1978〜80年はユーミンの暗黒時代?!
2023年12月11日 更新

1978〜80年はユーミンの暗黒時代?!

ユーミンのアルバムの売り上げは78〜80年のあいだ全盛期に比べると大幅に減退したのだそうです。言ってみれば暗黒時代。ユーミンにもそんな時代があったのです。が、そこはユーミン、楽曲のクオリティはその間もしっかり担保されているんですよ!

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悲しいほどお天気

カメラ目線。こちらをキッとにらんだユーミンが凛々しくもあり怖くもあるアルバム「悲しいほどお天気」は1979年12月にリリースされました。

このアルバムジャケットで気になるのはカメラ目線よりも指ですね。細く美しい指ですが、なんか変なポーズ(特に左指)です。
何をしようとしているところなんでしょうかねぇ?カメラマンからの指示なのか?それともユーミンの癖か?何とも不思議なポージングのアルバムジャケットです。
悲しいほどお天気

悲しいほどお天気

1.ジャコビニ彗星の日
2.影になって
3.緑の町に舞い降りて
4.DESTINY
5.丘の上の光
6.悲しいほどお天気
7.気ままな朝帰り
8.水平線にグレナディン
9.78
10.さまよいの果て波は寄せる
それにしても「悲しいほどお天気」とは良いタイトルですよねぇ。女性でなくても、ファンじゃなくても「なんかその気分わかるわ~」と納得してしまうタイトル。天才と言ってしまえばそれまでですが、詩人ってことなんでしょうねぇ。

このタイトル曲も素晴らしいのですが、このアルバムで聴くべき曲は何と言っても「DESTINY」でしょう。この歌詞はユーミンにしか書けないと思います。ちょっとスゴイ!

「YUMI MATSUTOYA CONCERT TOUR 2011 "Road Show」より

松任谷由実 DESTINY

「ジャコビニ彗星の日(The Story of Giacobini's Comet)」「影になって (We're All Free)」のように、このアルバムには英語のサブタイトルが付いています。
何故か?英語のタイトルが詩の内容を補っているようでもありますが、いやいや深読みは禁物。当時のユーミンは単にそんな気分だったという事でしょう。

時のないホテル

そしていよいよ80年代に突入!1980年6月「時のないホテル」リリース。このアルバムもまた「OLIVE」同様に提供曲、カバーされた曲が多く収録されています。「OLIVE」との違いはテーマが重く暗い!死に関わる楽曲もありますが、だからと言うわけでもなくヘビー!
が、「紅雀」のように地味な感じはしません。
時のないホテル

時のないホテル

1.セシルの週末
2.時のないホテル
3.ミス・ロンリー
4.雨に消えたいジョガー
5.ためらい
6.よそゆき顔で
7.5cmの向う岸
8.コンパートメント
9.水の影
このアルバム先述のとおり、暗いし重いです。それでも今となっては人気があるんですよね。不思議と言えば不思議、ユーミン・マジックですよ。

シングルになったのは「よそゆき顔で」です。但しこの曲、通算14枚目のシングル「ESPER」のB面です。このアルバムに「ESPER」を入れなかったのは、もしかするとポップ過ぎたのが原因なのかもしれません。アルバムの中では浮いてしまいそうですからね。「ESPER」イイ曲なんですけどねぇ。

「1982年ユーミン・ビジュアル Vol.2」より

松任谷由実「よそゆき顔で」

収録曲で注目すべきは「コンパートメント」です。コンパートメントとは個室型乗客席を指していてヨーロッパの列車にはよくあるのだそうです。
この曲のどこに注目すべきかと言うと、メインボーカルの使用音としては最高音にあたるF5(二点ヘ)が中間部に出てくるんですね。しかも7分16秒と、ユーミンのオリジナル曲では最長の演奏時間となっています。
あ、因みに、この曲のテーマは睡眠薬自殺です(重い)。

SURF&SNOW

同じようなアルバムばかり作っていたら飽きられてしまうと考えるのかもしれませんね。なので「紅雀」や「時のないホテル」のようなアルバムを作ってしまう。
で、「紅雀」の次のアルバムが「流線形'80」だったように「時のないホテル」の次は、お待たせしましたユーミン・ワールド全開の「SURF&SNOW」です。1980年12月のリリースでした。
SURF&SNOW

SURF&SNOW

1.彼から手をひいて
2.灼けたアイドル
3.人魚になりたい
4.まぶしい草野球
5.ワゴンに乗ってでかけよう
6.恋人がサンタクロース
7.シーズンオフの心には
8.サーフ天国,スキー天国
9.恋人と来ないで
10.雪だより
アルバムジャケットからも分かるように、幸せいっぱい、一家に一枚のハッピーなアルバムです。このアルバムからは一曲もシングルカットされなかったものの、「恋人がサンタクロース」や「サーフ天国、スキー天国」など、どの曲をシングルにしても良かったんじゃないのと思えるほど粒揃い!
でもまぁ、ここはやっぱり「恋人がサンタクロース」でしょうかね。知らない者はいない程、12月の定番ソングになってますよね。

なんかこの動画のユーミンはいつになくカワイイです。更に、2コーラス目から前面に出てくる高中正義も良い感じ!

恋人がサンタクロース

如何でしたか?これが売れなかった頃のユーミンってんですから恐れ入りますよねぇ。興業的には低迷期と言われつつも、10~20万枚は売れてたってんですからビックリですよねぇ。

結婚を期に荒井由実ブームが下火になりました。改名というのも影響あったでしょう。しかし、全盛期に比べると売り上げは大幅に減退したとはいえ、10~20万枚って普通だとヒットですからねぇ。なんの問題もない売上でも低迷と言われてしまうユーミン、恐るべしです。
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