【はじめの一歩】熱かった数々の試合を振り返る!宮田一郎VSアーニー・グレゴリー
2020年5月11日 更新

【はじめの一歩】熱かった数々の試合を振り返る!宮田一郎VSアーニー・グレゴリー

現在も連載中でミドルエッジ世代から圧倒的な人気を誇るボクシング漫画『はじめの一歩』。 今回の記事では、主人公・一歩のライバルであり、憧れの存在である宮田一郎が東洋太平洋タイトルに挑戦する試合について振り返っていきます。対戦相手でありながら紳士的な戦いぶりをみせるアーニーにも好感がもてる対戦です。

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『はじめの一歩』とは?

はじめの一歩

はじめの一歩

作者 :森川ジョージ
出版社:講談社
連載誌:週刊少年マガジン
発表号:1989年43号~
『はじめの一歩』(はじめのいっぽ)は、ボクシングを題材とした森川ジョージによる日本の漫画作品。1989年から『週刊少年マガジン』(講談社)で連載中。
母子家庭のいじめられっ子であり、釣り船屋を親子で支えている主人公・幕之内一歩が、プロボクサー鷹村守との出会いをきっかけに鴨川ボクシングジムに入門。「強いとは何か?」という問いの答えを求め、プロボクサーとして、また人間としても成長していく過程を、周囲との交流やライバル達との戦いを通じて描いてゆく。主人公のみならず脇役である仲間やライバル達の戦いも詳細に描いている点が特徴的であり、作者は「登場人物全員が主人公です」とコメントしている。

宮田一郎VSアーニー・グレゴリー

主人公・一歩のライバルであり、ボクサーとして憧れの存在である宮田一郎。今回はそんな彼を主人公に据えて描かれる物語で、一歩と互格以上の実力を持つにもかかわらず、これまでチャンスに恵まれずにタイトルを獲得できずにいました。
宮田はひと足先に日本タイトルを獲得して活躍するライバルの一歩に対して、肩書きとしても肩を並べるため、是が非でも勝ちたいと試合に臨むのでした。

宮田一郎

アウトボクシング・インファイト、どちらも器用にこなすタイプ。そのうえ、イケメンで女性ファンも多いです。本来の主人公である一歩もライバルのはずなのに、宮田の熱狂的なファンとして描かれていて面白いです。
得意とする攻撃はカウンターで、スピード感があるため、キレのあるパンチを打ちますが、パワーには欠けてしまう面があり、対戦相手の意識を断ち切るここぞという場面においては相手の力を利用するカウンターを放ちます。カウンターは宮田自身、絶対の信頼を寄せていて、強いこだわりを見せる場面もみられます。

ジョルト

カウンターにこだわる宮田の集大成といえる必殺ブロー。ボクサーとしての非力さを補うため、カウンターの威力をさらに高めるため、全体重を乗せて放つカウンターとなります。
通常のカウンターよりも失敗したときのリスクは高く、己の選手生命をも失いかねないといった危険を伴ないます。全身全霊の力を込めて打つぶん、相手のパンチをもらってしまったときの危険性も大きくなり、諸刃の剣といった特性の強いテクニックとなります。

アーニー・グレゴリー

誇り高い東洋太平洋チャンピオン。ファイトスタイルとしては、圧倒的なパワーを活かした至近距離でのインファイトを得意とするファイターで、左右の強烈なフックからクロコダイルの異名をもつ選手となります。
消極策をとって勝ちを拾うよりも、正々堂々と相手に立ち向かう戦法を選ぶといった男らしさがあって好感が持てるボクサーです。

ブラッディークロス

試合前、プロモーターのMr.サカグチから発表されたアーニーが得意とするテクニック。
ブラッディークロスという名前だけが明らかとなり、その実態や詳細が語られることはありませんでした。直訳すると血の十字架となることから、対戦相手を血まみれにしてしまうほどの威力をもつクロスカウンターなど、さまざまな憶測を呼ぶことになります。

試合の見どころ

試合開始のゴング直後から、チャンピオンであるアーニーは力でねじ伏せようと、挑戦者である宮田に積極的に攻撃を仕掛けていきます。しかし、宮田の実力はアーニーの想像を超え、目にも止まらぬカウンターを浴び、体ごと目の前から消えるほどのスピードを見せます。
宮田優位で進む試合展開

宮田優位で進む試合展開

驚いたアーニーは、カウンターがとれないようなコンパクトなパンチを打ってきて攻勢に出ます。しかし、宮田はさらにスピードのギアを上げ、コンパクトなアーニーの攻撃からも易々とカウンターを奪っていくのでした。
試合の主導権を握った宮田は、本来の構えをとって、あからさまにカウンターを狙う様子を見せます。カウンターで一気に勝負が決まってしまうかもしれない試合展開に、観客も息を呑み、会場が静まり返ってしまいます。
アーニーが左ストレートを出した瞬間、宮田もほぼ同時に動いてクロスカウンターが炸裂。アーニーからダウンを奪ってみせましたが、アーニーは立ち上がり、ここで1ラウンド終了のゴング鳴ります。
ブラッディークロス

ブラッディークロス

第2ラウンド開始のゴングが鳴ると、いきなり両者の激しいパンチの応酬。再びアーニーが左ストレートを繰り出すと、宮田はクロスカウンターを合わせようと右拳を打ち込もうとします。しかし、今度はアーニーのパンチが宮田を捉えて、クロスカウンターは失敗に終わりました。
宮田はクロスカウンターを仕掛けるタイミングを誤ったと、アーニーの攻撃に集中して、そのリズムを体に刻みます。リズムを覚え直した宮田は、再びアーニーの左ストレートに対してクロスカウンターを合わせますが、これも失敗に終わってしまい、宮田はアーニーから強烈な連打を浴びてしまいます。
宮田のクロスカウンターがことごとく失敗に終わってしまうのは、アーニーの繰り出したクロスカウンター封じ・ブラッディークロスによるものでした。
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