NTT、KDDI、ソフトバンクの通信キャリア3社の歴史を知る。PHSやガラケーからスマホへ、その歩みがこれで分かります。
2020年9月29日 更新

NTT、KDDI、ソフトバンクの通信キャリア3社の歴史を知る。PHSやガラケーからスマホへ、その歩みがこれで分かります。

1990年代以降、日常生活に大きく入り込んできた「ケータイ」。すでに20年以上も慣れ親しんでケータイには、通信キャリア大手3社をはじめとする大きな動きが常にありました。今やスマホが当たり前の世の中ですが、そこに至るまでのケータイやPHSの歴史をまとめてみました。

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1986.3 東京通信ネットワーク(TTNet)

東京電力・三井物産・三菱商事・日産自動車の4社が大株主

東京電力・三井物産・三菱商事・日産自動車の4社が大株主

日産自動車が経営危機に陥ったため、1999年に住友商事が日産自動車の持株分を買い取り大株主に。
設立当初は企業向けの専用線サービスがメインだったが、「市内通話3分9円」が売り文句の中継電話『東京電話』を開始し、本格的に一般家庭向けのサービスに進出。

懐かしいCM 「東京電話」 - YouTube

1994~95 アステル

各地域の電力会社が母体となったPHS事業「アステル」

各地域の電力会社が母体となったPHS事業「アステル」

名前の由来には「明日の電話」の意も。
1995年10月、NTTパーソナルやDDIポケットに次いでサービス開始。
各地域の電力会社が実質的な母体で、事業地域は電力事業者の管轄区域と同じ。
サービスの企画・統括を担っていた中核会社のアステル東京には、三井物産・三菱商事・住友商事、デジタルホンを展開していたJRグループの日本テレコム・KDD・TWJ・IDCといった非NTT・非DDI系の通信会社に加えて、新規事業を模索していたダイエー・リクルートが出資に名を連ねる。

地域色が強かったことも手伝い、非常に多くのタレントが起用されていたアステルのCM

1996年頃のCM 前園真聖 PHSのアステル ASTEL - YouTube

1996年ごろのPHSのアステルのCMです。サッカーの前園真聖さんが出演されてます。

着メロの生みの親はアステル東京だった

ちなみに当時、リクルートからアステル東京へ出向していた柳田要一氏の発案で着信メロディの配信サービスが先駆けて行われ、1998年にアステル東京が着メロの商標登録を行いました。

アステル各社のその後

1999年、主要株主が共通で当時経営不振に陥っていたアステル東京を、同社の大株主であった日本テレコム(当時JR系)が出資より撤退した事によってTTNetが持株分を譲受、4月1日付で吸収合併(事実上の救済合併)。

これを皮切りに順次、母体の電力系通信事業者に吸収合併もしくは事業譲渡ののち法人清算となりました。

2002年8月には、日本テレコムから東京テレメッセージを2001年に買収したITベンチャーの鷹山が、TTNetからアステル東京を買収。

しかし同年11月には九州通信ネットワークがアステル九州の新規受付を停止。2003年11月にアステル九州のサービスが終了し、PHS事業者としては日本国内初のサービス廃止へ。
他のアステルグループも事業終了への流れが加速することになりました。

唯一異なる動きとなったのはアステル沖縄。
2005年1月にウィルコム沖縄に事業譲渡となり、以降はウィルコムと同じ流れとなりました。

1999.11 PNJコミュニケーションズ

アステルの流れとは一転、東京電力系のTTNetをはじめ全国の電力系通信事業者が、競争力を高めるための取り組みに動きました。
TTNetには、電力会社の子会社という関係からサービス提供エリアが関東地方と静岡県東部に限られるといった制約があり、特に企業向けサービスの提供において他社との競争上見劣りするという問題が存在した。ただこれは同社に限らず電力系通信事業者に共通する悩みであったことから、将来的に全国の電力系通信事業者を1社に統合し、NTTや日本テレコム・KDDI等と対抗できる勢力となることをもくろみ、1999年に電力会社の共同出資で株式会社PNJコミュニケーションズが設立された。

2001.10 PNJコミュニケーションズ⇒パワードコムへ

統合への第一段階として、同社がTTNet・中部テレコミュニケーション (CTC)・大阪メディアポート (OMP) の3社から法人向けデータ通信部門の営業譲渡を受け、同時に社名を株式会社パワードコムに変更しました。

2003.4 TTNetとパワードコムが合併し、新生パワードコムへ

経営再建後、KDDIによる吸収へ

経営再建後、KDDIによる吸収へ

新生パワードコムは「法人データ通信サービス」「電話サービス」「インターネット接続サービス」を柱に、2004年7月から「法人向けサービス」はパワードコム本体、「電話サービス」は買収したフュージョン・コミュニケーションズ、「インターネット接続サービス」は同じく買収したドリーム・トレイン・インターネットが行うことに。
また財務改革として、東京電力を中心とする電力10社による増資を2004年9月に実施。
2004年度下期単体決算で経常利益55億円(売上高利益率10%)と劇的なV字回復。
ただ、皮肉にも経営再建がきっかけで、東京電力が通信事業からの撤退を視野にKDDIと協議を開始し、2006年1月1日、KDDIに吸収合併され、KDDI法人向けサービスに統合されました。
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思い出を語ろう

     
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  • つあ 2021/9/21 12:48

    懐かしい。
    元を辿れば、皆親戚みたいなものなんですね。
    なんか、系譜が徳川幕府を見るようです。

    青春の握り拳 2017/11/19 13:29

    DDIやJ-phone、端末が登場する度に驚きがあった時代でした^^

    すべてのコメントを見る (2)

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