終に届いた栄冠
そして宝塚記念。ミスターシービーが引退し、ルドルフの独壇場となる事が予想され、あきらめムードが漂う中、集まった出走頭数はわずか11頭。しかし、直前でルドルフがまさかの出走回避。
via p.twipple.jp
もう、千載一遇のチャンス到来です。
本命馬不在の中、スローペースでレースは進み、4コーナー大外を回って捲った村本騎手とスズカコバンが、アタマ差サクラガイセンを抑えて勝利しました。
初めてのGⅠタイトルの戴冠の瞬間です。
本命馬不在の中、スローペースでレースは進み、4コーナー大外を回って捲った村本騎手とスズカコバンが、アタマ差サクラガイセンを抑えて勝利しました。
初めてのGⅠタイトルの戴冠の瞬間です。
1985 宝塚記念
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しかし宝塚記念を勝ったものの、その後のスズカコバンは相変わらずでした。
脚部不安もあってその年の秋を休養し、6歳になって迎えた久々のオープン特別も、GⅠもGⅡもGⅢも、ずっと3着とか4着とかという日々が続きます。
脚部不安もあってその年の秋を休養し、6歳になって迎えた久々のオープン特別も、GⅠもGⅡもGⅢも、ずっと3着とか4着とかという日々が続きます。
そして秋の京都大賞典で2年ぶり2度目の勝利を上げて、秋の天皇賞に向かいます。
しかし自己ベストの時計を記録するも、勝ち馬サクラユタカオーから1.1秒差の7着に終わります。
しかし自己ベストの時計を記録するも、勝ち馬サクラユタカオーから1.1秒差の7着に終わります。
そしてその後、再び脚部不安を発症し、現役生活を終える事になりました。
通算34戦7勝、重賞に挑む事26戦、重賞勝利は宝塚記念を含む4勝、入着はなんと20回と、堅実で見事な脇役を果たした競走馬だったと言えるでしょう。
通算34戦7勝、重賞に挑む事26戦、重賞勝利は宝塚記念を含む4勝、入着はなんと20回と、堅実で見事な脇役を果たした競走馬だったと言えるでしょう。
種牡馬としてのスズカコバンが繋ぐ物語
MenowやWar Admiralといった、馬力のある血を豊富に内包するスズカコバンは、種牡馬になると、芝よりもダートに強い馬を送り出すようになります。
代表産駒は武蔵野ステークスやブリーダーズGCなど、中央地方の重賞を4勝したデュークグランプリや、北海道競馬で大活躍したササノコバンなど。
代表産駒は武蔵野ステークスやブリーダーズGCなど、中央地方の重賞を4勝したデュークグランプリや、北海道競馬で大活躍したササノコバンなど。
しかし、中でも注目したいのはクラキングオー。王冠賞や北海優駿など、北海道競馬の重賞を5勝した活躍馬ですが、6歳時のレース中に事故。一時は予後不良の診断を受けそうな重篤な状態だったのですが、生まれ故郷の倉見牧場で懸命な治療を施され、一命を取りとめました。
その後、状態が安定してきた9歳の時に種牡馬登録され、生涯でたった3頭ですが競走馬を残しました。
その初仔がクラキンコ。2010年、牝馬としては史上初の北海道クラシック三冠馬となりました。驚くべきことですね。
その初仔がクラキンコ。2010年、牝馬としては史上初の北海道クラシック三冠馬となりました。驚くべきことですね。
さらに、クラキンコの全弟、クラグオーも2014年に北海道競馬の重賞ステイヤーズカップを勝ち、2016年に種牡馬入りを果たしています。
漫画でもゲームでも、こんなストーリーは描けないでしょう。
幼駒の時に命を落としそうになったスズカコバンが、王者不在のたった一度のチャンスをモノにしてGⅠ馬となり、息子のクラキングオーも落としかけた命をなんとか繋いで、たった3頭残した子供達が三冠馬になり、重賞勝馬になり、種牡馬になるという、競馬のロマンをぎっしり詰め込んだ、本当に実現した物語です。
幼駒の時に命を落としそうになったスズカコバンが、王者不在のたった一度のチャンスをモノにしてGⅠ馬となり、息子のクラキングオーも落としかけた命をなんとか繋いで、たった3頭残した子供達が三冠馬になり、重賞勝馬になり、種牡馬になるという、競馬のロマンをぎっしり詰め込んだ、本当に実現した物語です。
種雄馬情報
— ジャパンスタッドブックインターナショナル (@JAIRS_JP) March 9, 2016
全姉クラキンコは牝馬初の北海道三冠馬
クラグオー
父:クラキングオー 母:クラシャトル 母の父:ワカオライデン
の繁殖登録の申請がありましたhttps://t.co/Pt6mh57huI pic.twitter.com/rcRg3gevqf
種牡馬入りしたクラグオー