『修羅の門』とは?
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『修羅の門』(しゅらのもん)は、川原正敏による日本の漫画作品。千年に亘り不敗を誇るとされる架空の古武術・陸奥圓明流の継承者である陸奥九十九(むつ つくも)を主人公とし、陸奥圓明流が地上最強であることを証明するため、彼が様々な強敵達と戦う様を描く格闘漫画。
九十九、ヘビー級のリングに立つ
テディ・ビンセントの助力もあって、ようやくアメリカでヘビー級のリングに立つ九十九。
しかし、軽量級である九十九とヘビー級のプロボクサーとの対戦がそうも簡単に認められるわけがありません。公式試合としては認められず、あくまでエキシビジョンマッチとして実戦経験を踏む必要がありました。
しかし、軽量級である九十九とヘビー級のプロボクサーとの対戦がそうも簡単に認められるわけがありません。公式試合としては認められず、あくまでエキシビジョンマッチとして実戦経験を踏む必要がありました。
ヘビー級のボクサーと対戦してみると、体格とパワーの差は明らか。その圧倒的なパワーに振り回されてしまう九十九でしたが、ここで陸奥圓明流の新たな拳技がさく裂します。
右拳を頭の上に乗せ、相手の懐に入ると全身の力をつかって、頭ごと右拳を突き上げるというもの。九十九が『陸奥圓明流・浮嶽』と技名を告げると、対戦相手はノックダウンしてリングに倒れていました。驚くべきは富嶽の破壊力で、頭と一緒に突き上げた拳は対戦相手の顎を砕いており、見るも無残な姿だったことです。
右拳を頭の上に乗せ、相手の懐に入ると全身の力をつかって、頭ごと右拳を突き上げるというもの。九十九が『陸奥圓明流・浮嶽』と技名を告げると、対戦相手はノックダウンしてリングに倒れていました。驚くべきは富嶽の破壊力で、頭と一緒に突き上げた拳は対戦相手の顎を砕いており、見るも無残な姿だったことです。
シューレスニンジャボーイ
九十九はプロボクシングのリングには上がっているものの、ボクサーとして戦っているのではありません。ハーフパンツにシューズといったボクサーらしい格好はせず、上半身は裸ですが、下半身は道着を着用してシューズは履かずに裸足といった姿でリングに上がっていました。
その特徴的なスタイルから、シューレスニンジャボーイと呼ばれ、九十九のファンになるアメリカ人も少なくありませんでした。こうして少しずつ人気を獲得して、九十九の存在はアメリカのボクシング界でも知られるようになっていきます。
ヘビー級・統一王座決定戦
エザードはこれまで圧倒的に強い世界チャンピオンを育てあげてきましたが、その中でも、アリオスはキングオブキングス(王様の中の王様)になれるほどの逸材と言っていたそうです。残念ながらエザードは亡くなってしまい、プロボクサーとして単身デビューしたばかりだったアリオスは無名のボクサーという扱いだったのです。
しかし、ボブ・キングという敏腕プロモーターと手を組んだアリオスは世界チャンピオンまで最短距離を進もうとします。
そんなボブ・キングが発表したのは、ヘビー級の統一王座決定戦。アリオスがヘビー級の世界チャンピオンになるための最速ルートを敷いたのでした。
これをチャンスと捉えた九十九たちは、統一王座決定戦に出場したいと試行錯誤しますが、ボブ・キングは首を縦に振らず、アリオスとの対戦は暗礁に乗り上げてしまいます。
しかし、ボブ・キングという敏腕プロモーターと手を組んだアリオスは世界チャンピオンまで最短距離を進もうとします。
そんなボブ・キングが発表したのは、ヘビー級の統一王座決定戦。アリオスがヘビー級の世界チャンピオンになるための最速ルートを敷いたのでした。
これをチャンスと捉えた九十九たちは、統一王座決定戦に出場したいと試行錯誤しますが、ボブ・キングは首を縦に振らず、アリオスとの対戦は暗礁に乗り上げてしまいます。
ある少女との出会い
そんなある日、九十九は暴漢に追いかけられている女の子に出くわします。放っておけるはずもなく、九十九はその女の子を助けるのですが、その娘はわがままな性格をしており、公園の出店で売られていたホットドッグを食べたいと言います。
お人好しの九十九はわがままを聞き、その娘の分のフランクフルトを買うと、娘は九十九に「自分は食べないの?」と聞いてくるのでした。その言葉に九十九は「俺は好きじゃない」と返すと、娘は「ホットドッグはイルカやクジラの肉じゃないから?」と日本人である九十九のことを責めるように文句を並べます。
襲われているところを助けてあげたはずなのに、こんな目にあって可哀想ですよね。
九十九は娘の言葉に対し、「お前が食べているそれだって、豚の肉じゃないのか?」と言います。すると娘は、「イルカやクジラは賢くてお友達になれる」「豚はいくらでも増やせる」と返してくるではありませんか。
九十九は「豚さんはお友達にしてもらえないのか…」とさみしそうな表情をして、さらに「俺だったらイルカやクジラになりたい」と言います。そして、「豚はそれまでお友達だと思っていた人間に殺されてしまう…豚にしていることのほうが、よほど可哀想だと思う」「イルカやクジラは捕まるまで自由に海を泳いでいたんだ…俺なら戦って敗れたい」「両者には決定的な違いがある…それは戦うチャンスがあるもの、戦うチャンスすらないもの」「俺はこの差はでかいと思う」と続けると、娘も負けずに言い返そうとします。
しかし、このタイミングで娘のボディーガードと思われる人物がやってきて、心配そうに駆け寄ってくるのでした。じつは、この女の子はボディーガードがつくほどのお嬢様だったという結末で、二人の言い合いはここで終わります。
襲われているところを助けてあげたはずなのに、こんな目にあって可哀想ですよね。
九十九は娘の言葉に対し、「お前が食べているそれだって、豚の肉じゃないのか?」と言います。すると娘は、「イルカやクジラは賢くてお友達になれる」「豚はいくらでも増やせる」と返してくるではありませんか。
九十九は「豚さんはお友達にしてもらえないのか…」とさみしそうな表情をして、さらに「俺だったらイルカやクジラになりたい」と言います。そして、「豚はそれまでお友達だと思っていた人間に殺されてしまう…豚にしていることのほうが、よほど可哀想だと思う」「イルカやクジラは捕まるまで自由に海を泳いでいたんだ…俺なら戦って敗れたい」「両者には決定的な違いがある…それは戦うチャンスがあるもの、戦うチャンスすらないもの」「俺はこの差はでかいと思う」と続けると、娘も負けずに言い返そうとします。
しかし、このタイミングで娘のボディーガードと思われる人物がやってきて、心配そうに駆け寄ってくるのでした。じつは、この女の子はボディーガードがつくほどのお嬢様だったという結末で、二人の言い合いはここで終わります。
エドワード・ヒューズとの対談
暴漢から助けてあげ、さらにはホットドッグまでご馳走してあげたのは、世界一の大富豪と呼ばれるエドワード・ヒューズの孫娘でした。後日、お礼に食事をご馳走したいと誘いを受け、九十九とテディはヒューズの豪邸に参上するのでした。
ヒューズは孫娘のわがままさを九十九に詫びると、先日の九十九と孫娘の会話を確認するような口ぶりで話し始めます。孫娘の名前はフローレンスで、生まれつき心臓を患っていると言います。しかし、そんなに治すことは難しいことではなく、簡単な手術で完治するそうです。ただ、フローレンスは怖がっていて、手術を受けたがらないみたいです。
ヒューズは九十九のことも事前に調べていて、シューレスニンジャボーイとして人気のあるボクサーであること、さらにはヘビー級・統一王座決定戦への出場を希望していることも知っていました。そこで、ヘビー級・統一王座決定戦に出場させる代わりに、アリオスや並みいる強豪たちに打ち勝ち、フローレンスに手術を受けるための勇気を与えてやってほしいと言うではありませんか。
ヒューズは九十九のことも事前に調べていて、シューレスニンジャボーイとして人気のあるボクサーであること、さらにはヘビー級・統一王座決定戦への出場を希望していることも知っていました。そこで、ヘビー級・統一王座決定戦に出場させる代わりに、アリオスや並みいる強豪たちに打ち勝ち、フローレンスに手術を受けるための勇気を与えてやってほしいと言うではありませんか。
作者 :川原正敏
掲載誌:少年月刊マガジン
発表号:1987年5月号
~1996年12月号
巻数 :全31巻