2017年1月8日 更新

言葉がなぜ発達した?女を口説くためさ。教師・ロビンウィリアムズが情熱的に人生を説いた映画『いまを生きる』

1990年に日本で公開された映画『いまを生きる』。名優ロビン・ウィリアムズが教師役として出演し、進学校の生徒たちに人生の素晴らしさや尊さを伝えていく。思春期の生徒がそれぞれ葛藤し、行動していく様子をあたたかく見守るロビン・ウィリアムズの笑顔が印象的な映画である。

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映画『いまを生きる』

1989年に公開された映画『いまを生きる』(原題: Dead Poets Society)。日本公開は1990年。
ロビン・ウィリアムズ主演、「モスキート・コースト」のピーター・ウィアー監督。脚本はトム・シュルマンで、アカデミー脚本賞を受賞した。
若き日のイーサン・ホークも出演している。
映画『いまを生きる』 DVD

映画『いまを生きる』 DVD

原題の「Dead Poets Society(死せる詩人の会)」は、劇中の教師ジョン・キーティングがウェルトン校在学中に結成した読詩サークルで、すべて没した古典的詩人の作品のみ読むことからつけられている。

邦題である「いまを生きる」は劇中でキーティングが発するラテン語「Carpe Diem」の日本語訳である。
映画『いまを生きる』 DVD

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映画『いまを生きる』 あらすじ

1959年、バーモントの全寮制学院ウェルトン・アカデミーの新学期に、同校のOBという英語教師ジョン・キーティング(ロビン・ウィリアムズ)が赴任してきた。ノーラン校長(ノーマン・ロイド)の下、厳格な規則に縛られている学生たちに、キーティングは「教科書なんか破り捨てろ」と言い、詩の本当の素晴らしさ、生きることの素晴らしさについて教えようとする。
「伝統・名誉・規律・美徳」を重んじる校風。そこから展開...

「伝統・名誉・規律・美徳」を重んじる校風。そこから展開される格式ばった授業形式や薄っぺらい授業内容を否定するキーティング(ロビン・ウィリアムズ、真ん中)

キーティングを囲む生徒たち

キーティングを囲む生徒たち

後列左から一番目がニール役のロバート・ショーン・レナード、一番右がトッド役のイーサン・ホーク
このキーティングの風変わりな授業に、最初は戸惑うものの、次第に行動力を刺激され、新鮮な考え、規則や親の期待に縛られない、自由な生き方に目覚めてゆくのだった。

キーティングは授業中に突然机の上に立って宣言する。「私はこの机の上に立ち、思い出す。常に物事は別の視点で見なければならないことを! ほら、ここからは世界が全く違って見える」。生徒も立たせ、降りようとした時に「待て、レミングみたいに降りるんじゃない! そこから周りをきちんと見渡してみろ!」と諭す。
机の上に立ち、情熱的に話すキーティング

机の上に立ち、情熱的に話すキーティング

ある日生徒のニール(ロバート・ショーン・レナード)は学校の古い年鑑に、キーティングが学生時代に『デッド・ポエッツ・ソサエティ』というクラブを作っていたことを見つけ、ダルトン(ゲイル・ハンセン)やノックス(ジョシュ・チャールズ)らと共に、近くの洞窟でクラブを再開させる。

ニールの同室である転校生のトッド(イーサン・ホーク)も、誘われるままそれに加わった。そして彼らは自らを語りあうことで自分がやりたいものは何か自覚してゆくのだった。
洞窟にサックスやタバコ、お菓子を持ち込んで語り合う生徒たち

洞窟にサックスやタバコ、お菓子を持ち込んで語り合う生徒たち

引っ込み思案のトッドには、皆の前で即興で詩を語らせると...

引っ込み思案のトッドには、皆の前で即興で詩を語らせるという強引だが、愛情のこもった指導を行った

ノックスはクリス(アレキサンドラ・パワーズ)という娘との恋を実らせ、ニールは俳優を志し『真夏の夜の夢』の舞台に立った。しかし父親(カートウッド・スミス)に反対され、陸軍士官学校に転校させられることになったニールは自ら命を絶った。

この事件を捜査する学校側は、退学処分を切り札にデッド・ポエッツ・ソサエティのメンバーに証言を強要し、やがてそれは煽動者としてキーティングの責任問題に結びつけられ、彼は退職を余儀なくされる。
舞台終了後、父親にやりたいことを否定され、将来を決めつ...

舞台終了後、父親にやりたいことを否定され、将来を決めつけられてしまったニール

ニールの死を哀しみ、弔う生徒たち

ニールの死を哀しみ、弔う生徒たち

キーティングが学院を去る日、一度はキーティングを裏切って告発書にサインした生徒たちが、裏切った後ろめたさを吹っ切るように、口々に"Oh Captain, My captain"と言いながら、1人ずつ机の上にすっくと立つ。

"Oh Captain, My captain"とはキーティングが最初の授業で引用したウォルト・ホイットマンの詩の一節である。彼は、私をキーティング先生と呼ぶのもいいが、よかったら"Oh Captain, My captain"と呼んでくれないかなあ、と生徒たちを笑わせるのだ。生徒たちは、その言葉を覚えていたのである。

トッドたちは校長の制止も聞かず机の上に立ちキーティングを見送る。それは彼らのせめてもの抵抗の証しであった。
生徒たちが自主的に机の上に立ち、去りゆくキーティングに...

生徒たちが自主的に机の上に立ち、去りゆくキーティングに敬意を表した

その様子に微笑むキーティング

その様子に微笑むキーティング

ラテン語「カーペ・ディエム」

最初の授業で、まず教室から生徒たちを連れ出したキーティング。
OBの写真の前で、キーティングは先輩も将来に希望を見出していたこと、まだ自分と言う存在を把握しておらず皆苦しんでいてもいたと伝えた。
「seize the day(その日をつかめ)」、ラテン語で「Carpe diem」(カーペ・ディエム)という言葉を伝えた。
キーティングはOBの写真の前で生徒たちに人生の尊さを伝えた

キーティングはOBの写真の前で生徒たちに人生の尊さを伝えた

「カーペ・ディエム」は、紀元前1世紀の古代ローマの詩人ホラティウスの詩に登場する語句。
「一日の花を摘め」、「一日を摘め」などとも訳される。

ホラティウスは「今日という日の花を摘め」というこの部分で、「今この瞬間を楽しめ」「今という時を大切に使え」と言おうとしている。
ラテン語で言うなら「カーペ・ディエム」

ラテン語で言うなら「カーペ・ディエム」

他にもキーティングは言葉がなぜ発達したかを女を口説くためと説明したり、「芸術家」?「自由思想家」たれだと常に思春期の若者に対して、物事をあらゆる視点で観ることの重要性を訴えた。

作品データ

監督 ピーター・ウィアー
脚本 トム・シュルマン
公開 1989年(※日本公開は1990年)
配給 TS、TS/WB
時間 128分
出演  ロビン・ウィリアムズ、イーサン・ホーク、ロバート・ショーン・レナード等

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