014年現在、2Dシューティングは製作するメーカーは少なくなってきており、積極的に開発に関わってきていたケイブも、2013年5月限りでアーケードゲーム、コンシューマーゲーム市場から撤退している。

だが、フリーゲーム及び同人ゲームなどのインディーズゲームとしての創作は活発に行われ、同人ゲームのアーケードへの移植が行われるようになった。家庭用ではEveryday ShooterやEvery Extend Extra、Blast Worksなどがある。アーケード向けについては、日本ではトラブル☆ウィッチーズがゲームショウなどでロケーションを行い後に稼動、exceptionもAMI、サクセス、スコーネック制作の新システム基板のソフトランナップに記載された。

オンライン配信対応のものについては、アーケードゲームでは2007年、コナミがオンラインに対応したシューティングゲームとしてオトメディウスを販売した。家庭用ゲーム機では他のジャンルと同様の流れでSTGの方も配信サービスに対応しており、ネットワークを通じた2人同時プレイも可能になっているものがある。一方、PCのオンラインゲームの方では、FPSではオンラインに対応したシューティングが多数作られているが、2Dスクロール系のものではValkyrie Skyが日本では2010年からクローズドβテストを開始している。

アーケードから撤退したケイブ、しかし一方でスマホ向けに本格的シューティングの提供を始めてもいます

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