石森「リュウ三部作」最終作
「番長惑星」は石森章太郎(のちに石ノ森章太郎)の、誰が呼んだか(いや、石森氏とか編集とか送り手だと思いますけどね、、f^^;)「リュウ三部作」。「リュウの道」(69年)、「原始少年リュウ」(71年)に続く、最後を飾る作品です。
リュウ三部作はいずれも「リュウ」という名の少年を主人公とする以外はとくに共通点は、、主人公リュウが新たな世界へ新たな(別な)「人類」と邂逅する物語とはいえましょうか。
リュウの道は未来を、原始少年リュウは太古を、今作「番長惑星」は現代を舞台(の端緒)としています。
リュウ三部作はいずれも「リュウ」という名の少年を主人公とする以外はとくに共通点は、、主人公リュウが新たな世界へ新たな(別な)「人類」と邂逅する物語とはいえましょうか。
リュウの道は未来を、原始少年リュウは太古を、今作「番長惑星」は現代を舞台(の端緒)としています。
掲載情報
秋田書店「少年チャンピオン」1975年2号~1976年5・6号
単行本は全5巻。75年から翌76年に刊行されています。
少しの違いが大違い、平行世界(パラレルワールド)の物語
物語の舞台は、いま私たちが暮らしてる宇宙、地球の日本の、平行世界(パラレルワールド)です。
平行世界とは、世界(宇宙)は私たちが生きるこの世界ひとつではなく、ほんの少しづつ異なった世界が、ふつうは交わることなくまるで平行にあるかのように無数に存在している、という考えです。
たとえば、この世界の交わらないほんの“隣り”には、この世界では男性の私が女性である以外はすべて同様の世界があるかも知れない、という訳です。そしてその隣りには隣りからほんの少し異なった隣りの隣りの世界が、その隣りには、、という具合です。
平行世界とは、世界(宇宙)は私たちが生きるこの世界ひとつではなく、ほんの少しづつ異なった世界が、ふつうは交わることなくまるで平行にあるかのように無数に存在している、という考えです。
たとえば、この世界の交わらないほんの“隣り”には、この世界では男性の私が女性である以外はすべて同様の世界があるかも知れない、という訳です。そしてその隣りには隣りからほんの少し異なった隣りの隣りの世界が、その隣りには、、という具合です。
“二人力”の少年リュウ
主人公リュウ(等々力竜)は、大勢を相手にも怯まず存分に闘える腕っ節をもともと持っていた中学生ですが、平行世界に入り込んで帰れなくなり、しかも、こちらの世界のリュウとあちらの世界のリュウがひとつになったために、超人的パワーを手に入れた存在となるのでした。
ストーリー
けんかに明け暮れていたリュウは、あるとき多数の相手に襲われ、稲荷の後ろの木のうろに逃げ込んだ。うろは深く、中に落ち込んだリュウは落ちる自分と登ってくる自分が衝突するような、不思議な感覚に襲われた。うろから出てきたリュウは、その世界がもはや自分の見知った世界ではないことを知る。警官はすべてロボットであり、夜間出歩いているものは殺されてしまう。力と金が正義であり、殺人すら許可されている。
翌日、学校でハカセに相談をすると、似ているが違う世界、「パラレルワールド」に迷い込んだのではと説明される。しかも、二つの世界のリュウがひとつの体に入ってしまったらしく、超人的な力が出せるのだった。うろを再び落ちてみても、元の世界に戻ることはできなかった。
この世界で生き延びるために仲間を集め始めるリュウ。二つの世界の謎を探るうちに、リュウたちは次元の間にまたがる巨大な陰謀を知ることになっていくのだった。
「世界」を変える仲間 その1
最初に出会う仲間〜 バクダン
平行世界をハカセと社会見学していたリュウは、警察に追われる少年と出会います。
伴太郎、通称バクダン。仕事でわずかに出歩くことを禁止された「夜間」に入ってしまった父を撃ち殺され、ダイナマイトでパトカーを爆破して“復讐”したということでロボット警官に追われていたのです。捕まれば犯罪者として射殺。それがこの世界での法律なのです。
「たったそれだけのことで!?/—気にくわねえ!!」。リュウはバクダンを守ることを誓います。
伴太郎、通称バクダン。仕事でわずかに出歩くことを禁止された「夜間」に入ってしまった父を撃ち殺され、ダイナマイトでパトカーを爆破して“復讐”したということでロボット警官に追われていたのです。捕まれば犯罪者として射殺。それがこの世界での法律なのです。
「たったそれだけのことで!?/—気にくわねえ!!」。リュウはバクダンを守ることを誓います。
第1巻表紙に使われた画
主人公、リュウ(等々力竜)