伝説のフォークシンガー「遠藤賢司」死去。
「カレーライス」などのヒット曲で知られるシンガー・ソングライターの遠藤賢司が10月25日、東京都内の病院で死去しました。昨年6月に胃がんを公表し、闘病中でした。享年70。公式サイトにて、訃報が伝えられています。
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闘病しながら音楽活動を継続
公式サイトによれば、遠藤賢司は闘病を続けながら音楽活動を続けており、新曲のレコーディングに向け体調を整えていたとのこと。10月19日に大阪でライブを開催する予定でしたが、体調不良のため中止となり、このライブの振替公演を望んでいましたが、叶いませんでした。
葬儀について
葬儀については、「葬儀は本人の意向を尊重し家族だけで執り行い、年明けには、音楽葬を行う予定です。」とのこと。詳細については公式サイトで今後発表される予定となっています。
伝説のフォークシンガー「エンケン」とは?
知る人ぞ知る伝説のフォークシンガー「遠藤賢司」。1960年代後半から中津川フォークジャンボリーなどに出演して頭角を現し、日本語ロックの祖と呼ばれる「はっぴいえんど」や伝説のカルトGS「ジャックス」、フォークの神様「岡林信康」といった後世に語り継がれるミュージシャンと交流し数多くの名作を世に送り出しました。
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フォークというジャンルが一世を風靡していた70年代、岡林信康を輩出したURC、吉田拓郎を輩出したエレックと共に「3大フォークレーベル」と呼ばれていたのが「ベルウッド」です。遠藤賢司以外にも、高田渡、小室等、あがた森魚といったミュージシャンの作品を世に送り出し、後にフォークの名盤と呼ばれるレコードを多数輩出しました。
ファーストアルバム「niyago」
1970年に発売されたファーストアルバム「niyago」。当時はフォークと言えば「社会派フォーク」だったのですが、その中でこの作品は「自己の内面を突き詰める」ような作風であり、当時のフォークの中では良い意味で「浮いた」存在でした。デビュー直前のはっぴいえんどもレコーディングに参加しています。
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セカンドアルバム「満足できるかな」
1971年に発売された「満足できるかな」。ファースト同様に、はっぴいえんどのメンバーが参加しています。ヒット曲「カレーライス」が収録されているだけでなく、ザ・タイガースの「シーサイド・バウンド」を引用した楽曲や、ジャグバンド風の楽曲も収録されており、「日本のニール・ヤング」とも呼ぶべき作品に仕上がっています。
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遠藤賢司~カレーライス
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「宇宙防衛軍」
1980年に発表された「宇宙防衛軍」。伝説のプログレバンド「四人囃子」に加え、「一風堂」で有名な土屋昌巳がレコーディングに参加しています。この頃になると、フォークという枠にとらわれずテクノ、パンク、ハードロックといった様々なジャンルの音楽をどん欲に吸収しており、このアルバムではSF・アニメ的な世界観が全面的に展開されています。