70年代週刊少女コミックシリーズ第3弾☆竹宮 惠子作品に触れる
2016年5月30日 更新

70年代週刊少女コミックシリーズ第3弾☆竹宮 惠子作品に触れる

竹宮作品といえば特に『空が好き』『ファラオの墓』『風と木の詩』などをを思い浮かべます。安定した美しい絵柄なのに時々残酷な描写が衝撃的!でも目が離せない!少年誌で連載、コミック賞やTVアニメ化された『地球へ・・・』で知られる大御所漫画家・竹宮惠子の世界へいざないます。

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お待たせしました!
最後は「風と木の詩」いってみましょう!

風と木の詩

『風と木の詩』(かぜときのうた)は、竹宮惠子による日本の漫画作品。
1976年、『週刊少女コミック』(小学館)10号から連載開始。1982年7月号から、連載誌を『プチフラワー』(小学館)に変えて1984年6月号まで連載された。全2部構成。第25回(昭和54年度)小学館漫画賞少年少女部門受賞。
風と木の詩

風と木の詩

「風と木の詩」 主な登場人物

ジルベール・コクトー
14歳。オーギュスト・ボウとアンヌ・マリーとの間にできた不義の子。少女のように美しい妖艶な少年で多くの男達と破滅的な関係を持つが、それは叔父(実父)「オーギュ」の倒錯した愛に飢えてのことだった。しかしセルジュの献身的な愛に支えられ、オーギュ以外には閉ざしていた心を次第に開いていく。
セルジュ・バトゥール
14歳。子爵家の跡取りだった父・アスランと、ジプシーの血を引く高級娼婦だった母・パイヴァとの間に生まれる(この両親の立場は小デュマ『椿姫』から想を得ており、作中で当人達も『椿姫』に自分達をなぞらえている)。
父亡き後、父方の祖母に引き取られるも、ほどなく祖母も、その直前に母親も死去。後見人になった伯母リザベートはセルジュに愛情を持たなかった。
伯母の娘(セルジュにとっては従姉妹)のアンジェリンが顔に大火傷を負った事故をきっかけに、ラコンブラード学院に転入する。ジルベールの自虐的な行為に心を痛め、彼を救おうとする。
ピアニスト志望だった父の才を継いでおり、ピアノ演奏に才能を発揮する。
肌の色が母譲りの「とび色」の為、からかわれることも多い。
オーギュスト・ボウ
パリの高名な詩人でジルベールの叔父(本当は実父)、ジルベールからは「オーギュ」と呼ばれる。幼い頃コクトー家に養子に入る。コクトー家の実の息子(オーギュの義兄ペール)の奥小姓として育ち、義兄の結婚相手アンヌ・マリーとの間に不義の子ジルベールをもうける。倒錯した愛をジルベールに注ぎ、肉体関係によって息子を支配している。
セルジュの父アスランと同い年。ラコンブラード学院時代には生徒総監制度を創設。卒業以後も学院に多額の寄付をし、生徒総監達とつながりを持ち、裏の権力を行使する。ジルベールが学院でどんなにスキャンダラスな問題を起こしても退校処分とならないのはそのためである。
ボナール
パリの彫刻家でジルベールを愛する男色家。ジルベールを最初にレイプした男。
ルノー
ボナールの一番弟子。ボナールを好いていて、男色趣味を嫌う。ジルベールを愛するボナールへの嫉妬で、ジルベールと喧嘩をしたこともある。
パスカル・ビケ
セルジュとジルベールの同級生。「主席にならないと進級しない」という自身への戒めのせいで3回落第しているが、のちに学年首席になり飛び級に成功する。セルジュの友。最後までセルジュとジルベールを見守った。
カール・マイセ
セルジュとジルベールの同級生でB級監督生。寮生ではなく街の下宿から通っているセルジュの友人。心配性で真面目な人柄。セルジュに好意を寄せている。後に神学校に進学する。
パトリシア
通称「パット」。パスカルの妹。セルジュに好意を持つ。お互いに良き理解者。
アンジェリン・カーライル・マディソン
セルジュの伯母リザベートの娘(セルジュにとっては従姉妹)。セルジュに恋心を抱き続けていたが、セルジュとジルベールの関係を知って離れる。後にオーギュストの策略で婚約するが、破棄される。
アリオーナ・ロスマリネ
生徒総監であり、学院の中で絶対的な権力を持つ。白い王子と呼ばれている。成績は常にトップ。北欧貴族の血を引いている。オーギュストの遠い従兄弟。潔癖症でドアノブなどをハンカチ越しにしか触れない。原因はオーギュストにあるらしいのだが…。
ジュール・ド・フェリィ
A級監督生。家柄ではロスマリネ家より上だが、没落貴族。そのため学費と母親の生活費をロスマリネ家に頼っている。ロスマリネとは特別な関係がある。以前は学園一の不良で、今でもジュールの名を出せば不良達は逃げ出すほど。
風と木の詩――名言bot(@kazeki_meigen)さん | Twitter (1667196)

「風と木の詩」 ストーリー(概要)

<本編>

ラコンブラード学院に転校してきた
半ジプシーの少年セルジュ・バトゥール子爵
亡き父の母校に転校してきた彼は
学院の有名人ジルベール・コクトーと同室になる

彼は娼婦・小悪魔・問題児と呼ばれており
学院内に多くの愛人を抱えていた

先入観がなく真っ直ぐな性格のセルジュは
ジルベールとうち解けようとするが
エロスの体現の如きジルは連日のように学生と関係をもち
次々とトラブルを引き起こす

彼に誘惑され未知の領域に戸惑う健全なセルジュ

激しく相手を求め抱かれることで孤独を埋め
体で相手を推し量るジルベールであったが実は
その心は一人の人間に縛られていた(~中略)

過去編>

貿易商・コクトー家の息子の稚児目的で
養子として引き取られたオーギュスト・ボウ

荒んだ大人になり久々にマルセイユの家に帰ってきた彼は
全く野生のまま育ち人間らしい教育を受けていない
5歳の子供と出会う

自分が義兄の嫁と不倫した際生まれた子供
それがジルベールであった

親の愛情を知らず無垢なまま育ったジルを
オーギュは自分の言いなりになる生き物として
実験的に育てようとする (~中略)
shaberiba 風と木の詩  全17巻  竹宮恵子 (1667207)

「風と木の詩」 お蔵入り!?

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小学館漫画賞少年少女部門受賞に輝いたこちら「風と木の詩」。

「地球(テラ)へ・・・」とともに竹宮惠子氏の代表作ともなった作品ですが、実はこちらの作品は、(先ほどの「ファラオの墓」でもチラッと触れましたが)1970年ごろからすでに物語の構想ができており、当時としては少女誌にあのような性的描写を表現すること自体が懸念され、なかなか実現が難しかったそうです。
 (1667210)

そのかなりの年数というのは実現されるのに7年はかかったそうですが、その間、竹宮先生がずっと暖めてきた「風と木の詩」(タイトルもすでに決めておられたとか)はお蔵入り状態にあったわけです。
しかし竹宮先生キャラクターたちをこのまま閉じ込めてなるものか!といわんばかりに
いかにして努力されたか・・・見事輝かしい賞をとられるまでに至ったのです・・・!


よくぞ頑張ってくれました!でなければジルベールにもセルジュにも会えなかったもんね♡

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「風と木の詩」 ファンの声

初めてこの本を偶然に手にした35年前、読み始めて胸がどきどきして
悪い事をしているような気がして隠れて読んでいたのを憶えている。
ここから私の腐の歴史が始まったと言っても過言ではない。
この時代にこんなに大胆に性を描くことが許されていたなんて・・・
それも同性愛。今にして思えばすごいことだ。
少女時代に読んだのですが、あらすじ話したら娘が読みたいと言うので買いました。大人視点で読みなおすと改めて人の心の傷について、育児や教育について深く考えさせられる名作だと思います。文芸作品や至高の音楽のようなうつくしい作品です。
読む前は煩悩や美少年への羨望にまかせて描かれた話だと思ってたけど、全然違った。様々な事象や状況が重なりまくって少年同士が結ばれてしまう、思春期の大迷走。自由な恋愛は何処まで許されるのか。自由であることは幸せなのか。
正直筆者はBLモノは苦手です。
ちょっと理解しがたいかな・・・と思っていました。
当時の「風と木の詩」の存在は知っていてもあえて読みたいというところまでは至らず、
竹宮作品に触れるにあたって正直今、初めて読みました。

カルチャーショックに近いものを感じました。キレイですね。絵が、容姿がキレイという意味とはまた違って、どろどろした部分や異様なまでの欲望も皆含めてその世界観がすべて美しく芸術作品だと思います。
理解しようとするのではなく、自然に任せると不思議にスッと入れました。
セルジュの気持ちに入り込んでいるんです。ノーマルゆえに?(笑)


後半のくだりは読むのがつらくなるほど、それでいて最後まで読まずにはいられないほどの引き込まれようは完全に参りました。感動しました・・・!

少女のころに読んでいたらどう感じていたんだろう!?

人の心の奥の触れてはいけないヒダにフッと触れてしまったような感覚・・・の物語だと思います。

深いです。

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風と木の詩 -竹宮惠子の電子書籍・漫画(コミック)を無料で試し読み[巻]。美しい少年ジルベールはラコンブラード学園内で多くの男たちと関係を持つ。そこにセルジュが学園に転入しジルベールと同室になる。セルジュの愛によってジルベールの心は開いていく。2人の切ない愛はどうなっていくのか…?少年愛のテーマを竹宮惠子先生が描きます。
まずはじっくり無料で読んでみて!
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