デンプシーロールが始まるとガードを固めて防戦一方になった島袋。しかし、一歩の連打でガードが壊れたそのとき、一歩のパンチをかわそうとせず、相打ち覚悟で自分のパンチを当てにいったのです。デンプシーロールは振り子運動によって左右の強打を連打で畳み込む攻撃。その連打、全てに相打ちというかたちで、島袋は真っ向勝負を挑んできました。
結果として、一歩のデンプシーロールの回転は止められてしまいましたが、相打ちだったことで、島袋も無傷というわけにはいかず、お互いに深刻なダメージを負うことになります。
息する余裕すら与えてもらえなかった一歩は酸素欠乏症となってしまい、まともに動けない体にされてしまいましたが、それは島袋も同じで無呼吸でボディーブローを続けたことによる負債を抱えていたのです。これこそが島袋が言う『海人対決』であり、海の底での対決と語っていたものの正体でした。
犠牲を払って、我慢比べをしようとする島袋。それは強靭な肉体をもち、漁師として育まれてきた強い心肺機能によるもので支えられていました。圧倒的に島袋優位に進む試合展開に、一歩はどのような抵抗を見せるのでしょうか。
今回の見どころはここで締め括らせていだきますので、続きは原作コミックなどでご覧になってくださいね。
今回の記事で紹介した幕ノ内一歩VS島袋岩男の試合はアニメ化されていて、原作コミックだけではなく、映像でも存分に楽しむことができるのです。
原作コミックを読んだり、アニメ版を視聴していると、こちらも呼吸が苦しくなってくるような錯覚を覚えます。どちらが勝ってもおかしくない接戦で、見応え充分の試合です。
そして、この試合は一歩にとって最大の強敵(狂敵)といえる沢村との決戦へとつながっていきます。一歩と沢村の試合についても、振り返っていくつもりでいますので楽しみにしていてくださいね。