ムック『松本零士大解剖』発売!
今までの作品の登場人物を振り返るのはもちろん、作品の相関図やメカニック理論が載っていたり、宇宙飛行士・星出彰彦さんのインタビューや『銀河鉄道999』のエターナル編・第1話が原画で掲載されるなど、なかなか興味深い内容です。
「宇宙海賊キャプテンハーロック誕生物語」(作画/島崎 譲 脚本協力/安斉 勝則)
という作品です。
ハーロックとトチロー、二人のキャラクターがどのようにして生まれたのか、松本零士さんの少年時代からの発想を追って描かれています。
『ハーロック誕生物語』
親友トチローの存在も含めて、松本零士さんの作品には欠かせない二人で、あの頃、夢中になって読んだり観たりしていた方も多いのではないでしょうか。
そうした往年のファンが『ハーロック誕生物語』を読むと、二人のキャラクターを生み出す過程に、「ああ、あれはそういうことだったのか」と、思わずニヤリとするものです。
機会があったらぜひ読んでいただけたらと思います。
ヤバい「キャプテンハーロック誕生物語」燃える pic.twitter.com/Q510Rt5Pap
— @館長 (@PPPppppppQQQ) April 1, 2016
ハーロックとトチローの原型は、少年時代のあこがれと親友。
そのハーロックのマンガを描くために、ビジュアルのモデルにしたのが、松本零士さんの無二の親友だったそうです。
それは私の無二の親友―――
背が高く、ことのほかもてるタイプで、
(一緒に)肉筆回覧紙を作ったり、(一緒に自転車に乗ったり、自分のマンガを読んだりほめてくれたりする場面が描かれている)
中学時代をずっと一緒にすごした。
この私と親友との凸凹コンビが、「キャプテン・ハーロック」と「大山トチロー」の基本イメージであり、ビジュアルの原型となった。
二人一緒に旅に出るようになったのが、『ガンフロンティア』でした。
ガンフロンティア
ひとりは早撃ちガンマン、ひとりは仕込み杖を持った「チビでメガネでガニマタ」の男。
どんなに蔑まれても歯を食いしばって生き抜く、男の中の男!
―――という設定で始まりました。
NHKで15年以上前に放送された『美と出会う』という番組です。
松本零士さんの回で、同級生と恩師が集まって語り合うシーンです。
動画が長いので、時間のない方は、17:00あたりに進めて観てください。
時間のある方はゆっくりご覧ください。とても面白い番組です。
当時63歳。漫画家生活はまもなく50年になる時。
「今も少年時代の夢を追い続ける松本さんを訪ねる。」というものでした。
「きれいな人だった。黒い服を着ていて、髪が長くて、ほっそりしていて、ピアノが上手だった」と松本さんも語っています。
ごろ寝をしてくつろぐハーロックとトチロー
時には、ハーロックとトチローもこんなふうにくつろぐことも。
中学時代、松本さんは友だちと、実際にこういう時間を共有していたのでしょうね、きっと。
私の原案では、主人公の古代進の兄 古代守は、大怪我を負うが死んではいないのだ。
ハーロックとなって蘇るはずであった!!”
と、松本零士さんが述懐するシーン。