プロ野球が生んだ流行語:メークドラマ・新人類・鉄人・イチロー・がんばろうKOBEほか
2016年11月26日 更新

プロ野球が生んだ流行語:メークドラマ・新人類・鉄人・イチロー・がんばろうKOBEほか

流行語大賞は、その年に流行った言葉などから選ばれますが、その中でも、プロ野球から生まれた流行語を振り返ってみましょう。

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『メークドラマ』(1996年の流行語大賞) 奇跡の逆転V。第二次長嶋巨人が首位広島から最大10ゲーム差を覆し優勝を果たした伝説。

長嶋茂雄監督のメークドラマ発言「松井が40本打つような...

長嶋茂雄監督のメークドラマ発言「松井が40本打つようなミラクルが起こる。2年越しのメークドラマが実現するでしょう」

7月6日には首位との差が11.5ゲームとなり、逆転優勝は無理かと思われた。

しかし、7月中旬から驚異的な快進撃を見せる長嶋巨人。

7月16日、中日戦の試合前にホームラン20号を達成した松井に期待し、メークドラマ発言をした。
メークドラマ、メイクドラマ(MAKE DRAMA)とは、長嶋茂雄による造語(和製英語)である。

日本プロ野球の読売ジャイアンツ(巨人軍)が「ペナントレースで大逆転を演じる」という意味合いの言葉で、1995年、1996年に盛んに使用された。その後、メークミラクル、メークレジェンド、メークヒストリー、リメークドラマ等の造語が派生した。
1996年7月16日、ホームラン20号を達成した松井選...

1996年7月16日、ホームラン20号を達成した松井選手。この時から逆転勝利にかけるメークドラマが始まった。

1996年、この年のシーズンは中盤まで首位が広島東洋カープで、巨人は首位に最大11.5ゲーム差をつけられていた。しかし、11ゲーム差で迎えた7月9日の対広島東洋カープ戦(札幌市円山球場)で、2回二死走者なしから9者連続安打で一挙7点を奪って勝ったのを機に、巨人の快進撃が始まった。

7月16日の対中日ドラゴンズ戦でチーム40勝を達成、その後もゲーム差を縮めていき、100試合目で首位に立った。10月6日の対中日ドラゴンズ25回戦(ナゴヤ球場。これが同球場での最後の公式戦であった)で勝利し、巨人のリーグ優勝が決まった。11.5ゲーム差をひっくり返し、ここに「メークドラマ」が完成した。

同年の日本シリーズ(対オリックス・ブルーウェーブ戦)では1勝4敗で敗退したものの、「メークドラマ」はこの年の新語・流行語大賞の年間大賞にも選ばれ、巨人の大逆転を表す言葉として以後定着することとなる。

1996年  巨人優勝 メークドラマ

奇跡の逆転優勝!「メークドラマ」が完成

奇跡の逆転優勝!「メークドラマ」が完成

10月6日の対中日ドラゴンズ25回戦(ナゴヤ球場。これが同球場での最後の公式戦であった)で勝利し、巨人のリーグ優勝が決まった。11.5ゲーム差をひっくり返し、ここに「メークドラマ」が完成した。
このとき、メークドラマの屈辱を味わった男たちが、今の強...

このとき、メークドラマの屈辱を味わった男たちが、今の強い広島カープを支えている。

巨人のメークドラマを目に焼き付け、悔し涙に暮れた男達は…時を経た今、その多くが同じベンチやファームで選手達を見守っている。

「ファンの皆さま本当に日本一、おめでとうございます」(2001年語録賞)(ヤクルト・若松勉)

若松勉監督「ファンの皆様、本当にあの〜、あの…、おめで...

若松勉監督「ファンの皆様、本当にあの〜、あの…、おめでとうございます」 

場内は大爆笑に包まれて和やかなムードになる。

本当は「ファンの皆様、ありがとうございます」と言うつもりだった。

若松勉監督「ファンの皆様、本当にあの〜、あの…、おめでとうございます」 2001年ヤクルトスワローズ優勝 

若松勉監督の生真面目で実直な人柄、純粋な人柄が強く映し出されています。
若松の口下手で実直な人柄を最も印象づけたのが、2001年10月に監督として初のリーグ優勝を達成した際のインタビューで発した「ファンの皆様、本当にあの〜、あの…、おめでとうございます」という一言(本当は「ファンの皆様、ありがとうございます」と言うつもりだった)であるが、むしろ場内は大爆笑に包まれて和やかなムードになり、同年の流行語大賞の語録賞に選ばれた(2015年のヤクルトのリーグおよびクライマックスシリーズ優勝時、2001年優勝メンバーでもあった監督の真中満はインタビューの際にこの言葉を再度使用した)。

ヤクルトスワローズ 若松監督 胴上げ宙返り ファンのみなさんおめでとうございます。

人柄は温厚で腰が低く、誰に対しても礼儀正しく接するため、年俸交渉でも球団と揉めることがほとんどなかった。

現役引退を発表した記者会見では終始涙ながらの会見となり、発言内容よりも号泣する若松にその純粋な人柄が強く映し出され、非常に印象深いものとなった。

現役引退後にヤクルトの打撃コーチや二軍監督を務めた頃は、生真面目な性格のためか選手やチームのことを考えすぎてストレスで胃を壊したり、腰痛に悩まされることも多かった。

一軍監督時代には、シーズン終盤になってようやく当年初の一軍昇格を果たした選手に対して「遅くなってごめんな」と声を掛けてしまい、一軍チーフコーチの渡辺進から「もっと毅然と接しないと」と窘められたこともあった。

また監督時代には自前の戦力が中心ながらその隙間を埋めるような形でトレードを行っていたが、いずれも球団主導で、若松自身は監督退任後に「私は誰も、チームからは出したくなかった」と明らかにしている。

「新人類」(1986年流行語部門・金賞)(西武・清原和博、工藤公康、渡辺久信)

オシャレなエース「渡辺久信」

オシャレなエース「渡辺久信」

1年目から一軍に定着し、快速球とフォークを武器に3年目の1986年は最多勝、最多奪三振の二冠となった。

1988年、1990年も最多勝となるなど、東尾修・工藤公康・郭泰源・松沼博久らとともに西武黄金時代の柱としてチームを支えた。
西武黄金時代の柱としてチームを支えた。

西武黄金時代の柱としてチームを支えた。

「新人類」と呼ばれた人物

野球界では、当時の西武ライオンズの選手が、ファッションや言動などこれまでの球界の常識を打ち破り、当時在籍していた工藤公康、渡辺久信、清原和博が代表的な存在。
アイドル顔負けの人気を誇った「工藤公康」

アイドル顔負けの人気を誇った「工藤公康」

1985年からは本格的に先発に転向した。この年は8勝3敗ながら、初タイトルとなる最優秀防御率を獲得。

1986年はプロ初となる2桁勝利となる11勝を挙げた。また完投数も10を記録した。日本シリーズでは西武が第1戦を引き分けた後3連敗で迎えた第5戦の延長12回、投手である工藤がサヨナラ安打を記録した。その後西武は息を吹き返し4連勝で日本一。1勝2Sを挙げた工藤はシリーズMVPに選ばれた。

1987年は15勝を挙げたほか、シーズン最多の23完投を記録し、2度目となる最優秀防御率、最高勝率とベストナインのタイトルも合わせて獲得。しかし、この年のMVPは優勝争いの後半戦に9勝1敗と活躍した東尾修が選出された。

それでも、この年の日本シリーズでは巨人相手に1完封を含む2勝1Sで前年に続き2年連続MVPを受賞し、名実共にパリーグを代表する左投手となる。
西武・工藤公康&渡辺久信のバブル時代。ダブルエースの二人。

西武・工藤公康&渡辺久信のバブル時代。ダブルエースの二人。

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