『巨人の星』(漫画:1966年 / テレビアニメ:1968年)の星一徹
鬼コーチの指導について2013年3月13日付けの『朝日新聞』は指導者への絶対服従というスポーツ観が社会全体に行き渡っていたことを反映したものとした上で、「スポ根ものでは、しごき、カリスマ的指導者、鉄拳制裁がいわば三種の神器であり、読者にカタルシスを与える道具だった」と評している。
日本国内のスポーツ競技における集団主義や精神主義は明治時代に政府がスポーツを奨励したことを契機に各学校内に体育会が組織された当時からの伝統であり、スポ根作品が支持を得た1960年から1970年代当時の日本のスポーツ界では集団主義や精神主義を基盤とした厳しい指導が常態化していた。
こうした経緯から、当時の漫画編集者の一人は「是非はともかく、スポ根の全盛期はどこの部活動やプロ競技でもしごきや体罰が蔓延していた。そうした世相が描写に反映された」と評している。
『柔道一直線』(漫画:1967年 / テレビドラマ:1969年)の車周作
『柔道一直線』の車周作(演:高松英郎)
最後は師匠・周作が直也に「地獄車からの脱皮」と新たな飛躍が必要と見て、敢えて敵の外国人柔道家に「地獄車攻略法」をさずける。直也は試合でも相手の誘いに乗らず、冷静に普通の投げ技で破り、最後は日本人のライバルを地獄車で下して優勝する。
周作は負けを認め、直也の活躍がテレビ中継されている料理店で酒を飲みながら息を引き取る。
『アタックNo.1』( 漫画:1968年 / テレビアニメ:1969年)の本郷俊介・猪野熊大吾
本郷俊介をはるかに超えるスパルタ特訓を叩き込んでくる恐るべき鬼コーチ「猪野熊大吾」
オールジャパン・ベスト12の鬼コーチ「猪野熊大吾」
声 - 中曽根雅夫→村瀬正彦 / 演 - 船越英一郎
本名・大川一郎。中学オールジャパン、全日本の監督。ヒゲ・サングラスという怖そうな格好をしている。選手達をスパルタで鍛え上げるが、終盤は選手を怒らせて上達させる。
決勝戦前では「何かうまいこと言おうとしたが、忘れた!」と言って選手の緊張を解くなど優しさをうかがわせる。
アメリカへ出発する際はヒゲを剃り、サングラスもとり、まんざらでもない姿を見せる。アニメ版では本郷とは大学時代からの友人。こずえにバレー選手としての好意を抱いている。三条の実の兄(実写版では父)でもあるが、訳あって生き別れとなった。