23曲も工藤静香に曲を提供している中島みゆき
今年でソロデビュー30周年を迎えた工藤静香。これまで発表された楽曲を振り返ってみると、1994年リリースのオリジナルアルバム『Expose』収録曲『夢』はASKA、1998年リリースのシングル『きらら』は河村隆一、2012年リリースのシングル『キミがくれたもの』は絢香など、その時代を彩るさまざまなアーティストから楽曲提供を受けていることが分かります。
中でも、特に多くの楽曲を工藤へ提供しているのが、中島みゆきです。提供曲・詞は、実に23曲。おニャン子時代からの縁で結ばれた後藤次利以外では、圧倒的な提供曲数となります。なぜこれほどまでに、工藤静香は中島みゆき曲を歌っているのでしょうか?
それは、工藤が中島みゆきのファンだからに他なりません。いつからファンなのかは定かではありませんが、「愛絵理」名義で作詞家としての顔も持ち、二科展へ絵画を提供し続けているなど、表現者意識の強い工藤が、シンガーソングライターとして自由闊達に幅広い音楽活動を展開している中島に憧れるというのは、至極自然なこと。それに2人は、同じレコード会社であるポニーキャニオンの所属。中島を担当していた渡辺有三ディレクターが工藤も兼任していたために縁が紡がれ、コラボレーションが実現したといいます。
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初めて提供した曲は、1988年の『FU-JI-TSU』
中島みゆきが工藤静香へ最初に提供した曲は、『FU-JI-TSU』(1988年)。大手電機メーカーのFUJITSUと混同されないようにハイフンが付けられたというこの曲は、デビュー曲の「禁断のテレパシー」以来、3作ぶりにオリコンヒットチャート1位を獲得。工藤静香の代表曲の一つとして知られています。
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FU-JI-TSU(工藤静香)
作詞:中島みゆき 作曲・編曲:後藤次利
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カネボウのプロモーションソング『MUGO・ん…色っぽい』も中島の作詞
『FU-JI-TSU』の次にリリースされた工藤静香5枚目のシングル『MUGO・ん…色っぽい』も、中島みゆきが作詞を担当。カネボウ1988年・秋のプロモーション・イメージソングとなった本作は、プロモーション広告用のコピー「ん、色っぽい」を意識した表題となっています。
ちなみに、工藤が出演した1988年12月放送の『さよなら1988/ザ・ベストテン豪華版』(TBS系)では、突然中島が電話出演。「私が工藤だ、っていう個性が凄い」とのコメントを残し、スタジオの工藤を驚かせました。
ちなみに、工藤が出演した1988年12月放送の『さよなら1988/ザ・ベストテン豪華版』(TBS系)では、突然中島が電話出演。「私が工藤だ、っていう個性が凄い」とのコメントを残し、スタジオの工藤を驚かせました。
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MUGO・ん…色っぽい(工藤静香)
作詞:中島みゆき 作曲・編曲:後藤次利
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中島が電話出演したザ・ベストテン
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18枚目のシングル『慟哭』は、工藤自身最大のヒット曲に
8枚目のシングル『黄砂に吹かれて』(1989年)、11枚目のシングル『私について』(1990年)も、中島作詞×後藤作曲のゴールデンコンビによるもの。どちらもオリコン週間ランキング1位を獲得しています。
この『私について』から約2年半後の1993年2月3日にリリースされた、同じく中島×後藤による『慟哭』は、フジテレビ系月9ドラマ『あの日に帰りたい』の主題歌としてもお馴染み。友達以上恋人未満な男と女の微妙な感情を書いた中島の詞を、後藤のポップなメロディに乗せて歌った同曲は、工藤自身最大のヒット曲となりました。
この『私について』から約2年半後の1993年2月3日にリリースされた、同じく中島×後藤による『慟哭』は、フジテレビ系月9ドラマ『あの日に帰りたい』の主題歌としてもお馴染み。友達以上恋人未満な男と女の微妙な感情を書いた中島の詞を、後藤のポップなメロディに乗せて歌った同曲は、工藤自身最大のヒット曲となりました。
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慟哭(工藤静香)
作詞:中島みゆき、作曲・編曲:後藤次利
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工藤直々に中島へ手紙を渡して実現した『激情』
『慟哭』以降しばらくは、愛絵理名義で自分の歌う楽曲の作詞を頻繁にしてきた工藤でしたが、フジテレビ系ドラマ『ゆずれない夜』における主題歌を歌うとなったときには、脚本を読んで「これは中島みゆきさんに曲を作ってもらいたい」と思い、直々に手紙を書いて楽曲制作を依頼。その結果でき上がった『激情』(1996年)は、はじめて詞・曲共に中島が担当した楽曲になっています。