はぐれつばめ(野田淳子)⇒中国残留孤児
1945年8月9日、ソ連対日参戦の混乱により、肉親と離ればなれになり、中国大陸に取り残された中国残留孤児たち。1972年9月に日中の国交が回復してからは、より問題視されるようになり、肉親たちはわが子を探すための働きかけを活発に行うようになりました。
そういった時局もあって、残留孤児を歌った歌は、この『はぐれつばめ』をはじめ数多く作られました。
そういった時局もあって、残留孤児を歌った歌は、この『はぐれつばめ』をはじめ数多く作られました。
via www.amazon.co.jp
傘がない(井上陽水)⇒学生運動
陽水が『傘がない』を制作した当時は、学生運動が盛んだった時期。学生が声高らかに政治を語り、世の変革を目指して武力行使も厭わない構えを見せていたのです。そんな時代の空気を多少皮肉る意味をこめて、陽水は、以下のような歌詞を書きました。
via ja.wikipedia.org
テレビでは 我が国の将来の問題を♪
誰かが深刻な顔をして しゃべってる♪
だけども問題は今日の雨 傘がない♪
要するに、世間でいわれているような大きな問題よりも、他に考えること(自分の幸せとか)があるだろ、と言いたいわけです。
傘がない(井上陽水)
1972年7月1日リリース
via www.youtube.com
府中捕物控(THE ALFEE)⇒三億円事件
1968年12月10日。東京都府中市で、東京芝浦電気(現・東芝)の従業員に支給される予定だったボーナスが、白バイ隊員を装った男に強奪されました。世にいう「約3億円事件」です。
via www.jiji.com
劇場型犯罪にして完全犯罪…。不謹慎ながらも、ロマンをくすぐる出来事だっただけに、後世の物書き・クリエイターへ多大な影響を及ぼし、幾度となく、小説・映画・ドラマなどの題材にされてきました。
via wowma.jp
THE ALFEEも、そんな「三億円事件」に魅せられた作り手の一組。彼らは、同事件のパロディ曲『府中捕物控』を制作し、事件の公訴時効日である1975年12月10日に発売しようとしたのですが、「不謹慎だ」とのそしりを受けてあえなくリリース中止に。音源化されたのは、なんとこの39年後。デビュー40周年記念アルバム『青春の記憶 [+2]』に収録され、ようやく、日の目を浴びることとなったのでした。
府中捕物控(THE ALFEE)
1975年12月10日リリース予定(未発売)
via www.youtube.com
老人と子供のポルカ(左卜全とひまわりキティーズ)⇒学生運動、交通事故、ストライキ
軽快なリズムに乗って歌われる、ナンセンス極まりない歌詞。一見すると、ただ、年寄と子供を一緒に歌わせただけの無意味なコミックソングのようですが、ちょっと意味を調べてみれば、しっかりとしたメッセージソングになっていると分かります。
やめてケレ やめてケレ♪
やめてケーレ ゲバゲバ♪
「ゲバ」とはつまり、内ゲバのことで、ここでは学生運動を指します。さらに、2番では「ジコジコ(=交通事故)」、3番では「ストスト(=ストライキ)」と歌詞が変更されており、これらの被害者は老人と子供であることを示唆しているのです。