よしだたくろう が吉田拓郎になるまでの5年間。この僅か5年間で日本の音楽シーンは塗り替えられてしまいます
2018年9月21日 更新

よしだたくろう が吉田拓郎になるまでの5年間。この僅か5年間で日本の音楽シーンは塗り替えられてしまいます

よしだたくろう はデビューしてからの5年間で、日本の音楽シーンを見事なほどに塗り替えてしまいます。それまでのフォークシンガーには成し得なかったポピュラリティを獲得し、アイドルのような存在となり、そして、大人社会にフォークは商売になると知らしめたのです。

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吉田拓郎 旅の宿

因みに「旅の宿」は、シングルとアルバムではバージョンが違います。ファンの方、要注意ですよ!なんですが、当時はこうしたことは珍しかったんですよね。
どちらもアコースティクでいい感じですが、シングルの方がポップなアレンジになっています。

「旅の宿」同様にアルバム「元気です。」もオリコン1位に輝き、よしだたくろう のキャリアの中でもっとも成功したアルバムとなっています。
元気です。

元気です。

1.春だったね
2.せんこう花火
3.加川良の手紙
4.親切
5.夏休み
6.馬
7.たどり着いたらいつも雨降り
8.高円寺
9.こっちを向いてくれ
10.まにあうかもしれない
11.リンゴ
12.また会おう
13.旅の宿
14.祭りのあと
15.ガラスの言葉
特筆すべきは、このアルバム1972年度の年間売上2位となっているのですが、1973年度の年間売上でも4位にランクされているんです。すごっ!

伽草子

1973年も よしだたくろう は2枚のシングルを発売しています。「伽草子」と「金曜日の朝」がそれですが、前年の「結婚しようよ」「旅の宿」とはまたちょっと雰囲気の違う曲です。
結婚して落ち着いたのか?というと、そんなことでもないようですが、どこかメルヘン。肩の力を抜いた感じが心地よい曲です。

金曜日の朝~伽草子 ’75つま恋

シングルが素晴らしいと、当然アルバムにも期待するわけですが、1973年6月1日に発売されたアルバム「伽草子」は最高です。
伽草子

伽草子

1.からっ風のブルース
2.伽草子
3.蒼い風
4.風邪
5.長い雨の後に
6.春の風が吹いていたら
7.暑中見舞い
8.ビートルズが教えてくれた
9.制服
10.話してはいけない
11.夕立ち
12.新しい朝
よしだたくろう も不機嫌そうな表情ですし、今見るとなんてことないアルバム・ジャケットですが、当時はこれがえらくカッコよく見えたんです。同じようなチェツクのシャツを買い求めたファンは数知れずでしたよ。

あ、それよりも収録曲「春の風が吹いていたら」で、奥さんとデュエットしています。これも新鮮でしたねぇ。

今はまだ人生を語らず

CBSソニーから最後となるアルバムが1974年12月10日に発売されます。同時に よしだたくろう 名義としても最後のアルバムです。
アルバムタイトル「今はまだ人生を語らず」。大きく出ました。私ごととは言えとてつもなく大きなスケールを持ったタイトルです。
今はまだ人生を語らず

今はまだ人生を語らず

1.ペニーレインでバーボン
2.人生を語らず
3.世捨人唄
4.おはよう
5.シンシア
6.三軒目の店ごと
7.襟裳岬
8.知識
9.暮らし
10.戻ってきた恋人
11.僕の唄はサヨナラだけ
12.贈り物
ジャケット・デザインもカッコイイですね。ここまでの中では最高の出来栄えと言ってもいいでしょう。内容的にも捨て曲なしの大傑作!
森進一に提供した「襟裳岬」、猫に提供した「戻ってきた恋人」をセルフカバーし、「よしだたくろう&かまやつひろし」名義で大ヒットした「シンシア」も収録。

シンシア 吉田拓郎with南沙織 かまやつひろし

よしだたくろう の作品としては最も完成度が高いのではないかと思います。素晴らしいです。オリコン1位と商業的にも成功しています。
が、残念ながらこのアルバムは現在聴くことは出来ません。廃盤ではなく発売禁止となっています。残念ですよねぇ、これだけのアルバムが。今になって発売禁止とは。
残念といえば、「結婚しようよ」で文字どおり結婚した四角佳子と翌年離婚することになるのですが、その心情を綴った曲もアルバムには収録されています。

吉田拓郎

1975年になると、CBSソニーを離れフォーライフ・レコードを設立し移籍。よしだたくろう から吉田拓郎へと改名。四角佳子と別れ、その後「となりの町のお嬢さん(1975年 9月 25日発売)」と再婚します。

となりの町のお嬢さん

全てをリセットして70年代後半へと突き進んでいく吉田拓郎もまた魅力的ですが、70年代前半の よしだたくろう は別格も別格。まさに日本の音楽シーンを塗り替えました!
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