古谷一行の金田一耕助シリーズ 『横溝正史シリーズI』(1977年の連続テレビドラマ)
2017年1月31日 更新

古谷一行の金田一耕助シリーズ 『横溝正史シリーズI』(1977年の連続テレビドラマ)

金田一耕助を演じた俳優は大勢いますが、多くの人の記憶に残っているのは、1970年代後半に放映された「横溝正史シリーズ」に登場した古谷一行さんが演じる金田一耕助ではないだろうか。古谷一行さんの金田一耕助は、とても人間的で、親しみやすいキャラクターであることが印象的でした。シリーズは高視聴率を記録し「金田一といえば古谷一行」というイメージが定着しました。横溝正史シリーズIの全6作品のまとめです。連続殺人のムゴイ画像(映画版よりはマイルドです)も多々ありますので、お食事中の方はご注意ください。

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足跡の残っていない庭の中央に凶器の日本刀が突き刺さって...

足跡の残っていない庭の中央に凶器の日本刀が突き刺さっているのが見つかった。

難解な密室殺人事件に金田一耕助が挑む!

難解な密室殺人事件に金田一耕助が挑む!

密室トリックの謎には中盤で気づくが、動機の解明に手間がかかった。
3本指の男は事件に関わりがあるのか

3本指の男は事件に関わりがあるのか

警察による捜査の結果、結婚式の直前に顔を隠し手袋をした3本指の男が一柳家を訪れ、賢蔵に「君のいわゆる生涯の仇敵」と署名した復讐遂行を示唆する手紙を託したこと、および「生涯の仇敵」と書かれた男の写真が賢蔵のアルバムにあったことが判明し、さらに日本刀についていた指紋と2日前に3本指の男が駅前で水を飲んだコップとの指紋が一致したため、3本指の男がその「生涯の仇敵」であり、犯人であると目される。しかし、夢遊病が疑われる鈴子が式の前夜に死んだ愛猫の墓に参っていたときに出くわしたと証言した以外、その足取りがつかめなかった。
(出典:Wikipedia「本陣殺人事件」)

金田一シリーズの犯人は最後に自殺するパタンが多いが、今回の犯人は最初から自殺していた・・・自作自演。動機は潔癖すぎ・封建的すぎて現代では共感しにくい

密室事件のトリック

密室事件のトリック

水車に結びつけてあった糸に引かれて、凶器の刀は雨戸上部の欄間より外に出、幹に刺さった鎌で糸を切られ、地面に刺さるという仕掛けなのであった。事件のたびに琴が鳴らされたのは、糸が切れるときに琴のような音が鳴ってしまうことをカムフラージュするためであった。
「本陣殺人事件」映像化で最も扱いに困るのは戦前の封建的な倫理観・女性観に根ざした動機の部分しょう。昭和21年に原作が発表された時点ですら既にその点の批判があったぐらいですから、更に30年経った昭和50年代ともなれば尚更です。かと言って動機を変えるわけにはいきません。
賢蔵は、克子が処女でないことを知って婚約を破棄したかったが、小作農の娘がゆえの周囲の猛反対を押し切っての結婚だったので、「それ見たことか」と笑われるようなこともプライドが許さず、結果、自分に苦悩をもたらした克子を殺し、自らも死ぬ計画を立てたのであった。しかし、自殺したというのもまた自己の敗北を認めることになるため、自分も殺されたと装えるトリックを考えたのであった。

処女じゃないから婚約を破棄したかった。そして克子も殺し、密室トリックで他殺に見せかけて自分も自殺する・・・非常に封建的な戦前の倫理観・女性観に根ざした動機ですね。

横溝正史シリーズI 第3作 「三つ首塔」(1977年5月28日から6月18日・全4回)

横溝正史シリーズI 第3作 「三つ首塔」

横溝正史シリーズI 第3作 「三つ首塔」

『横溝正史シリーズI・三つ首塔』は、TBS系列で1977年5月28日から6月18日まで毎週土曜日22:00 - 22:55に放送された。全4回。

原作のあらすじ

13歳のときに両親を亡くし、伯父の某私立大学文学部長で英文学者である上杉誠也にひきとられた宮本音禰(みやもとおとね)は、昭和30年9月17日、突然、遠縁に当たる佐竹玄蔵老人の百億円に近い財産を、高頭俊作という見知らぬ男と結婚することを条件に譲られることになっていることを告げられる。
その1ヵ月後の10月3日。上杉伯父の還暦祝いの夜に、連続殺人の最初の事件が起こる。

(出典:Wikipedia「三つ首塔」)
宮本音禰(ヒロイン)役:真野響子

宮本音禰(ヒロイン)役:真野響子

原作とは違い、遺産の額が百億円ではなく十億円となっている。

高頭俊作という見知らぬ男と結婚することを条件に佐竹玄蔵の十億円の財産を相続するという条件。
高頭五郎役:黒沢年男

高頭五郎役:黒沢年男

相続条件の相手である肝心の高頭俊作が殺されてしまう。やはり!

そのイザコザの中で、なんと、高頭五郎に宮本音禰はやられてしまいます。なんと!

やられてしまった五郎にだんだん惹かれていく音禰。ええっ。

相続候補が殺されていく中、音禰と五郎は殺人容疑をかけられて逃げ出し、「三つ首塔」なるものを探す旅に出るのだった。

実は高頭五郎の正体は・・・

横溝正史シリーズI 第3作 「三つ首塔」 遺産相続説明会 - YouTube

遺産は7人で等分に分ける。一人でも減れば、その分だけ分け前が増える・・・資産をもらう権利者がどんどん殺されて減っていく。

佐竹の一族の人間はあるものは麻薬に溺れ、あるものは近親相姦、あるものは同性愛と放埓で淫乱で道徳観念がまったくといっていいほど欠如していた。

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ボンドのゴールドフィンガーを思い出すなあ。
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相続人たちの正体(本性)
「三つ首塔」の守り人の法然(演:殿山泰司)

「三つ首塔」の守り人の法然(演:殿山泰司)

佐竹玄蔵老人が、かつて死に追いやった2人の男と自らの合せて3人の首を供養するために建てたという蓮華供養塔「三つ首塔」
明治初年、佐竹玄蔵と高頭省三は、山師武内大弐に騙されたことを恨み、玄蔵が一刀のもとに大弐の首を刎ね、そのまま逐電した。その煽りを喰って高頭省三が斬首の刑に処せられた。

いまでも3人の首を収めた三つ首塔といわれる供養塔が日本のどこかにあるという。玄蔵はそのことを終生重荷として背負い、高頭の子孫である俊作と玄蔵の兄の玄孫音禰を結婚させ、過去の罪滅ぼしとして莫大な財産を譲ろうと考えた。
音禰の夢の中に古坂史郎(演:ピーター)と佐竹由香利(演...

音禰の夢の中に古坂史郎(演:ピーター)と佐竹由香利(演:佳那晃子)が出てきて殺されそうになる。

法然(演:殿山泰司)と、古坂史郎(演:ピーター)と佐竹由香利(演:佳那晃子)は三角関係。
法然(演:殿山泰司)と古坂史郎(演:ピーター)がホモ。

この悪党たちは、仲間割れで自滅。野原の小屋で由香利と史郎が絞殺死体で発見される。

彼らは真犯人ではない。では犯人は誰?

意外な結末

高頭五郎の正体は高頭俊作だった。ヒロインを守るダークヒ...

高頭五郎の正体は高頭俊作だった。ヒロインを守るダークヒーロー。

音禰は恋人の男性の傷の手当をするうち、彼が高頭俊作であることを知る。高頭俊作と名乗って殺された男は従兄弟の五郎で遺産と音禰を狙い何者かに殺害されたのだった。

高頭俊作は正体を隠して音禰を守っていたのだが、最初に強引にやっちゃうのはなあ。。正体が俊作だというのはバレバレでした。

音禰と俊作は暗闇の穴の中で結婚し、後に金田一耕助に救い出される。

ハッピーエンド。
音禰(ヒロイン)の養父であり最も信頼する人間の上杉誠也...

音禰(ヒロイン)の養父であり最も信頼する人間の上杉誠也役(演:佐分利信)は音禰を独り占めしたいほど愛していた・・・

犯人は最後に焼身自殺する。

音禰を独り占めしたいほど愛するがゆえの犯罪。血はつながっていない養父とはいえ、ロリコン。

今回は、随分と死人が出ています。
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