コナミがMSX向けに開発したSCC音源はFM音源にも負けない!PSG音源に甘んじていたMSXユーザーに希望を与えてくれました。
2016年5月13日 更新

コナミがMSX向けに開発したSCC音源はFM音源にも負けない!PSG音源に甘んじていたMSXユーザーに希望を与えてくれました。

MSXに力を注ぎ、専用のゲーム音源「SCC音源」を開発してくれたのがコナミ。当時のMSXユーザーはファミコンをはじめとするゲーム専用機とPC-88などの本格派パソコンの狭間で不遇の思いをすることが多く、他のパソコンゲームからの移植版ゲームで、オリジナルとのクオリティの差に溜息をつくことがよくありました。MSXユーザーはコナミの尽力をいつまでも忘れません。

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FM音源

[NandemoFM]MSX2版YsIIのオープニングをFM音源対応にしてみた - YouTube

MSX2版イースIIを改造し、オープニングをFM音源+PSGで鳴らしてみました。 PSGへのデータ出力部分にパッチをあてて、OPLL用に変換したデータを出力するようにしています。 この動画は、A1ST実機よりキャプチャーしたものです。 パッチをあてる方法はこちら http://www.tiny-yarou.com...
ちなみにFM音源、MIDI音源を活用する他機種版全てとも聞き比べてみます。

イース2 オープニング比較動画【ほぼ全機種】 - YouTube

DTM音源としてのSCC

当時、SCC音源を自ら触ってみたいと下記のような方法を試したものです。
SCC音源カートリッジ単体としては流通しておらず、後にスナッチャー・SDスナッチャー共に中古市場でプレミア扱いされたことにより正規に販売されたカートリッジを入手するのは困難となり、実際の流通量は少なかった。しかし、コナミのSCC搭載のMSX用ゲームはユーザーに広く普及していたため、SCC搭載ゲームカートリッジでゲームが起動しないように改造して用いる方法や、MSX起動後に後からSCC搭載ゲームカートリッジを挿す方法が考案された。そのため、かなり多くのユーザーがSCC音源を自由に利用可能になっていた。なお、MSXが電源オン状態でもカートリッジの抜き差しは物理的には可能だが、本体やカートリッジはその動作を想定して作られていないため、後者の方法は抜き差し時の電流や信号によって精密回路を破損する恐れがあった。誤動作を抑えるために、Shiftキーを押しながらカートリッジを差し込む方法や、PAUSEボタンでシステムを強制停止させている間に挿し、PAUSEを解除する方法が知られている。PAUSEボタンを用いる方法の方が安全性は高いといわれているが、PAUSEボタン搭載機種はFS-A1シリーズ以降の松下製MSX数機種と同時期以降のソニー製MSX数機種のみであり、turbo-RではPAUSEのハードウェア的な実装が変更されているので、回路のタイミングが停止しない。また、いずれにしても電源オン状態でスロットに無理やり挿入していることには変わりはなく、故障の原因となる可能性が高かった。
MSXユーザとしては、数少ない誇らしい出来事でありました。
当時の標準的なMSXの環境ではPSG3音+FM音源(YM2413(OPLL))9音+SCC5音で最大17音が出せ、音を重ね合わせることで深みのある音楽を奏でることが出来た。FM音源搭載MSXとコナミのSCC搭載ゲームの組み合わせで、同時期に流通していたPC9801やX68000等に比べ非常に安価かつ手軽にDTM環境を構築する事が可能であった。
近年のチップチューンブームにより初期のビデオゲーム音源が見直されて来ているが、SCCも当時を代表する音源の1つとして人気がある。波形メモリ音源としてコナミのゲーム音のみならず、ナムコの業務用ゲーム音やPCエンジンの音を再現することも可能である。
しかしファミコンに比べ音源の認知度、発音環境、音源を制御し作曲できる人口の少なさにより、SCCを扱うミュージシャン・楽曲ともに数が少ない。
ちなみに音源に関して、当時のパソコンで主流だったFM音源はやがて携帯電話初期のころに搭載されて多くの人が耳にしたものです。パソコンゲーム向け音楽クリエーターたちも携帯電話初期には再び活躍することとなりました。
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