「ハギノカムイオー」。史上最高額(当時)で落札された超スターホースを振り返る!
2016年11月25日 更新

「ハギノカムイオー」。史上最高額(当時)で落札された超スターホースを振り返る!

「高額馬」「黄金の馬」「華麗なる一族」と呼ばれ、人間のさまざまな思いとともに、ターフを駆け抜けた「ハギノカムイオー」。そのレースは、華やかなものばかりではなかったのです。 人間社会に鮮烈なデビューをした、サラブレッドの一生を振り返って見ましょう。

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試練のクラシック戦線

皐月賞(GⅠ)  中山芝2000m 4月18日

無傷の3連勝で迎えた皐月賞。ここでもハギノカムイオーに新たな試練が起こります。
無謀ともいえるゲイルスポート(鞍上;加賀武見)の壮絶な逃げ、追随するハギノカムイオーは超ハイペースの先行争いに巻き込まれます。3コーナー付近でいったん先頭に立ちますが、4コーナーを回って直線に向いた時には、もう残された力はありませんでした。
結果は16着。惨敗でした。

1982年皐月賞。黄金の馬ハギノカムイオーの試練。加賀武見 - YouTube

物議をかもしたスプリングSでサルノキング骨折。ボンボンのハギノカムイオーに 正義の使者ゲイルスポートの加賀武見のセリ込み! 4角でバタバタながら先頭に立ちながら怯むカムイオー。アズマハンターの末脚。 アカネジローマルの4角逸走と盛りたくさんな皐月賞。 競馬、HORSE RACE

NHK杯(ダービートライアル) 東京芝2000m 5月9日

皐月賞の惨敗後も、陣営の照準は日本ダービー(東京優駿)でした。
NHK杯に望みを託したのです。が、ここでもあのゲイルスポートが逃げに参戦し、皐月賞とまったく同じような展開となり、ハギノカムイオーは馬群に沈んでいきます。
結果は12着。またしても惨敗でした。そして、陣営はダービー出走を断念したのです。
この後、ハギノカムイオーは休養に入り、過熱したカムイオー人気も下火になっていきました。

秋のクラシック戦線へ

NHK杯から約5か月の時を経て、ハギノカムイオーがターフに戻ってきます。
照準は秋の菊花賞。GⅠ初制覇へ向けた戦いが始まりました。

神戸新聞杯 阪神芝2000m 10月3日

4歳秋の初戦は、神戸新聞杯。単勝3番人気。
やはり、春の時のような人気はありませんでした。
しかし、このレースには、日本ダービーの優勝馬、バンブーアトラスが出走しています。負けるわけにはいきません。
スタートから順調に逃げたハギノカムイオーは、他馬の追随を許さず、そのまま1着でゴールし、復活をアピールしたのでした。

京都新聞杯(菊花賞トライアル) 京都芝2000m 10月24日

 (1698401)

このレースで、初めての走りをファンに披露します。
スタートから逃げ切るレースを重ねてきたハギノカムイオーが、なんと2番手に抑えたレースを展開します。そして、そのまま4コーナーをまわり、直線抜け出して見事1着でゴールしたのでした。菊花賞に向け、強さと成長を示したレースとなりました。

菊花賞(GⅠ) 京都芝3000m 11月14日

 (1696981)

春以来の本命、1番人気を背負ったハギノカムイオーは、大胆なレースを展開します。前半1000mを59秒5、1週目のスタンド前では後続馬を15馬身以上引き離す、暴走とも言える超ハイペースの大逃げを仕掛けたのでした。しかし、3コーナー付近から追いつかれ、最終的に15着と撃沈したのです。
またも、GⅠでの惨敗となりました。
このレースによって、ハギノカムイオーは「落ちた偶像」等のレッテルを貼られつつ、休養することになります。

ハギノカムイオー復活!

年が明けて1983年(昭和58年)、福島県の温泉で療養したハギノカムイオーは5歳になり、GⅠ初制覇に向け始動します。初戦はスワンステークス。

スワンステークス 京都芝1600m 5月15日

菊花賞でファンの期待を裏切り、散々な結果を残したまま再登場したハギノカムイオーを待っていたのは、意外にも、1番人気の本命という人気の高さでした。しかも、単枠指定のおまけつき。ハギノカムイオーはこれに見事応え、本来のスタイルである逃げ切りで1着ゴールインしたのです。このレースで、やはりスピード競馬には強いという印象を残したのでした。
このレースは母「イットー」も制しており、母子制覇の達成となりました。

宝塚記念 阪神芝2200m 6月5日

 (1697682)

前走で強さを見せたハギノカムイオーは、ダントツで単勝1番人気となります。そして、横綱相撲を見せるのでした。
スタートから終始先頭を走るも、4コーナー付近で後続の「カズシゲ」に急接近されます。ファンの脳裏には悪夢がよみがえったことでしょう。が、今回のハギノカムイオーは強かった。直線に入ると、猛追した「カズシゲ」を引き離し、なんと5馬身差をつけて優勝。圧巻の走りを見せつけました。
晴れて、念願のGⅠを制した、記念すべきレースとなりました。
そして、このレースで獲得賞金が1億9000万円超えとなり、自身の1億8500万円を上回ったのでした。
via jra.jp
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