特撮『忍者キャプター』の最終回ってどうだった？

『忍者キャプター』

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左から、水忍、土忍、金忍、火忍、花忍、雷忍、風忍。

制作：東映、（株）東映エージェンシー、東京12チャンネル
放送期間：1976年4月7日から1977年1月26日
放送時間：水曜19:30から20:00
放送局：東京12チャンネル（今のテレビ東京）系列
放送話数：全43話
主題歌：「闘え忍者キャプター」水木一郎、堀江美都子、こおろぎ’73

スタッフ

原作：八手三郎
監督：奥中惇夫（最終回担当）ほか
脚本：伊上勝（最終回担当）ほか
美術：森田ふみよし
音楽：小森昭宏
音楽制作：あんだんて

キャスト

火忍キャプター7／出雲大介：伴直弥
風忍キャプター6／泉敬太：佐藤宏之
金忍キャプター5／大山昇：藤江喜幸
土忍キャプター4／黒川団：宇津梅仙
花忍キャプター3／天堂美樹：野川愛
水忍キャプター2／四条左近：琳大興
雷忍キャプター1／袋三郎兵衛：潮建志

戸隠白雲：佐々木孝丸

暗闇忍堂：堀田真三

ナレーター：納谷悟郎

『忍者キャプター』とは

日本征服のために動き出した、忍者・風魔烈風に率いられる風魔党。そこから抜け忍となった出雲大介は、天堂無人に助けられて「忍者キャプター」に加わった。7人は力を合わせて風魔烈風を倒すものの、新たに現れた暗闇忍堂たち甲賀忍者との戦いが始まる…。

東映制作の特撮ヒーロー作品だが、放送局が東京12チャンネル系列のため、テレビ朝日系列である《スーパー戦隊シリーズ》には含まれない。しかし1975年から放送された『秘密戦隊ゴレンジャー』の流れを組んだ作風である。

『忍者キャプター』の最終回

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第43話「暗闇忍堂の最期」

公園に焼き芋屋がやって来た。その屋台を引く老人が帰ろうとすると、甲賀の下忍（戦闘員）たちが現れる。
下人「忍将軍（しのびしょうぐん）がお呼びだ」
老人「忍将軍？なんのことかな」
下人「ええい、つべこべ言わずついてこい！」
老人はあっという間に下人たちを倒した。

暗闇忍堂（忍将軍）の本拠地。そこへ倒された下人たちがやって来る。
暗闇忍堂「さすがはあの腕。なんとしてでも利用してやる」
焼き芋屋の老人は、甲賀の狼丸という抜け忍なのだった。

老人がアパートに帰ってくると、孫娘のカスミが消えていた。「老人が交通事故だと迎えの人が来て、慌てて出て行った」と隣人から聞く。部屋を出ようとすると暗闇忍堂が浮かび上がる。
暗闇忍堂「待てえ、狼丸」
老人「忍びの世界に愛想を尽かしたわしに用はないはず」
暗闇忍堂「忍将軍に立てつく者を消せ。それが成功すれば抜け忍の罪は許す。命令をきかねば、貴様の可愛い孫娘の命はない」
老人「…孫娘を…カスミを…」
老人は押し入れにしまっていた箱を開けた。中には金色の兜が入っている。
老人「二度と身に付けまいと思ったが、孫娘のためにはやむを得ん」
老人は兜をかぶった。

その頃、車に乗せられていたカスミは男たちを不審に思い「良く考えたら私のおじいちゃんが車にはねられるわけがない」と言って、車を降りて逃げる。だが大事にしている人形を車内に忘れてしまう。男たちに追われるカスミ。それを助けたのは出雲大介（火忍キャプター）と天堂美樹（花忍キャプター）だった。カスミを逃がす。
出雲「言え！あの子をなぜ狙う！」
そこへ狼丸（老人）が現れた。
狼丸「甲賀忍法狼縛りよ。簡単には解けん。死ねえ！」
キャプターは逃げた。

狼丸は下人を起こす。
狼丸「わしの孫娘カスミをどこへやった！」
下人は暗闇忍堂に撃たれて死んだ。
暗闇忍堂「ははは。まだ逆らうのか狼丸。逆らえば孫娘の命はない！」
狼丸「おのれ忍堂、カスミを返せ！」

老人は暗闇忍堂の本拠地へやって来た
老人「忍堂め、出てこい！」
暗闇忍堂「やっと信じたな。狼丸、この人形に見覚えがあろう」
それはカスミが車に忘れた人形だった。忍堂は、忍者キャプター7人を殺せばカスミを返してやると言う。
老人「人は殺さんと心に誓ったが、孫娘の命には替えられん」
老人は狼丸に変身した。

ジョギングしていた黒川団（土忍キャプター）を狼丸が襲う。
狼丸「甲賀忍法、狼鎖！」
土忍キャプターは倒れた。

忍者キャプターたちが暮らす屋敷に手紙が届いた。それを読む出雲大介。
出雲「忍者キャプターに申し上げる。仲間の土忍の命は預かっている。助けたければ阿修羅堂までお出で願いたい。狼丸」
戸隠白雲「甲賀の狼丸はとうに忍者を辞めたと聞いたが」

出かけた出雲大介と四条左近（水忍キャプター）は、焼き芋の屋台をひく老人を発見。あとを追う。

一方、屋敷に警官とカスミがやって来た。カスミが狼丸の孫娘だと知った一同は、キャプターカーにカスミを乗せて阿修羅堂へ向かう。

出雲大介と四条左近は老人を追って、阿修羅堂にたどり着いた。置いてあった屋台が爆発。
狼丸「ははは。まんまとひっかかりおったわい。…孫のためとはいえ、あったら若者の命を散らしてしもうたわい」
しかし阿修羅道へ続く階段の上には、火忍キャプター、水忍キャプター、土忍キャプターが立っていた。
火忍キャプター「狼丸！その気持ちがありながらなぜ忍堂に力を貸す！」
狼丸「生きておったのか！では改めて命を貰うぞ」
戦いが始まる。

階段から転げ落ちた狼丸は老人の姿に戻った。火忍キャプターが止めを刺そうという時、カスミたちが到着した。
カスミ「やめて！おじいちゃんを許してあげて！」
老人「カスミ、無事だったのか」
カスミ「おじいちゃんは騙されていたのよ」
老人「忍堂め…。わしを、わしを存分にしてくだされ」
忍者キャプターたちに土下座する老人。
火忍キャプター「お手をお上げください。敵ではないと分かった今、我々が何故そんな」

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そこへ暗闇忍堂（忍将軍）が現れた。
暗闇忍堂「おのれ、狼丸！片を付けてやるぞ！」
忍者キャプターと暗闇忍堂の闘い。

キャプタークロスでパワーアップし、キャプターやぐらを組む。必殺技を使うが、暗闇忍堂には効かない。
暗闇忍堂「俺は不死身よ！」
笑い声と共に暗闇忍堂は消えた。

暗闇忍堂「愚かなキャプターどもめ！」
笑う暗闇忍堂。
火忍キャプター「待てい！暗闇忍堂、逃がさん！」
7人は分身の術を使って取り囲む。
火忍キャプター「忍者キャプターの底力、見せてやる。いくぞ！キャプター7人キック！」
7人のキックが同時に暗闇忍堂に当たる。再びキャプターやぐら。
火忍キャプター「暗闇忍堂、とどめだ！火輪弾火焔陣（かりんだんかえんじん）！」
必殺技の前に暗闇忍堂はついに倒れた。喜ぶ7人の姿。

ナレーション「忍将軍・暗闇忍堂はついに忍者キャプターに倒され、日本の平和は守られた。ありがとう忍者キャプター。さようなら、我らの忍者キャプター」

ヘリキャプターがキャプターカーを吊り下げて去って行く。

その後の『忍者キャプター』

1976年に「東映まんがまつり」の一作品として劇場版が公開されています。

仕方がないことなのですが《スーパー戦隊シリーズ》には含まれず、ネット局も少なかったため知名度が低い作品です。おそらく視聴率がふるわなかったためか（ネット上には様々な説があるのですが確定はできません）、打ち切りになってしまいました。

それでも！水木一郎と堀江美都子のデュエットによる主題歌「斗え忍者キャプター」は、ミドルエッジ世代の特撮ソング好きなら、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。擬音（シャウト）の多さは唯一無二で、とても盛り上がる曲なのです。
（番組テロップでは「闘え～」という表記でした）

1993年版と2007版に発売された、ふたりのコンピレーション・アルバム「Dear Friend」にも同曲は収録されています。ライブでも定番の一曲なんだそうですよ。