ウディ・アレンの傑作『マンハッタン』は、大人の恋愛映画の教科書である、たぶん。
2017年4月3日 更新

ウディ・アレンの傑作『マンハッタン』は、大人の恋愛映画の教科書である、たぶん。

なんとも美しい映画なのだ。オープニング、クイーンズボロー・ブリッジのシーン、ラストシーン・・・どこをとっても良い。内容的には、大人の恋愛事情が下世話な部分もあるが、モノクロ映像がそんなところも解消してくれている。『アニー・ホール』と双璧の傑作『マンハッタン』は、大人の恋愛映画の教科書と言ってもいい、たぶん。

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このアイザックの部屋でのシーンがまたいい。コントラストが抜群。17歳とのベッドイン状態はともかく、部屋の雰囲気は最高だ。
 またあくる日、トレーシーと美術館デート中のアイザック。エールに不倫中のメリーを紹介される。だが、インテリタイプのジャーナリストであるメリーの言動がアイザックはどうにも気に入らない。買い物があると言って、途中でおいとましちゃうのだ。まあ、初対面であの調子なら(一人でしゃべり続ける)鼻持ちならないと思う人がいるのもわからないでもない。でも、ここは結構、面白いシーンの一つでもある。
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実際にウディ・アレンが影響を受け、愛してやまないベルイマンをメリーにけなさせるという設定も面白い。アイザックは、「ベルイマンは映画の天才だ」と反論するのだ。まあ、何にしても、いろいろ知らなきゃ楽しめないところはある。ついていくのも大変だ。
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テレビ局の制作連中に「コメディーの本質がない」とか文句を言いまくって、啖呵を切って辞めてしまうアイザック。とにかく、よく喋る喋る。
そして、この後、後悔するアイザックのセリフがいい。
「30秒は有頂天だったが今や失業者だ」
 メリーを嫌悪していたアイザックだけど、その後パーティー会場で偶然再会することに。それでなんだかんだ話してみると、意外と馬が合うことに気付き、次第に打ち解けてくる。
 そして、この映画最高のシーンが、夜中の犬の散歩中に寄ったクイーンズ・ボロー・ブリッジのシーン。美しすぎて、もう。
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ポスターやパンフレットに使われている、なんとも美しく印象深いシーン。
 そんなこんなで話はコロコロ転がっていく。メリーはエールと別れ、エールはアイザックにメリーと付き合うように勧め、アイザックはトレーシーと別れて、メリーと付き合うことになる(なんじゃそりゃ!)。
 でも、エールもメリーもお互いが忘れられずに、また会うようになり、メリーはアイザックに別れを告げる(おいっ!)。こうやって事実関係だけ並べると、訳のわからない恋愛沙汰だが、まあ、これが、モノクロ画面&ニューヨーク&小気味よいセリフなどの要素とともに繰り広げられるとなかなか感じがよかったりするのだ。
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ダイアン・キートンは、この作品でも魅力的な女性を演じている。
 ついでに言うと、暴露本を出そうとしている2番目の別れた妻役はメリル・ストリープで、別れて女性と付き合うようになるという展開。子供も一緒に女性二人と住んでいるという状態だ。もちろん、別れて付き合うのが男性でも女性でもいいんだけど、1979年当時はまだまだ刺激的だったのでは。それでも「ニューヨーカー」ってことでOKだったのか。
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「今でも分からない。なんで僕より彼女の方がいい?」とアイザック。
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このシーンも最高。ウディ・アレンそっくりの骸骨。並んでいると兄弟のようだ。未確認だが、アレンの骨格を似せてあえてこのシーンのために作ったのだろうか。そんなこと普通にやりかねない。
 結局、メリーと別れたアイザックは、トレーシーがどれだけ自分にとってかけがえのない女性だったかに気付く。アイザックは、タクシーがつかまらず、トレーシーの家までひたすら走る、走る!(らしくないウディ・アレンの走る姿は意外と感動する)。
 そして、演劇の勉強のためにロンドンへと発とうとするトレーシーと再会するのだった。
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アイザックと再会する直前、このドア越しに髪をとかすトレーシーは最高に愛らしい。
この記事の後半に動画があるので、ぜひ。
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ラストはマンハッタンの美しい情景。
<キャスト>
アイザック・・・ウディ・アレン
メリー・・・ダイアン・キートン
エール・・・マイケル・マーフィー
トレーシー・・・マリエル・ヘミングウェイ
ジル・・・メリル・ストリープ

<スタッフ>
監督 ウディ・アレン
脚本 ウディ・アレン、マーシャル・ブリックマン
製作 チャールズ・H・ジョフィ、ジャック・ローリンズ
製作総指揮 ロバート・グリーンハット
音楽 ジョージ・ガーシュウィン
撮影 ゴードン・ウィリス
編集 スーザン・E・モース

『マンハッタン』が公開された1979年といえば・・・。

 今回は、邦楽洋楽のヒットチャートをご紹介! まずは邦楽チャート!

1位 夢追い酒 渥美二郎 145.4万
2位 魅せられて ジュディ・オング 120.4万
3位 おもいで酒 小林幸子 99.7万 
4位 関白宣言 さだまさし 99.0万
5位 北国の春 千昌夫 92.8万
6位 ガンダーラ ゴダイゴ 82.1万
7位 YOUNG MAN 西城秀樹 80.8万
8位 チャンピオン アリス 78.0万
9位 みちづれ 牧村三枝子 74.3万
10位 カメレオン・アーミー ピンク・レディー 70.8万

 この年は特に印象深い名曲が多い。「魅せられて」「関白宣言」「ガンダーラ」「チャンピオン」など、バラエティに富んでる。ベスト10内に演歌が4曲も入っていて、まだアイドルに席巻されていないチャートで、ある意味素晴らしい。さて、ここでは、名曲「関白宣言」を。

当たり前だけど、さださん、若い。それと少し挙動不審気味。この紅白歌合戦の映像、映っている審査員の有名人たちがいい!
 さらに、洋楽ビルボードベスト10を!

1位 マイ・シャローナ ザ・ナック
2位 バッド・ガール ドナ・サマー
3位 おしゃれフリーク シック
4位 アイム・セクシー ロッド・スチュワート
5位 恋の仲直り ピーチズ&ハーブ
6位 恋のサヴァイヴァル グロリア・ゲイナー
7位 ホット・スタッフ ドナ・サマー
8位 YMCA ヴィレッジ・ピープル
9位 リング・マイ・ベル アニタ・ワード
10位 サッド・アイズ ロバート・ジョン

 ディスコソング全盛の70年代典型チャート。「ディスコの女王」ドナ・サマーが2曲。ということで、ここはドナ・サマー、ロッド・スチュワートの2本立てで! ロッド、自分で言うだけあって、セクシー過ぎる!

「ホット・スタッフ」ドナ・サマー
ハイテンション!
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