*この第8話の最大の見所は、何と本物のエンパイアステートビルの外壁を、スパイダーマンが合成無しで登るシーン!かなりの高層階の部分を実際によじ登っていくスパイダーマンの姿は、CG合成が一般化した現在の目で見ても、充分驚かされるので必見だ!
後述するが、この辺から「普通の刑事ドラマにスパイダーマンが登場している感」が強くなってしまうのは、原作ファンにとっては少し残念。
原作者のスタン・リー自身が、後にインタビューで語っている様に、本人はこのシリーズが「子供向け過ぎる」と感じていたらしい。第2シーズンより、プロデューサーが「600万ドルの男」を製作したライオネル・シーゲルに交代したこともあり、次第に番組の内容もアダルト向けの物へと変更されて行くことになる。
後述するが、この辺から「普通の刑事ドラマにスパイダーマンが登場している感」が強くなってしまうのは、原作ファンにとっては少し残念。
原作者のスタン・リー自身が、後にインタビューで語っている様に、本人はこのシリーズが「子供向け過ぎる」と感じていたらしい。第2シーズンより、プロデューサーが「600万ドルの男」を製作したライオネル・シーゲルに交代したこともあり、次第に番組の内容もアダルト向けの物へと変更されて行くことになる。
第9話「The Con Caper」:放送日1978/11/25
[あらすじ]
刑務所に投獄されていた政治家ジム・コーヴァンが釈放された。その直後、囚人達によりその刑務所が乗っ取られてしまう。交渉のために単身刑務所に乗り込んだジムは、囚人達の要求通り刑務所の設備をリフォームさせることを約束。事態は全て収束したかに見えた。だが実は、全ては彼の計画による物だった。施設のリフォーム工事に紛れて囚人達を脱獄させ、彼らに100万ドルを強奪させようと言うのだ。果たして、スパイダーマンはこの計画を阻止できるのか?
*アメリカでのビデオリリース時には、何故か第1シーズンの第4話と合わせてソフト化されていた、本エピソード。
脱獄する囚人の一人を、「ダーティハリー」1作目の悪役スコルピオでも有名な、アンディ・ロビンソンが演じているのも見逃せない。100万ドルが眠る金庫のあるビルに侵入するため、隣のビルの屋上からバイクでジャンプするシーンなど、かなり見せ場は多いが、第2話で登場した、「ビルから落下するスパイダーマンが、自分でネットを張って助かるシーン」が、そのまま使い回されているなど、製作上の苦労が見て取れる。
[あらすじ]
刑務所に投獄されていた政治家ジム・コーヴァンが釈放された。その直後、囚人達によりその刑務所が乗っ取られてしまう。交渉のために単身刑務所に乗り込んだジムは、囚人達の要求通り刑務所の設備をリフォームさせることを約束。事態は全て収束したかに見えた。だが実は、全ては彼の計画による物だった。施設のリフォーム工事に紛れて囚人達を脱獄させ、彼らに100万ドルを強奪させようと言うのだ。果たして、スパイダーマンはこの計画を阻止できるのか?
*アメリカでのビデオリリース時には、何故か第1シーズンの第4話と合わせてソフト化されていた、本エピソード。
脱獄する囚人の一人を、「ダーティハリー」1作目の悪役スコルピオでも有名な、アンディ・ロビンソンが演じているのも見逃せない。100万ドルが眠る金庫のあるビルに侵入するため、隣のビルの屋上からバイクでジャンプするシーンなど、かなり見せ場は多いが、第2話で登場した、「ビルから落下するスパイダーマンが、自分でネットを張って助かるシーン」が、そのまま使い回されているなど、製作上の苦労が見て取れる。
第10話「The Kirkwood Haunting」:放送日1978/12/30
[あらすじ]
ジェイムソン社長の古い友人である、財産家の未亡人の元に送られたピーター。広い屋敷に一人住む彼女は、夜毎現れる死んだ夫の亡霊に悩まされていると言う。しかも、この怪奇現象を検証に来ている調査グループに多額の現金を寄付する様、夫の亡霊に告げられているとのこと。
ジェイムソンからの依頼で、この怪奇現象を調査に来たピーターだったが、そこには思いも因らぬ事実と危険が待ち受けていた。
[あらすじ]
ジェイムソン社長の古い友人である、財産家の未亡人の元に送られたピーター。広い屋敷に一人住む彼女は、夜毎現れる死んだ夫の亡霊に悩まされていると言う。しかも、この怪奇現象を検証に来ている調査グループに多額の現金を寄付する様、夫の亡霊に告げられているとのこと。
ジェイムソンからの依頼で、この怪奇現象を調査に来たピーターだったが、そこには思いも因らぬ事実と危険が待ち受けていた。
*未亡人が住む広大な屋敷の敷地内には動物園があり、ライオンやクマなどの猛獣が放し飼いになっているという設定!そのため本エピソードには、本物のクマやライオンとスパイダーマンが闘うシーンがあり、ファンにとってはある意味「お宝映像」となっている。
第11話「Photo Finish」:放送日1979/2/13
[あらすじ]
ピーターは、ある貴重なコインのコレクションの取材のため、コインの持ち主の元を訪れるが、取材中暴漢に殴られ気を失っている間に、コインを盗まれてしまう。襲われる瞬間、咄嗟に撮影した写真には、銃を向ける女性=持ち主の別れた妻に似た姿が写っていた。真犯人が彼女に罪を着せるために仕組んだ罠だと気付いたピーターは、彼女の無実を証明するために自ら刑務所に投獄される。
犯人がこのニュースを知って安心し、何か行動を起こすのを狙っての作戦だった。スパイダーマンの能力を使い、刑務所を抜け出したピーターは、果たして真犯人を見つけることが出来るのか?
*第1シーズンでは、まだ個性的な悪役を出してコミックスの世界観に近づけようとする努力が感じられたが、第2シーズンでは普通の刑事物やミステリー物に、ただ単にスパイダーマンが登場するだけ、となってしまっているのが残念!本エピソードでも、スパイダーマンが足を拳銃で撃たれる描写があるなど、大人向けのドラマにシフトして行く様子が良く判る。
[あらすじ]
ピーターは、ある貴重なコインのコレクションの取材のため、コインの持ち主の元を訪れるが、取材中暴漢に殴られ気を失っている間に、コインを盗まれてしまう。襲われる瞬間、咄嗟に撮影した写真には、銃を向ける女性=持ち主の別れた妻に似た姿が写っていた。真犯人が彼女に罪を着せるために仕組んだ罠だと気付いたピーターは、彼女の無実を証明するために自ら刑務所に投獄される。
犯人がこのニュースを知って安心し、何か行動を起こすのを狙っての作戦だった。スパイダーマンの能力を使い、刑務所を抜け出したピーターは、果たして真犯人を見つけることが出来るのか?
*第1シーズンでは、まだ個性的な悪役を出してコミックスの世界観に近づけようとする努力が感じられたが、第2シーズンでは普通の刑事物やミステリー物に、ただ単にスパイダーマンが登場するだけ、となってしまっているのが残念!本エピソードでも、スパイダーマンが足を拳銃で撃たれる描写があるなど、大人向けのドラマにシフトして行く様子が良く判る。
第12話「Wolfpack」:放送日1979/2/21
[あらすじ]
ピーターの大学での同級生が、実験中のアクシデントにより、偶然人間の精神を自由に操ることが出来る、特殊なガスを発明してしまう。それを知った悪徳化学薬品会社の代表ヘンソンは、ガスで学生たちを操り現金を強奪させようとするが、間一髪現れたスパイダーマンによって阻止される。ヘンソンは次々にガスで人々を操り、遂には軍隊までも手中に納めようとするのだった。果たしてスパイダーマンは、この陰謀を阻止できるのか?
*第2シーズンの中では、一番原作コミックの世界観に近い内容となっている、本エピソード。工場でのアクションシーンを初め、アクションは中々の迫力だが、ストーリー自体は第1シーズン第1話の焼き直しみたいに思えるのが残念だ。
[あらすじ]
ピーターの大学での同級生が、実験中のアクシデントにより、偶然人間の精神を自由に操ることが出来る、特殊なガスを発明してしまう。それを知った悪徳化学薬品会社の代表ヘンソンは、ガスで学生たちを操り現金を強奪させようとするが、間一髪現れたスパイダーマンによって阻止される。ヘンソンは次々にガスで人々を操り、遂には軍隊までも手中に納めようとするのだった。果たしてスパイダーマンは、この陰謀を阻止できるのか?
*第2シーズンの中では、一番原作コミックの世界観に近い内容となっている、本エピソード。工場でのアクションシーンを初め、アクションは中々の迫力だが、ストーリー自体は第1シーズン第1話の焼き直しみたいに思えるのが残念だ。
第13話「The Chinese Web」:放送日1979/7/6
[あらすじ]
第二次大戦中の無実の罪により、中国政府から追われているチャイナ。ジェイムソン社長の大学時代の友人である彼がニューヨークを娘と訪れたのは、当時の事件の再調査を依頼するためだった。調査を始めたピーターだったが、さっそく謎の殺し屋たちに襲われる。真実を探るため、香港へ飛んだピーター。果たして彼は、襲い来るカンフーの達人たちを倒し、真実を証明することが出来るのか?
[あらすじ]
第二次大戦中の無実の罪により、中国政府から追われているチャイナ。ジェイムソン社長の大学時代の友人である彼がニューヨークを娘と訪れたのは、当時の事件の再調査を依頼するためだった。調査を始めたピーターだったが、さっそく謎の殺し屋たちに襲われる。真実を探るため、香港へ飛んだピーター。果たして彼は、襲い来るカンフーの達人たちを倒し、真実を証明することが出来るのか?
*本エピソードの見所は、何と言ってもスパイダーマンのマスクが剥がされ、正体が明らかになってしまうシーンだろう。後年製作されたサム・ライミ版「スパイダーマン2」でも描かれた、原作ファンにはお馴染みの展開なのだが、やはり見ていてドキドキしてしまう。
元々2時間のスペシャル版として製作された本エピソードだが、後の再放送時にはテレビ放送用に、前編後編の2回に分けて放送されている。最終話ということもあってか、本格的な香港ロケを実施。シリーズの中では一番スケールの大きなエピソードとなっている。
本エピソードも後に多くの国で劇場公開されたが、「プルトニウムを追え」と同様、残念ながら日本ではビデオリリースと日曜洋画劇場での放映のみに留まった。ピーターの友人の軍人役で、「CSI」でも有名な若き日のテッド・ダンソンが出演しているのも見逃せない。
元々2時間のスペシャル版として製作された本エピソードだが、後の再放送時にはテレビ放送用に、前編後編の2回に分けて放送されている。最終話ということもあってか、本格的な香港ロケを実施。シリーズの中では一番スケールの大きなエピソードとなっている。
本エピソードも後に多くの国で劇場公開されたが、「プルトニウムを追え」と同様、残念ながら日本ではビデオリリースと日曜洋画劇場での放映のみに留まった。ピーターの友人の軍人役で、「CSI」でも有名な若き日のテッド・ダンソンが出演しているのも見逃せない。
最後に
いかがだっただろうか?
日本の東映が製作した、あの「スパイダーマン」に先立つこと半年。本国アメリカでも、ほぼ同時期に「スパイダーマン」が実写化されていたとは!
こうした流れを踏まえて見返してみると、確かにクモ糸の表現や壁に張り付いたりするアクションは、東映版に通じる物がある。
日本独自の設定(巨大ロボやマシンの登場、それにあの独特のポーズなどなど)も凄いと思うが、本シリーズの様に、夜8時放送の1時間ドラマとして、大人の鑑賞に堪えうる作品を作ろうとしたアメリカ版のアプローチは、現在のマーベルコミックス作品の映画版の大ヒット振りを見ても、決して間違っていなかったと言えるだろう。
何にせよ、このテレビシリーズの実現により、80年代に始まる実写映画版企画が動き始めた訳で、現在公開中の「ホームカミング」も、このTVシリーズが無ければ決して実現することは無かったのだ。
残念ながら未だにDVD化されていない本シリーズだが、今後のマーベル映画化作品のソフト発売に合わせて、いつかDVD化される日が来ることを願って止まない。
次回は是非、「スパイダーマン」映画化実現までの長い道のりを紹介したいと思う。
日本の東映が製作した、あの「スパイダーマン」に先立つこと半年。本国アメリカでも、ほぼ同時期に「スパイダーマン」が実写化されていたとは!
こうした流れを踏まえて見返してみると、確かにクモ糸の表現や壁に張り付いたりするアクションは、東映版に通じる物がある。
日本独自の設定(巨大ロボやマシンの登場、それにあの独特のポーズなどなど)も凄いと思うが、本シリーズの様に、夜8時放送の1時間ドラマとして、大人の鑑賞に堪えうる作品を作ろうとしたアメリカ版のアプローチは、現在のマーベルコミックス作品の映画版の大ヒット振りを見ても、決して間違っていなかったと言えるだろう。
何にせよ、このテレビシリーズの実現により、80年代に始まる実写映画版企画が動き始めた訳で、現在公開中の「ホームカミング」も、このTVシリーズが無ければ決して実現することは無かったのだ。
残念ながら未だにDVD化されていない本シリーズだが、今後のマーベル映画化作品のソフト発売に合わせて、いつかDVD化される日が来ることを願って止まない。
次回は是非、「スパイダーマン」映画化実現までの長い道のりを紹介したいと思う。
絶対にワイヤーで吊っているのだが、それにしても危険過ぎる!CG合成が当たり前の現在では考えられないこの努力。今だからこそ、再評価したい作品だ。