あいつと一緒に鍛えた末脚!友への優しさこそが正義のシルクジャスティス
2016年11月25日 更新

あいつと一緒に鍛えた末脚!友への優しさこそが正義のシルクジャスティス

シルクジャスティスと言えばその戦績よりも、エリモダンディーとの友情秘話に心動かされる競馬ファンが多いのではないだろうか。稀代の癖馬がもがき苦しみながら、ついにグランプリホースに輝くまでを追っていこう。

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その末脚を信じて

乗り替わりの噂もあったが、1997年12月21日有馬記念。
シルクジャスティスの背中にいたのは藤田伸二騎手だった。

大久保調教師が藤田を信頼していたように、藤田もジャスティスの末脚を信頼していた。
ジャスティスのペースを守り、道中は後方待機。
直線に入ると他馬の間をすり抜け、前を行くマーベラスサンデーとエアグルーヴを捉えに
かかる。
激しい叩き合いの末、ジャスティスの頭ひとつ抜け出したところがゴールだった。
「よく走ってくれました。最後にマーベラスサンデーを交わした瞬間は、もう泣きそうになりました」
ゴールの瞬間、まるで体の中にたまりにたまった悔しさのかたまりを吐き出すかのように、全身で喜びを爆発させた藤田騎手。苦しみが大きかっただけに、それを打ち破った喜びはその何倍も大きかったことでしょう。 

1997.12.21 中山9R
 (1650550)

盟友・エリモダンディー

シルクジャスティスを語るときに、欠かせない1頭の馬がいる。
同じ厩舎に所属していたエリモダンディーだ。

いじめられやすく、怖がりだったダンディーをいつも守っていたのがジャスティスだった。
ダンディーが他馬に威嚇され脅されると、怒っていじめっ子を退治していたという。

そんなジャスティスを慕い、後ろをついて回るようになったダンディーは、気こそ
弱かったが能力は確かで真面目に走る馬だった。
調教で2頭を併せると、あのジャスティスが悪癖を見せずに本気で走った。
有馬記念優勝の陰の立役者は、ダンディーだったのではないだろうか。
エリモダンディー

エリモダンディー

友の死をきっかけに

1998年2月8日。
シルクジャスティスのかけがえのないパートナーとなっていたエリモダンディーが、
腸捻転でこの世を去ってしまった。
ジャスティスを本気で走らせることができるのは、ダンディーだけだった。

ジャスティスは以前のように真面目に走らなくなり、成績も低迷。
2000年5月27日の金鯱賞が現役最後のレースとなった。

現在は北海道日高郡の畠山牧場で穏やかに余生を過ごしている。

アブに襲われ、悲痛な表情をしているジャスティス。牧場の方に助けを求めています。

息子は障害G1馬!

主な産駒に、中山大障害を勝ったバシケーンがいる。
種牡馬引退後の産駒中央重賞初勝利だった。

中山10R 中山大障害(J・GⅠ) 芝4100m 1着:バシケーン 2着:タマモグレアー 3着:マイネルネオス 4着:テイエムトッパズレ 5着
 (1650597)

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