カッコよすぎ!詐欺師をこんなにも格調高くスタイリッシュに描き出した映画「スティング」
2017年7月8日 更新

カッコよすぎ!詐欺師をこんなにも格調高くスタイリッシュに描き出した映画「スティング」

1936年のシカゴを舞台にした映画「スティング」。主人公はなんと詐欺師です。この詐欺師たちが詐欺師を詐欺にかけるという何とも詐欺な映画です。どんでん返しの連続に目を離すことができないエンターテインメントそのものといった感じの映画で、アカデミー賞を7部門も獲得している名作中の名作です。

4,787 view

スティング

ハリウッド史上おそらく最高の詐欺師映画がこれ、「スティング」です。
 (1885600)

監督:ジョージ・ロイ・ヒル
脚本:デヴィッド・S・ウォード
製作:リチャード・D・ザナック、トニー・ビル、マイケル・フィリップス、ジュリア・フィリップス
出演者:ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、ロバート・ショウ、チャールズ・ダーニング
音楽:スコット・ジョプリン。マーヴィン・ハムリッシュ
撮影:ロバート・サーティース
編集:ウィリアム・レイノルズ
公開:1973年
上映時間:129分
1973年に公開されたアメリカ映画「スティング」は、第46回アカデミー賞において10部門にノミネートされ、作品賞をはじめとして監督賞、脚本賞、編集賞、美術商、衣装デザイン賞、音楽賞の7部門を受賞した傑作です。
 (1889768)

舞台は1936年のシカゴ。
登場人物のスタイリッシュなファッションも必見ですよ。
監督はジョージ・ロイ・ヒル、主演はロバート・レッドフォードとポール・ニューマンの2人。これは、1969年に公開されやはり大成功を収めたアメリカン・ニューシネマの代表作「明日に向って撃て!」と同じですね。当然公開前から期待されていたことが想像できます。
そして、その期待に「スティング」は見事に応えました。

The Sting - Trailer

予告編
そもそも詐欺師を主人公にした映画を作るという発想が素晴らしいですね。映画の中に出てくる詐欺は本格的で、言語学者のデヴィッド・W・モラーが詐欺師の手法を集めた著作「詐欺師入門―騙しの天才たち:その華麗なる手口」に基づいていいるのだそうです。
エンターテインメントでありながらもリアリティがあるのはそのためでしょう。

また、ポール・ニューマンが演じるゴンドーフという男の名前は20世紀初期に実在した詐欺師たちの名前に因んで付けられたという徹底ぶりです。
フッカーとゴンドーフ

フッカーとゴンドーフ

ジョニー・フッカー役のロバート・レッドフォード(左)と
ヘンリー・ゴンドーフ役のポール・ニューマン
映画は「The Players - "プレイヤーたち"」「The Set-Up - "段取り"」「The Hook - "引っ掛け"」「The Tale - "作り話"」「The Wire - "電信屋"」「The Shut Out - "締め出し"」「The Sting - "とどめの一撃"」の7つの章から出来ています。

The Players - "プレイヤーたち"

あらすじをご紹介しようと思うのですが、「スティング」は詐欺がテーマとなっていることで種が分かってしまうと、この映画の面白さが半減してしまうかもしれません。実際には、そのくらいのことではこの映画の魅力がなくなることなどないのですが、どんでん返しの連続ですのでストーリーの詳細は観てからのお楽しみです。

映画は、フッカーがルーサーと組んである男を詐欺にかけ金を奪うことに成功します。ところがその男はドイル・ロネガンという大物ギャングの部下だったため2人は命を狙われることになるというエピソードの第1章「プレイヤーたち」からはじまります。

それでは、この映画を演じた"プレイヤーたち"をご紹介します。
ジョージ・ロイ・ヒル

ジョージ・ロイ・ヒル

生年月日:1922年12月20日
没年月日:2002年12月27日(満80歳没)
監督は、嫌味のない、後味の良い爽やかな印象を与える映画を多く撮ったジョージ・ロイ・ヒルです。ロバート・レッドフォードとはこの後、3度「華麗なるヒコーキ野郎」で組んでいますし、ポール・ニューマンとも「スラップ・ショット」で3度目のコンビを組んでいます。この2人とはよほど相性が良かったのでしょうね。他にも「リトル・ロマンス」や「ガープの世界」などを監督しています。
ポール・ニューマン

ポール・ニューマン

本名:ポール・レナード・ニューマン
生年月日:1925年1月26日
没年月日:2008年9月26日(満83歳没)
活動期間:1954年 - 2007年
主役のポール・ニューマンですが、今さら説明の必要はないでしょう!アメリカを代表する俳優のひとりです。残念ながら肺がんのため2008年9月26日に83歳で亡くなっています。

そして、もう1人の主役、ロバート・レッドフォードですね。
ロバート・レッドフォード

ロバート・レッドフォード

本名:Charles Robert Redford Jr.
生年月日:1936年8月18日
活動期間:1959年 -
こちらも説明の必要はないでしょうね。このアメリカの映画界を代表する2人の素晴らしい演技によって詐欺師という特殊なテーマにも関わらず、「スティング」は格調高いものになっていると思います。

そして、これまた素晴らしい演技をみせてくれたのが、ギャングのボス「ドイル・ロネガン」を演じたロバート・ショウです。なんというか、最高の悪役です。
ロバート・ショウ

ロバート・ショウ

本名:ロバート・アーチボルド・ショウ
生年月日:1927年8月9日
没年月日:1978年8月28日(満51歳没)
撮影当時、ロバート・ショウは足首を負傷していたのだそうです。そのためにロネガンは足を引きずって歩く人物という設定になったと言われていますが、これが素晴らしいです!とても印象的な悪役となっています。
33 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

【PR】映画「スティング」をフルで無料視聴できる動画配信サービスを比較!

【PR】映画「スティング」をフルで無料視聴できる動画配信サービスを比較!

『スティング』は、1973年公開のアメリカの犯罪コメディ映画。監督はジョージ・ロイ・ヒル。アメリカン・ニューシネマの代表作『明日に向って撃て!』で共演したポール・ニューマンとロバート・レッドフォードが再共演を果たしたこの作品を無料視聴できる動画配信サービスをご紹介します。
どれもこれも一生もの。ジョージ・ロイ・ヒルの名作映画。

どれもこれも一生もの。ジョージ・ロイ・ヒルの名作映画。

ジョージ・ロイ・ヒルの監督作品はシリアスになり過ぎない。どの作品にもコメディの要素が入っているというのが大きな特徴でしょう。なので後味が良い!もう、単純に楽しい作品ばかりなんです。そして心に残る。70年代に公開された、まさに一生ものの作品をぜひ観てみてください。
obladioblada | 695 view
【スティング】第46回(1974年度)アカデミー賞を振り返る!【ジャック・レモン】

【スティング】第46回(1974年度)アカデミー賞を振り返る!【ジャック・レモン】

1974年と言えば、セブン-イレブン第1号店が出店された年。 伊豆半島沖地震や七夕豪雨、阿蘇山噴火など自然災害の多い年でもあった。そんな1974年のアカデミー賞を振り返ってみよう。
もこ | 544 view
【プラトーン】第59回(1987年度)アカデミー賞を振り返る!【ポール・ニューマン】

【プラトーン】第59回(1987年度)アカデミー賞を振り返る!【ポール・ニューマン】

1987年と言えば、最初の携帯電話が発売された年。 国鉄が分割・民営化され、JRグループ7社が発足するなど新しい時代への転換期とも言える年であった。そんな1987年のアカデミー賞を振り返ってみよう。
もこ | 1,050 view
【普通の人々】第53回(1981年度)アカデミー賞を振り返る!【ロバート・デ・ニーロ 】

【普通の人々】第53回(1981年度)アカデミー賞を振り返る!【ロバート・デ・ニーロ 】

1981年と言えば、ダイアナ妃がチャールズ王子と結婚した年。初のスペースシャトル、コロンビアが打ち上げされた年でもあった。そんな1981年のアカデミー賞を振り返ってみよう。
もこ | 883 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト