『ガンプラり歩き旅』その54 ~イデオン編・2 アオシマ「機動合体」「合体巨神」合体ロボットのイデオン!~
2021年6月22日 更新

『ガンプラり歩き旅』その54 ~イデオン編・2 アオシマ「機動合体」「合体巨神」合体ロボットのイデオン!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をしてきた『ガンプラり歩き旅』。 今回は全8回で、ガンプラブームと共にロボットプラモブームを牽引した、『機動戦士ガンダム』(1979年)の日本サンライズ・富野由悠季監督の次作品『伝説巨神イデオン』(1980年)のアオシマ製プラモデル群から、現代に至るまでのイデオンフィギュアを、追いかけてみたいと思います!

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電動歩行ギミックではない「アニメ劇中どおりの合体ギミックロボットプラモデル」の大型版としては、過去に既にバンダイの『超電磁ロボ コン・バトラーV』(1976年)などが先行していたが、コン・バトラーVの場合は、あくまで5機のバトルマシンが個々に商品化されて、それらを全機集めて合体させるとロボットになるという仕様であって、そちらの出来も素晴らしいものではあったが、バトルマシンのプラモデルを5個揃えるというのは、当時の子どもには随分経済的な難易度が高かったことは確かだった。
脚の裏がごっそりと丸空きなのが、このキットの一番のがっ...

脚の裏がごっそりと丸空きなのが、このキットの一番のがっかりポイントか

イデオンの場合、ロボット形態から車両形態への変形は、デザイン的にそれほど難易度が高いわけでもないことも味方したというのもあり、一番ハードルが高いソル・バニアの車体の変形をばっさりオミットしたことで、簡易的な再現が可能になったというのはある。
塗装したソル・アンバー。キャタピラディテールもしっかり塗装

塗装したソル・アンバー。キャタピラディテールもしっかり塗装

塗装したソル・バニア。やはりコクピットの追加パーツが、...

塗装したソル・バニア。やはりコクピットの追加パーツが、まるでしっかり肩脇ブロックが変形移動したかのようにシルエットを変えてくれている

塗装したソル・コンバー。コロ走行用タイヤが左右に出過ぎ...

塗装したソル・コンバー。コロ走行用タイヤが左右に出過ぎだが、全体の雰囲気は悪くない

それでも、ソル・アンバー形態で左右の腕を繋ぐために、車体前部のスロープや後部のブロックがパーツ追加されていたり、ソル・バニアやソル・コンバーのコクピットパーツや車輪パーツが別パーツ化されているだけではなく、脚部にはサイドに車輪列が最初からモールドされているなど、細かい点も意外にも気配りが成されているのである。
3機のメカが、今合体の時!

3機のメカが、今合体の時!

また、このキットは今で言うスナップフィットを採用していて、接着剤がなくても幼児層にも組み立てることが出来る仕様になっている。
そのはめ込み組み立て方式は、イマドキのガンプラと比較することは出来ないが、なかなか当時の技術論の枠の中では巧みに、挟み込んだパーツを固定するパーツが、出来る限り余剰ディテールのようには見えない工夫もされており、シールによる彩色の補完もかなり細部までフォローしており、後のイデプラ展開を語るにおいては、外せない佳作キットに仕上がっているといえよう。
イデオン、合体完了! 派手なアクションポーズは取れない...

イデオン、合体完了! 派手なアクションポーズは取れないが、ギミックは満載で楽しめるキットである。

簡易的でありながらも3種に分離変形するギミックと、作中では没になってしまったが、デザイン段階では組み込まれていた内蔵武装と、没デザイン版のイデオン・ガン。
「合体ロボット イデオン」の全パーツの塗装済み。再評価...

「合体ロボット イデオン」の全パーツの塗装済み。再評価が待たれるアオシマ独自のキットである

そういう意味では、他の「ザンボット3」「ダイターン3」と同程度には、アニメに準じたプラモデルとしての完成度を誇った「合体ロボット イデオン」は、その後続いていくイデプラの試金石として、まずは先陣を切ったのである。


(取材協力 青島文化教材社)
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