ピーター・ガブリエル、実はピーター・ゲイブリエルと発音するのが正しい
2016年9月6日 更新

ピーター・ガブリエル、実はピーター・ゲイブリエルと発音するのが正しい

ジェネシスの中心メンバーとして活躍した後、ソロ・アーチストとしても素晴らしい作品を発表し続けているピーター・ガブリエル。しかし、そのピーター・ガブリエル、ピーター・ゲイブリエルと発音するのが正しいとのことで、本人曰く「ガブリエルと発音するのは日本人だけ」だそうですよ。そんなピーター・ガブリエルの80年代までの足跡を辿ります。

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Peter Gabriel - Solsbury Hill

曲も素晴らしいですが、映像がなんとも美しいです。
1978年発売のソロ2枚目のアルバム通称Scratch「ピーターガブリエル II 」です。プロデュースは御大ロバート・フリップ。前作からのハードな面を残しながらも実にバランスのとれた仕上がりです。後に開花する民族音楽への取り組みが始まっています。

何とも印象的なジャケット・デザインはご存知ヒプノシスが担当しています。
ピーターガブリエル II

ピーターガブリエル II

1978年リリース

【収録曲】
1. オン・ジ・エア
2. D.I.Y.
3. マザー・オブ・ヴァイオレンス
4. ア・ワンダフル・デイ・イン・ア・ワン・ウェイ・ワールド
5. ホワイト・シャドウ
6. インディゴ
7. アニマル・マジック
8. エクスポージャー
9. フラットサム・アンド・ジェットサム
10. パースペクティヴ
11. ホーム・スウィート・ホーム
既にGenesisで構築してきたものではなく、自分自身の内面を見つめ全く新しいAnother Worldを完成させた記念すべき作品である。まずもって駄曲がない。ロバート・フィリップの切れるギターとガブリエルのボーカルが見事にマッチしていて、凄いアルバムに仕上がっている。第2作で既にトップ・ギア。ガブリエルの才能に降参だ。1→2→3と続くメドレーが特に秀逸。

Melt~Security

これまた強烈な印象を残すジャケット・デザインの「ピーターガブリエル III」。南アフリカ共和国の民族運動家、スティーヴ・ビコのことを歌った名曲「ビコ」を含む、ソロ3枚目の傑作アルバム通称Meltです。
このアルバムや次作「ピーターガブリエル IV(1982年リリース)」では、当時最新のシンセサイザーや民族音楽を導入して独自の世界を作り出しています。
ピーターガブリエル III

ピーターガブリエル III

1980年リリース

【収録曲】
1. イントゥルーダー
2. ノー・セルフ・コントロール
3. スタート
4. アイ・ドント・リメンバー
5. ファミリー・スナップショット
6. アンド・スルー・ザ・ワイヤー
7. ゲームズ・ウィズアウト・フロンティアーズ
8. ノット・ワン・オブ・アス
9. リード・ア・ノーマル・ライフ
10. ビコ
Steve Lillywhiteプロデュースによる1980年発表の歴史的名盤。
本作を端緒とするリヴァーヴを極端にカットしたドラムの音色、所謂ゲートエコーの音色の登場は衝撃的だった。
哲学的かつ社会性と陰影を帯びたソングライティングにニューウェイヴ的なポップとしての親しみやすさが両立した1980年代英国ロック屈指の傑作。
Genesisの旧友であるPhil Collinsや当時The Jam在籍時のPaul Wellerが参加したゲストミュージシャンも豪華。

Peter Gabriel - Biko

1982年に発売された「ピーターガブリエル IV」は、リズムの激しさ、多彩さにおいて明らかに前作と一線を画しています。
先ずオープニングのエスニックなドラミングにやられてしまいます。躍動感あふれる原始的リズムと最新鋭の機材とが奇跡的に融合し素晴らしいアルバムとなりました。本作をピーター・ガブリエルの最高傑作とするファンは後を絶ちません。
ピーターガブリエル IV

ピーターガブリエル IV

1982年リリース

【収録曲】
1. リズム・オブ・ザ・ヒート
2. サン・ジャシント
3. アイ・ハヴ・ザ・タッチ
4. ザ・ファミリー&ザ・フィッシング・ネット
5. ショック・ザ・モンキー
6. レイ・ユア・ハンズ・オン・ミー
7. ウォール・フラワー
8. キッス・オブ・ライフ
デヴィッド・ロードと共同でピーター・ガブリエルもプロデュースに参画した作品。当時の最先端であったフェアライトCMIやリン・ドラムを導入した作品で、オールド・プロダクツのファンならこれだけでも必聴。そして80年代サウンドの嫌いな爺にはそれだけで嫌悪されそうな作品である。参加しているのは当時のツアー・メンバーでもあったデヴッィド・ローズ(g)、トニー・レヴィン(b)、ジェリー・マロッタ(dr)、ラリー・ファスト(syn)、ジョン・エリス(g) らでピーター・ハミル(vo)、そしてプロデュースのロードもピアノなどの鍵盤で演奏にも参加している。また1.にはエコーメ・ダンス・カンパニーが迎えられ、ワールド・ミュージック的な要素を注入。当時のワールド・ミュージックの流行の牽引者の一つにもなっている。

Peter gabriel The rhythm of the heat

So

かなりポップになった1986年のアルバム「So」は全英1位、全米でも2位を記録するなど世界的にヒットし、現在のところ最も商業的に成功したピーター・ガブリエルのアルバムとなっています。
また、シングル・カットされた「スレッジハンマー」も全米1位に輝いています。

尚、「スレッジハンマー」のプロモーション・ビデオは大きな話題となり、1987年のMTVミュージック・ビデオ・アワーズのベストビデオや、アルス・エレクトロニカのコンピュータ・ミュージック部門で最初のゴールデン・ニカ賞(グランプリ)を受賞しています。
So

So

1986年リリース

【収録曲】
1. レッド・レイン
2. スレッジハンマー
3. ドント・ギヴ・アップ
4. ザット・ヴォイス・アゲイン
5. マーシー・ストリート
6. ビッグ・タイム
7. ウィ・ドゥ・ホワット・ウィアー・トールド
8. ディス・イズ・ザ・ピクチャー
9. イン・ユア・アイズ
ピーター・ガブリエルが『so』までに築きあげたものの集大成が全て詰まったアルバム。それまでもチャート受けしないすばらしい曲を送り出してきたが、そこに人々が注目できる時期に来たのだろうか?
スレッジハンマーやビッグタイムなど面白い作りのビデオクリップも手伝ってビッグヒットを放つ。
しかしin your eyesなどの名曲はいまだにピーターがコンサートのトリで演奏するような曲であり、アフリカンな民族音楽との融合を見事に具現させたガブリエルならではの曲と言えると思う。

Peter Gabriel - Sledgehammer (HD version)

ピーター・ガブリエル80年代最後のアルバム「So」は、代表作であると同時に歴史的名盤となりました。

この後は、今日までツアー活動を精力的に行い、少ないとはいえオリジナル・アルバムも非常に上質な作品を発表し続けています。
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