聴いてみると心地よいことこの上ない。90年代以降に再評価されているアコースティック・スウィング。
2017年5月16日 更新

聴いてみると心地よいことこの上ない。90年代以降に再評価されているアコースティック・スウィング。

スウィングといってもジャズではありません。とはいえ、ジャズの要素も含んではいます。ノスタルジックなヴォーカルやアコースティック楽器でまったりとスウィングする“アコースティック・スウィング”。懐かしいだけではなく、再評価されカフェなどオシャレな場所でもかかっていますよ。

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Acoustic Swing

ジャズのようでいてジャズではありません。ノスタルジックなヴォーカルやアコースティック楽器の音色でまったりとスウィングできる「アコースティック・スウィング」。聴いていて心地よいことこの上ない音楽のジャンルです。
とはいえ、アコースティック・スウィングといっても、ウェスタン・スウィング、ジャズ・ヴァイオリン、ジャンプ&ジャイブ・ミュージックなどなど幅広いのです。

そこで、アコースティック・スウィングに分類される心地よくなれること間違いなしのアルバム、曲をご紹介します。

音楽自体は古くからあるものですが、90年代以降に再評価されたアコースティック・スウィングが日本で広く知られるようになったのは、この本の影響があったように思います。
アコースティック・スウィング

アコースティック・スウィング

発行日:2001年10月30日発行
著者:鈴木 カツ、宇田 和弘
ジョン・ミラーの写真を使ったとても雰囲気のある単行本です。内容的にもすばらしく、アコースティック・スウィングと呼ばれる音楽、またそのルーツとなる音楽に関することをまとめた世界でも類を見ない1冊です。

Dan Hicks

アコースティック・スウィングといえば、真っ先に紹介しなければいけないのが、ダン・ヒックスですね。1941年生まれで1960年代初期から活動しているダン・ヒックスの音楽は、ときに「フォークジャズ」などと呼ばれています。

キャリアが長いので素晴らしいアルバムはいくつもあるのですが、是非とも聴いてほしのが1978年発表の「イット・ハプンド・ワン・バイト」です。
イット・ハプンド・ワン・バイト

イット・ハプンド・ワン・バイト

1. クルージン
2. クレイジー・ビコーズ・ヒー・イズ
3. ガーデン・イン・ザ・レイン
4. ブーガルー・ジョーンズ
5. クラウド・マイ・サニー・ムード
6. ディジー・ドッグス
7. ヴィニーズ・ルッキン・グッド
8. ラヴァーズ・フォー・ライフ
9. カラード・ブルース
10. ウェイティン
11. レヴェリ・リヴィジテッド
12. ママ、アイム・アン・アウトロー
13. ブーガルー・プレイズ・ギター
とにかく楽しい一枚。ノスタルジックでドリーミーなアコースティック・ジャイブ・ミュージック。シャレもユーモアもたっぷりで聴いているとにこにこしてしまいます。

Dan Hicks - Crazy, 'Cause He Is

如何です?ステキでしょう?!意外なことにAOR関係の仕事で有名なトミー・リピューマがプロデューサーなんです。
しかし、残念なことに本作は入手困難です。こんなに素晴らしいアルバムが埋もれてしまうとしたら残念でなりません。

Lew London

そして、90年代に起こったアコースティックスィングブームの火付け役となったアルバムが、ルウ・ロンドンが1976年に発表した「スウィングタイム・イン・スプリングタイム」です。

アルバム・ジャケットを見てもらうとわかるように、楽しくも清々しい、なんとなく牧歌的で心地良いスウィング感が楽しめる名作といってよいアルバムです。オリジナル曲もカバー曲も文句なしの仕上がりですよ。
Swingtime In Springtime

Swingtime In Springtime

【収録曲】
  1. Swingtime In Springtime
  2. Old Movies
  3. Home In San Antone
  4. Sooner Or Later
  5. Nagasaki
  6. Rodeo Rider
  7. Crazies
  8. Gimme That Wine
  9. Randy
  10. Lottery Ticket
  11. Jennie's Fault
  12. Lady Be Good
  13. Green Peach Blues
  14. Laughing At Life
  15. Teach
とても爽やかでとっつきやすく、
ラグタイムフォーク、アコースティック・スイングを
初めて聴くのに最適のアルバムだと思います!!

Lew London - Swingtime in Springtime

音楽的な難しいことは分からなくても聴けば分かるとはまさにこのことです。心地よいですよね!いつまでも聴いていたくなること請け合いです。

John Miller

最初にご紹介した単行本の表紙に使われたこともあり、ぐっと認知度が上がったアコースティック・スウィングのアルバムと言えばこれでしょう。

アメリカン・ポップスの先駆者として、またミュージカルの天才として名高いジョージ・ガーシュインのトリビュート作品として1979年にジョン・ミラーが発表したアルバム「ガーシュインでスウィング!」です。

ジョン・ミラーは、今やニューヨーク・アコースティック・シーンの中心人物であり、既に伝説のギタリストと呼ばれるようになっています。本作でも本当に素晴らしいフィンガー・ピッキング・ギターを披露しています。
ガーシュインでスウィング!

ガーシュインでスウィング!

【収録曲】
1. THEY CAN'T TAKE THAT AWAY FROM ME
2. LADY BE GOOD
3. LIZA
4. BLAH, BLAH, BLAH
5. I GOT RHYTHM
6. OUR LOVE IS HERE TO STAY
7. THE MAN I LOVE
8. BIDING MY TIME
9. FASCINATING RHYTHM
10. NICE WORK IF YOU CAN GET IT
11. OF THEE I SING
12. EMBACEABLE YOU
13. LOVE WALKED IN
フィンガー・ピッキングは凄まじく、まさに神業で、ギター・ファンに崇められてます。
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